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[TGS2022]「信長の野望 覇道」インタビュー。“シブサワ・コウ”ブランド長の伊藤幸紀氏が語る,信長と三國志の覇道のあり方
本作は,ちょうど2年前の2020年9月15日からサービスされてきた「三國志 覇道」(iOS / Android / PC)のいわば“信長の野望版”であり,同じ覇道でいて,違う覇道を目指すべくシステムの差別化が図られた渾身作だ。
「信長の野望 覇道」CBTプレイで噴き出すアドレナリン! 取って取られて取り返す,足軽気分でレッツ・攻城戦♪
コーエーテクモゲームスが満を持して贈る,新作スマホゲーム「信長の野望 覇道」のCBTプレイレポートをお届けする。戦国大名に仕える領主として,他大名家と陣取りして天下統一を目指す,新たな覇道の世界はいかがなものだろう。
ゲーム内容に関してはCBTレポートを掲載済みだが,TGS 2022では出展こそされているもののゲームの姿形はまるでない状況。
そこで「三國志 覇道」のプロデューサーであり,「信長の野望 覇道」では企画立ち上げから“シブサワ・コウ”ブランド長として携わってきた,おなじみの覇道プロデューサーの伊藤幸紀氏に質問してきた。
※伊藤氏の立ち位置については,以前のインタビューで触れている
「三國志 覇道」の新シーズン“神謀争覇”インタビュー。選べる軍師の計略がカギを握る,久しぶりの軍団戦
コーエーテクモゲームスのスマホ向けシミュレーションゲーム「三國志 覇道」の新シーズン“神謀争覇”が,2022年6月16日からはじまる。今回はその内容を尋ねつつ,新たな義兄弟作「信長の野望 覇道」についても話を聞いた。
「信長の野望 覇道」公式サイト
「三國志 覇道」公式サイト
「三國志 覇道」ダウンロードページ
「三國志 覇道」ダウンロードページ
信長で敷く,新たな覇道
4Gamer:
(今年のTGSはビジネスデーからして)人がいっぱいですね……。
さてCBT以降,続報は控えめなもののTGS会場にも出展されている「信長の野望 覇道」ですが,現状はいかがでしょう。
伊藤幸紀氏(以下,伊藤氏):
この場ではゲームのプロデューサーではなく,ブランド長として話させてもらいますが,現時点でゲーム全体がある程度組み上がっているので,内部でテストプレイを重ねています。
そうして細部の触り心地や,「このイベントは本当に面白いのか?」などをチューニングしている最中です。
4Gamer:
往年のTGSさながら,完成進捗度は順調そうで。
伊藤氏:
システムの完成度は,80%から90%。
運営部分まで含めると,70%といったところですね。
4Gamer:
実際,CBTでの反響はいかがでしたか。
伊藤氏:
CBTの手応えは率直に「よかった」と受け止めています。大きなルールに関してもそのまま持ち越せる部分が多いと感じました。
ただし,CBTは“遊べる期間が短いからこそ盛り上がった”という側面がありますので,そこを勘違いしないようにしています。
4Gamer:
ああ,本サービスは1シーズン,2か月や3か月あるから。
伊藤氏:
ええ。だからこそテストに参加してくださったプレイヤーの皆さんも,短期で集中して戦闘を繰り広げたり,消費物を惜しまずガンガン使ってくれたりしましたが,それらの動きはサービスがはじめれば確実に鈍り,保身の傾向に移るはずです。ですので我々は「実際にゲームがはじまったあとの環境」を想像しなければなりません。
そこはCBT以降,常にチームで注意してきたところで,ブランド全体で成功に導くための意識統一としています。
4Gamer:
狙っていた面白さは,プレイヤーに届きましたか。
伊藤氏:
「信長の野望 覇道」として伝えたいことや狙っていたことには,ちゃんと反応してもらえた手応えがあります。
4Gamer:
大局的なルールは猛者たちのフィードバックに任せるとしつつ,私は細かいところで「スタート直後,周囲に制圧できる土地がなくてミッションが進まない問題」など,初心者が悩みそうな点は感じました。
これらの課題も浮き彫りになった感じでしょうか。
伊藤氏:
そうですね。それで言うととくに,魅力の一つとして提示していた「攻城戦」(3Dの専用別マップで行う集団戦)が挙げられます。
CBTレポートにも書かせてもらいましたが,結果的に「約半数に近いテスターが体験できなかった」ところは課題と言えますね。
4Gamer:
攻城戦は「一門」(プレイヤーコミュニティ)ありきのため,人によってはチュートリアル程度しか触れていないのかもしれませんね。
伊藤氏:
それはつまり,この作品で提供したい醍醐味をしっかりと届けられなかったということですから。攻城戦のテコ入れは現在進めています。
4Gamer:
せっかくの場なのでお聞きしますが。
TGS後,なんらかの動きがあると見ても?
