プレイレポート
[TGS2022]「ドラえもん のび太の牧場物語 大自然の王国とみんなの家」インプレッション。前作のプレイ感はそのままに,自然の息吹を感じさせる演出を強化
本作は,牧場生活ゲーム「ドラえもん のび太の牧場物語」(Switch/PS4/PC)の続編にあたる作品だ。今回,新たな舞台でのスローライフを楽しめる体験版をプレイする機会を得たので,その手触りやプレイフィールをお伝えしよう。
ゲームをスタートすると,前作同様に温かみのある世界が目の前に広がっている。アナログ的な筆のタッチが残るグラフィックスはどこかファンタジックで,かつアニメの「ドラえもん」を思わせるテイストだ。ちなみに今回の舞台「イリマ星」は,地球とは別の星だ。
また,風に乗って舞う木の葉や,梢から差し込む木漏れ日,その場その場で変わる環境音など,演出がかなり凝っており,自然の中で過ごしている感覚が強調されている。アウトドア好きな人なら,いろいろと楽しい記憶を思い出してしまうはず。
そんな自然の中で,おなじみの開墾,作付,牧畜といった牧場の仕事を行っていると,次第に時間の感覚が薄れてきて,まったりと没頭してしまう。いつも通りといえばいつも通りだが,それこそが「牧場物語」シリーズのファンにとってたまらない部分でもある。
ただ,「のび太の牧場物語」シリーズにはドラえもんの「ひみつ道具」が登場するため,その使い方によってプレイ感が大きく変わるのも面白いところ。
体験版では,ゲーム内時間で2時間体力が減らなくなる「ケロンパス」,畑からランダムで料理が生えてくる作物「畑のレストラン」,作物の成長段階を進ませる「アットグングン」などを最初から持っていた。
これらを組み合わせて使えば,ケロンパスで疲れ知らずに畑のレストランを植えて,アットグングンを連続使用して一気に収穫可能にし,その場で美味しくいただくという,まさにドラえもんの映画のワンシーンのようなこともできる。
このように,最初からいろいろ試すことができるが,舞台となる王国を散策してみると,新たにピッケルや釣り竿などをもらえるので,やれることはさらに増えていく。
TGSの会場でプレイする予定の人は,のんびりしていると試遊時間がすぐに過ぎてしまう恐れもある。あれこれ試してみるというより,自分が特に好きな要素をある程度絞っておくのがオススメだ。
前作から大きく変わったポイントとしては,ドラえもんやしずかちゃんといった,特定のキャラクターを連れて一緒に行動できることが挙げられる。
のび太くんが畑仕事をしたり,何かを採集したりするたびに,同行しているキャラクターも行動してくれるので,仕事がはかどったり,手に入るアイテムが増えたりといいことづくめだ。製品版では,仲間たちと一緒に牧場を発展させていく感覚を味わえそうだ。
今回の体験版では,最初から馬を呼んで乗ることができたので,王国を移動するのにとても便利だった。ブラシを買って可愛がってあげると,馬に愛着も湧いてくるだろう。
クラン王国の全体マップは,どこか前作のシーゼンタウンを思い出させるもので,牧場の東には街,南東に海,西に森や山があるといったおおまかな配置は共通している。前作を遊びこんだ人なら,その感覚を頼りにしてもいいだろう。
今回は試せなかったが,オフラインの協力プレイも可能になっている。こちらは,のび太とドラえもんで体力を共有してプレイするとのことだ。
以上のように体験版は,シリーズらしいさまざまな遊びの要素と,新たな世界の雰囲気を確かめられるものだった。続編の登場を心待ちにしていた人はもちろん,新たに興味を持った人もぜひ触れて,ドラえもんと「牧場物語」の相性の良さを知ってほしいところだ。
プロデューサーの中島光司氏にインタビュー。前作からパワーアップした点や見どころを聞いた
さて,体験版の試遊時に,「ドラえもん のび太の牧場物語 大自然の王国とみんなの家」のプロデューサーである中島光司氏に話を聞くことができたので,それをもって本稿の締めくくりとしよう。
4Gamer:
よろしくお願いします。今回TGSの会場でプレイできる体験版は,どのような方針でまとめたものでしょうか。
中島光司氏(以下,中島氏):
