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「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT」,バンダイナムコスタジオのレーベル“GYAAR Studio”の出展タイトルを紹介。4月からSteamで無料配信
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印刷2023/03/07 17:59

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「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT」,バンダイナムコスタジオのレーベル“GYAAR Studio”の出展タイトルを紹介。4月からSteamで無料配信

 インディーズゲームイベント「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT」が,2023年3月4日に東京・吉祥寺の武蔵野公会堂で開催された。
 このイベントは,クリエイターにとって“自身の作品の発表やほかクリエイター,ユーザとの交流を行う”こと,ユーザにとっては“新しいゲーム,クリエイターを発見・体感できる”ことを目的としたものだ。

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT」,バンダイナムコスタジオのレーベル“GYAAR Studio”の出展タイトルを紹介。4月からSteamで無料配信

 会場には,2021年に設立されたバンダイナムコスタジオのインディーズゲームレーベル「GYAAR Studio」から,「フックと鎧獣 (かいじゅう)」「ENDRAYS」「EXCYCLE」「しげるプラネット」の4作品がプレイアブル出展されていた。
 バンダイナムコスタジオの新人研修プロジェクトの一環として開発されたこれらの作品は,同社の2022年度新人スタッフ10数名がチームを組み,約4か月かけて開発に取り組んだというもの。チームメンバーの中には,それまでゲーム開発経験のなかったスタッフもいたそうだ。
 前年度と同様に,Steamで無料配信される予定の4作品を,開発者のコメントとあわせて紹介しよう。

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[2022/05/27 15:00]

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GYAAR Studioエリアは,待機列ができるほど大盛況だった


「フックと鎧獣 (かいじゅう)」

2023年4月7日配信予定


 「フックと鎧獣」は,塔を守る飛空船部隊の一員となり,飛空船からぶら下がっているフックを鎧獣の身体に引っかけ,バランスを崩して転倒・撃退させるゲームだ。
 鎧獣は,画面内に配置された塔を狙って攻撃を仕掛けてくる。その際,片足立ちになって大きく腕を振りかぶるなど,重心が移動してバランスが悪くなることがあるので,その瞬間を狙って身体のパーツにフックを引っかけて引っ張り,転倒させる。

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大きく振りかぶった瞬間を狙って……

 ステージは,難度と雰囲気の異なる3つが用意されており,それぞれ形状や動きなどの異なる鎧獣が襲来する。中には,フックを引っかけられるパーツを隠そうとする「鎧虫」が登場するものもあり,3ステージとはいえ結構遊びごたえがある。

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腕のパーツにフックを引っ掛けて一気に倒す

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金子 新氏。マスクはゲーム内の飛空船のパイロットを意識したもの
 本作のディレクターを務めた金子 新氏は,もともとは釣り竿のようなものを振って,糸に付いた針を引っ掛けるゲームを考えていたという。ただ,それだけでは新しい挑戦にならないため,試行錯誤しているうちに,大きな敵に針を引っ掛けバランスを崩して倒すというアイデアが生まれたそうだ。

 チームメンバーにはゲーム開発経験者が2名しかいなかったこともあり,“学びながらの開発”に。代わりに,従来のゲームに縛られることなく開発を進められたというメリットもあったと話す金子氏。

 芸大出身のアーティストのセンスを活かした独特なビジュアルなど,メンバー各自の尖った部分が前面に出たタイトルになったのではと語っていた。

カットシーンの演出にも独特のセンスが感じられる
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 またゲームとしては,鎧獣のバランスを崩して転ばせるというアクションが新しいと捉えているそうだ。
 転ばせる部分を面白く,かつ気持ちよく演出するべく,画作りやサウンド,手触りにもこだわったとのことで,「かなり難度が高いと感じるかもしれませんが,ぜひコツを掴んで鎧獣をズッコケさせてください」と話していた。

「フックと鎧獣」Steamストアページ



「ENDRAYS」

2023年4月14日配信開始


 「ENDRAYS」は,地上に出現した謎の破壊兵器を操作し,レーザーを照射して街や迫り来る軍隊を次々に破壊していくゲームだ。
 破壊兵器の武装は,対地レーザーや対空レーザー,ボムなどがあり,敵を破壊して得られる経験値を消費して,強化や性能の変化も行える。周囲をレーザーで薙ぎ払った後,時間差で敵や立ち並ぶビルなどが次々に爆発していく様子を眺めるのは爽快で,迫り来るボスをすべて倒すとクリアとなり,人類が滅亡する。

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レーザーを照射すると……

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敵や建物が時間差で爆発。非常に気持ちがいい

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中村一登氏
 本作のディレクターを務めた中村一登氏によると,レーザーを撃つという,現実では不可能な体験をしてみたいという衝動が自身の中にあり,レーザーを撃った感触や,破壊の爽快感を味わえるゲームを作ることに決めたそうだ。

 攻撃や破壊演出がド派手な本作だが,チームメンバーも開発に熱意を持って臨んだこともあり,4か月という短い開発期間ではあったものの,カットシーンを含め映画的な表現を随所に散りばめられている。
 半面,スケジュールが厳しくなったり,ゲームを動かしたときの負荷が大きくなったりといったデメリットが生じてしまったとも語っていた。

 なおプランナーとして入社した中村氏は,これまでゲーム開発の経験がなかったため,ほかの職種と認識や価値観の相違を感じることも多かったという。自身が至らないからこそ,逆にチームメンバーとのコミュニケーションを密にすることを意識したとのこと。

