プレイレポート
[プレイレポ]日本一ソフトウェアの異能×学園RPG「シカトリス」。心の闇を抱える異能使いの高校生たちを率いて,異常異能事件に迫る
シカトリスとは,フランス語で「傷痕」のこと。本作に登場するキャラクターは,いずれも何かしらのつらい体験をしており,それをトリガーにして発現する「異能」に人生を大きく左右された者ばかりだ。
重いテーマを持つ物語だけでなく,周回プレイを前提とした育成の楽しさや,無数に用意されたスキルの組み合わせなど,やり込みがいのあるシステムも魅力となっている。発売を間近に控える本作の先行プレイレポートをお届けしよう。
「シカトリス」公式サイト
重い悩みを抱えた7人の生徒が集まる「RAUT三〇二部隊」
本作の舞台となるのは,「異能」と呼ばれる超常的な力が発現するようになった世界だ。精神的なトラウマをきっかけに発現する異能は,ときに異能使い本人の精神状態によって暴走し,「異常異能」という怪物に成り果ててしまう。そんな異常異能事件に対処するべく,警察は「AUT(対異常異能班)」を結成するが,頻発する事件に対処しきれずにいた。
異能を発現するのは精神的に未熟な子供や若者が多く,政府は彼らの保護のために特殊学級「RAUT(予備対異常異能班)」を設立した。
この物語は,とある事件により異能を失ってしまった元AUT隊員の主人公 神谷蓮史(かみや れんじ)が,さまざまな暗い過去を抱える異能使いが集められた「RAUT三〇二分隊」に教師として赴任するところから始まる。
RAUT三〇二部隊に集まった7人の生徒は,いじめや挫折,家族の死など,それぞれに異能を発現するきっかけとなる心の闇を抱える思春期の高校生である。神谷はそんな彼らと日々,教師として接することで,生徒の抱える悩みやトラウマの克服を手助けしていくことになる。そして,その過程で神谷自身が抱える問題や,過去に戻る異能の発現など,さまざまな物語が展開し,大きなうねりにつながっていく。
授業で生徒を育成し,300種ものスキルを組み合わせて「異常異能」に挑む
ゲームの進行は,毎週の授業をこなして生徒たちの基礎力(ステータス)を成長させることが基本となる。授業を繰り返していく中では,中間試験といった学校の行事,街で発生する異常異能事件,自らのトラウマと仮想世界を通して向き合う「CUAD」などのイベントも発生する。
授業では,その週に受けられる科目がランダムで複数登場し,その中から伸ばしたい基礎力に合わせて,生徒に授業を割り振っていく。基礎力は「体力・集中・判断・忍耐・知識・理論・感受・器用」の8種類。一見すると学校の成績評価のようで聞き慣れないが,集中はスキルポイント,判断は物理攻撃力,器用は命中・会心といったように,いずれもRPGではお馴染みのステータスだ。
また,生徒にはそれぞれ「専攻」する授業科目が存在する。専攻は10種類以上あり,選んだ専攻によって取得できるスキルが異なるうえ,授業による基礎力の成長にも倍率がかかってくる。近い指向の専攻を複数選ぶことで,特定の基礎力を通常より大きく伸ばせるというわけだ。
もちろん,こうした専攻の組み合わせは,戦闘スタイルにも大きな影響を与える。キャラクターの育成方針に合わせて,専攻をじっくりと吟味していくことになるだろう。
本作の戦闘はターン制となっている。4人編成のパーティで敵と対峙し,生徒それぞれが提案してきた行動から1つ選択して攻撃や回復などを行う。生徒が提案する行動は,事前に装備されたアクティブスキルの中からランダムで選ばれるため,敵のステータスを戦闘準備画面であらかじめ確認しておこう。
なお,戦闘では1ターンにつき,1人しか行動できない。そのため,一つ一つの選択が重要となる。スキルの中には味方の行動時,追加の攻撃を行うものもあるため,そうした特徴を把握することも重要だ。
また,敵味方どちらにもスタンゲージが設定されている。これは攻撃を受けると溜まり,MAXになるとキャラクターがスタンしてしまう(1ターン行動できなくなる)。前述の通り,本作の戦闘は1ターンにつき,1人しか行動できない。しかし,敵は複数が同時に攻撃を行ってくるため,スタンゲージで敵の行動をいかに阻害できるかが,戦闘を優位に進めるコツとなる。
大切な生徒たちと出会った4月2日に戻り,近い未来に起きる最悪の結末を回避せよ
プレイヤーは生徒一人ひとりに寄り添っているつもりでも,生徒が心の闇に耐えきれず,異常異能と化してしまうバッドエンドに何度も遭遇するだろう。そうなったときは,神谷が持つ異能の力を使い,RAUT三〇二部隊に赴任する直前へとタイムスリップ(正確には過去の地点に記憶を飛ばしているようだ)することになる。
4月2日に戻れば,当然だが生徒たちのレベル・基礎力・スキルも初期の状態に戻ってしまう。しかし,それを補ってくれるのが「周回ボーナス」だ。イベントや事件を攻略していくと,ボーナスポイントが付与されていく。そのポイントと引き換えに,次の周回開始時に「Lv+2」「全基礎力+3」「戦闘経験値+10%」といった追加効果を付けて,ゲームを有利に進められるようになるのだ。
本作のバッドエンドは,すべて回避することが可能だという。周回ボーナスと計画的な生徒の育成により,未来で起こり得る最悪な結末の回避を目指していこう。
生徒の抱える心の「傷痕」を通して,彼らの内面へと迫っていく
冒頭でお伝えしたように,本作のストーリーでは登場人物が抱える心の闇やトラウマと向き合っていくことになる。生徒たちとの共同生活を何度も繰り返すことで,彼らの複雑な表情や心情に気づいたり,深いところにある気持ちに寄り添ったりできるようになり,生徒たちが段々と愛おしくなってくる。
だからこそ,彼らのバッドエンドを回避するために「何度でもループを繰り返さなければ!」という気持ちが徐々に強くなっていった。
そして何よりも特筆すべきは,生徒を守るためにループを繰り返すたびに,神谷自身も教師として成長していくことだろう。「とある事件」をきっかけに教師となった彼は,生徒と同様に過去の出来事にトラウマを抱えている。生徒たちが心の闇と向き合うと同時に,神谷も事件と向き合っていくことになる。
心の傷痕をテーマにした本作は,やりごたえのある周回と育成,膨大なスキルの組み合わせで変わる戦闘スタイル,そして苦しみながらもトラウマと向き合っていく彼らの物語が大きな魅力だ。現在,ゲームの序盤を遊べる体験版が対応プラットフォームで配信中なので,興味を持った人はこちらからチェックしてみるといいだろう。
異能×学園RPG「シカトリス」の体験版が配信開始。声優陣のサイン色紙やオリジナルグッズが当たるTwitterキャンペーンも開催
日本一ソフトウェアは本日,同社が6月29日に発売を予定している「シカトリス」の体験版をリリースした。本作は,人類が「異能」に目覚めた世界で,教師として学園生活を送り,有事の際は異能使いの生徒たちを率いて戦うRPGだ。体験版では,ゲームの序盤をプレイでき,製品版にデータを引き継げる。
「シカトリス」公式サイト
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(C)2023 Nippon Ichi Software, Inc.
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