今回の体験版は,基本的な道具を手に入れたあとの状態で,畑仕事や生き物の世話など,好きなことを試せます。やはり「牧場物語」という作品の体験版なので,僕らの側から「あれをやってください,これをやってください」という作りにするより,プレイする人が好きなことを試せるようにしたかったんです。
4Gamer:
釣り竿をもらって釣りにいったり,ツルハシをもらって鉱山に潜ることもできますね。鉱山でツルハシを振るっていると,のび太の服が段階的に汚れていくのには驚きました。
中島氏:
ほかにも,夜になると胸につけたライトが近くを照らしてくれたりもします。本作は3Dキャラクターの表情が細かく変わるなど,細部の描写にも力を注いでいます。プレイヤーに,よりこの世界へ入りこんでほしいという思いで制作していますね。
4Gamer:
そのあたりを意識しながらプレイすると,いろいろ発見がありそうですね。
中島氏:
「大自然の王国とみんなの家」は,前作に近い雰囲気を残しつつ,大自然の中にいるような臨場感のある演出が特徴です。日の光や,風に舞う木の葉,夜に聞こえる虫の声など,さまざまな部分を強化しています。
前作は「グラフィックが美しい」「癒される」といった評価をいただいた作品なので,今回もそこが一番期待される要素だろうと意識しつつ開発を進めていきました。実はゲーム中の太陽は実際に昇ったり沈んだりしていて,,光源の位置がリアルタイムで変わっているんです。
4Gamer:
夕暮れ時なら,西から光が差したりするということでしょうか。
中島氏:
はい。あとは「ビューポイント」という眺めのいい場所をいくつか用意していて,普段とはアングルの違う,美しい景色を楽しめます。そこでのんびりたたずんでみると,一日の時間の流れが感じやすいと思いますよ。
ちなみに「牧場物語」は,四季の移り変わりが描かれることも魅力ですが,ビューポイントではその表現に特に力を入れています。
4Gamer:
キャラクターを連れて行って一緒に仕事をしてくれる新システムも,プレイヤーが虫取りをすると,同行しているキャラクターも1回虫取りをするといった感じで,丁度よいバランスになっていると思いました。セリフも豊富で,みんなで一緒に暮らしている雰囲気も出ていると思います。
中島氏:
前作は「ひとりで暮らしつつ,牧場を発展させていく」という,ある意味「牧場物語」シリーズの序盤に忠実な作りでしたが,今回はドラえもん,しずかちゃん,ジャイアン,スネ夫たちと一緒に牧場を発展させていく「ドラえもん」寄りの内容にしているんです。
4Gamer:
前作では映画の「ドラえもん」のような雰囲気を感じたのですが,今回もそこは変わらないポイントなのでしょうか。
中島氏:
もちろんです。今作でも起承転結のある,一本の物語を楽しめます。ドラえもんの映画のように,普段とは別の場所で,そこにいる人たちと仲良くなって,困難にみんなで立ち向かっていく――この美しい流れは,今回のシナリオでも意識しています。物語の魅力については,今後公式サイトなどでもお伝えしていきますので,続報をお待ちください。
4Gamer:
最後に読者にメッセージをお願いします。
中島氏:
「ドラえもん のび太の牧場物語 大自然の王国とみんなの家」は,前作で好評だった部分をさらに強化しつつ,課題だった部分にもしっかり手を入れて作りました。皆さんが前作で感じたことが本作に反映されているかどうか,会場に来られる方はぜひ確かめてください。会場に来られない方も,今後の情報に期待していただければ幸いです。
「ドラえもん のび太の牧場物語 大自然の王国とみんなの家」公式サイト
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ドラえもん のび太の牧場物語 大自然の王国とみんなの家
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(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK
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制作/開発:マーベラス
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