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[TGS2022]一風変わったメトロイドヴァニア「ANIMAL WELL」の日本語版をチェックしてきた。美しいピクセルアートに込められた探索の面白さ
「ANIMAL WELL」公式サイト
「ANIMAL WELL」は今年6月に開催された「Summer Game Fest: Play Days」の取材記事でも紹介しているが(関連記事),素性が分からないスライム状の主人公が広大な地下洞窟の中を旅していくメトロイドヴァニア系アクションゲームである。黒いシンプルな背景,紫色のプラットフォーム,青い水,そしてディープなネオンカラーに統一された緑色の草や苔など,幻想的な世界が特徴的だ。
さまざまな2Dプラットフォーマーが世に出ているが,「ANIMAL WELL」にはバッソ氏が長年開発してきた独自のテクノロジーが込められている。プレイヤーキャラクターの周囲に照らされている部分の陰影表現や,ピクセルがチラチラと点滅を繰り返し,水の流れを描写するといったビジュアルには確固たる個性が存在する。
「ANIMAL WELL」のゲームプレイは,アクションより探索に大きな比重が置かれている。バッソ氏のデザインとしてゲーム内ではあまり説明がなく,プレイヤーは序盤から自由に探索を始められる。徐々にプラットフォームが動いていくステージや,白いクリーチャー(怨霊?)が動いている場所が複層階に連なっており,探索していくと新たな発見がある。
ドアを開くために「3つのボタンを押す」といったパズルも存在するが,そもそも「ボタンが3つあるので探してください」というメッセージやオブジェクティブは表示されない。プレイヤー自身が探索によって打開するしかないのだ。筆者はプラットフォームアクションに対する先入観から,しばらく右往左往することになったが,常にプレイヤーを良い意味で欺くようなパズルが満載だ。
アクションに目を向けてもパズル要素が強い。主人公は基本的に戦う術を持っていないため,行く手を阻む幽霊に対しては“爆竹草”を投げて撃退したり,追いかけてくる犬には棒を投げて注意を逸したりといった,マップ上に散りばめられたアイテムや環境を利用することになる。
なお,必ずしも動物や幽霊は恐ろしい敵として表現されているのではなく,彼らがいる場所にお邪魔してしまった主人公(プレイヤー)が思考を巡らせ,問題を解決するといった形である。優しいメトロイドヴァニアと言えるかもしれない。
落下すると“キル”になる場所と,別のステージにつながっている場所があるため,プレイヤーはトライアル&エラーを繰り返すことになるが,難しい戦闘をかいくぐってきたわけではないので,精神的なダメージは小さい印象だ。それでいて,パズルの連続が心地よい緊張感を生み出している。
しかも,今回はインタフェースとテキストが日本語化されたバージョンを出展しており,α版のSteam Deck対応デモも公開されている。発売時期は未定だが,コア層からカジュアル層まで楽しめるゲームに仕上がりつつあるようだ。
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