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破壊兵器の強化画面。何を強化するかでプレイ感も変わる

 ゲームとしては,レーザーを撃ったときや爆発させたときの気持ちよさと,画面内のオブジェクトをほぼすべて破壊できる爽快感を味わってほしいそうだ。
 「悪役の気持ちになって遊んでもらえるといいかなと思います。破壊した分の被害総額がスコアとして加算されていくので,あり得ない額を叩きだして人類を滅亡に向かわせてください」とも話していた。

「ENDRAYS」Steamストアページ



「EXCYCLE」

2023年4月21日配信開始


 「EXCYCLE」は,最大4人のオンライン対戦が可能な一輪車レースゲームだ。操作方法が独特で,マウスホイールを転がすことで前進し,マウスを左右に振ると方向転換,左クリックでジャンプする。また右クリックで,ほかのプレイヤーの邪魔をできるタックルを繰り出せる。
 プレイ中に,スタンプを使ったエモートで自分の意思や感情を表現することもでき,中には相手を挑発するようなスタンプもある。
 コースは,遊園地とバラエティ番組,サーカスをモチーフにした3種類で,コースの雰囲気合わせたギミックが仕掛けられている。

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ポップな画面で,見ているだけでも楽しそうな雰囲気が伝わってくる

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コースを外れると落下

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和波俊亮氏
 本作のディレクターを務めた和波俊亮氏は,“PCならではの遊び”ができるものとして,マウスホイールと一輪車をリンクさせた操作感を思いついたそうだ。
 そこから,一輪車の不安定感を活かしたマルチプレイのゲームにすると,プレイヤーがギャーギャー騒ぐようなものになるのではないかと,アイデアを膨らませていったとのこと。

 開発当初は,マウスで一輪車を気持ちよく操作するための検証に,かなりの時間を割いたという。またオンラインへの対応にも苦労したが,そのぶん相手の反応を確認できるようになって,より面白いゲームに仕上がったのではと語った。
 和波氏もゲーム開発の経験がなかったそうで,今回の取り組みを通じて各職種の考え方の違いなども学べたと話す。チームメンバーのエンジニアやアーティストの手によって,アイデアが膨らんでいき,次々にゲームの形になっていく過程が楽しかったという。

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プレヤーキャラの選択画面。プレイ中は基本的に後ろ姿しか見られないが,こちらもポップに仕上がっている

 ゲームとしては,当初の狙いどおり家族や友人同士でワチャワチャギャーギャー楽しめるような仕上がりになったので,「素の自分をさらけ出して遊んでいただけたら嬉しいです」と話していた。

「EXCYCLE」Steamストアページ



「しげるプラネット」

2023年4月28日配信開始


 「しげるプラネット」は,惑星に人面植物を繁殖させるシミュレーションゲーム。プレイヤーはUFOを操作し,キモかわ人面植物「しげる」に水を与えて,繁殖させていく。また惑星には,人面植物の天敵が棲息しているので,襲ってくる彼らをUFOの水鉄砲で撃退する必要もある。

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UFOを操作して,人面植物を増殖していく

 人面植物を増やすと資金が貯まっていくので,UFOを強化できる。水やり機能を強化すれば繁殖のスピードが高まり,攻撃力を強化すれば天敵を撃退しやすくなる。さらに「進化ゲノム」を獲得すれば,繁殖力や枯れにくさが高いなどの特徴を持つ新種の人面植物が登場するようになる。

 10分といった制限時間内に,人面植物をどれだけ増やせるかが目標となるゲームなので,プレイのテンポは結構速く,なかなか忙しい印象だ。

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進化ゲノムを規定数獲得すれば,新種が登場するようになる

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河南登真氏
 本作のディレクターを務めた河南登真氏によると,着想したきっかけは,人の顔をした花が微笑んでいるというイラストを見たときに,「気持ち悪い,キモかわいい」と思ったことだったという。
 仮にこの花がどんどん増えてステージを埋め尽くしたら,もっと気持ち悪くてゾクゾクするような不思議な感覚になるだろうと考え,UFOを使って次々に増殖していくようなイメージを固めていったとのこと。

 しかし,ビジュアル先行で考えたため,ゲーム性をどうするかについてはかなり難航したそうだ。タワーディフェンスや対戦バトルといった案も挙がったが,増殖というテーマには合わなかったため,ボツになったという。
 チームメンバーからさまざまなアイデアが出る中,最終的にUFOを操作するゲームにしたことにより,ポップで分かりやすくなったと語っていた。

 河南氏は,大学時代に映像や音楽の制作など,エンターテイメント系全般を学んでいたそうで,万人に受けるものよりも,特定の誰かに深く刺さるコンテンツ作りを意識してきたとのこと。設定やビジュアルが独特な本作も,そうした思いを込めて企画したという。


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UFOの強化画面。何を重視するかで,戦略性も変わる

 ゲームとしては,周回プレイを楽しんでほしいようで,どのようにUFOを強化していけばいいのかなど,自分なりの進め方を探してみてくださいと話していた。

 また本作には,コメントや人面植物の見た目をカスタマイズし,プレイヤー同士でコミュニケーションを図れる「しげったー」機能も存在する。ここのコメントは,プレイ中の人面植物のセリフにも反映されるので,プレイヤー同士の緩い繋がりを感じてほしいそうだ。

 人面植物のボイスにもこだわったという本作。河南氏は,「見た目にインパクトがありますが,一度遊んでみると戦略性の部分に惹き込まれて,いろんな遊び方を試したくなるゲームになっています」とも話していた。

「しげるプラネット」Steamストアページ


「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT」公式サイト

  • 関連タイトル:

    フックと鎧獣

  • 関連タイトル:

    ENDRAYS

  • 関連タイトル:

    EXCYCLE

  • 関連タイトル:

    しげるプラネット

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