伊藤氏:
TGS後に短い尺ではありますが,現状の開発進捗などをお届けする紹介動画を公開予定です。
待っていただけているユーザーの方々を,そろそろ音沙汰がなくて心配させてしまいそうですので。意思を表明すべきかなと。
4Gamer:
あらためて,今後は信長と三國志,二つの覇道を“シブサワ・コウ”ブランドとしてはどのようにして運用していくのでしょう。
伊藤氏:
「信長の野望 覇道」と「三國志 覇道」は同じ覇道タイトルであり,多数のプレイヤーがリアルタイムでシミュレーションストラテジーに挑むというベースこそ同じですが,中身はシステム面からして差別化しており,遊び方についても大きく変化させています。
極論,「三國志 覇道」を遊んでいただいている方々が「信長の野望 覇道」を触ったとき,合う合わないの相性問題は絶対に出てくるものと考えています。それに,「信長の野望 覇道」は決して「三國志 覇道」をそのまま改良したタイトルではなく,それぞれ異なるゲームとして作ってきました。そんな二つの覇道を別々のものとして注力していくのが,今後の“シブサワ・コウ”ブランドのスタンスとなります。
4Gamer:
どちらが合うかは,受け取り手の嗜好に委ねると。
伊藤氏:
はい。ゲームシステムの好みもそうですが,日本のプレイヤーと海外のプレイヤーでもまた,受け取られ方はぜんぜん違いますからね。
4Gamer:
その話だと,「信長の野望 覇道」はどちらかというと日本向きですよね?
伊藤氏:
そうですね。我々としても現状,グローバル展開で羽ばたかせるといった野望はまずは抜きにしていて,日本の方々に好ましく思ってもらえる戦国題材のゲームとして,日本ローンチに注力します。
海外もアジア圏に関しては,コンシューマ版のシリーズ展開などを手がけているので,それなりに反響はあるのですが。
4Gamer:
三国志題材と比べると?
伊藤氏:
地域ごとの反響や印象を完璧にリサーチできているわけではありませんが,単純な話,実売数では明確に差が生まれます。
一辺倒には言えませんが,世界中で人気の高い三国志題材の作品と比べると,「ノブナガってダレ?」「その人つよかったの?」と思っていても仕方ないくらいの知名度な地域もあります。織田信長がゲームなどで人気な場合も,キャラクターとしての個性や強さに愛着を感じてくれているだけなのかもしれないと分析していますし。
4Gamer:
「信長の野望」シリーズは人物やシステムが立っているとはいえ,戦国時代やシリーズの歴史を知らなければ,まさに原液ですしね。
であればです。ゲームもグローバル展開が勝ち筋となって久しく,スマホゲームはそれがより顕著に反映されそうな時代と言えますが,コーエーテクモゲームス,ひいては“シブサワ・コウ”ブランドは,より市場的に見込みがありそうな三国志題材,それこそ「三國志 覇道II」などで事前の確度を高めるのが,商業としては堅実に聞こえます。
そのうえでなぜ,「信長の野望 覇道」を日本で出すのでしょう。
伊藤氏:
そこには当社としての,ブランドとしての,襟川陽一としての判断などいろいろなことを想起されるでしょうが,話はシンプルです。弊社作品を愛してくださっている方々ならきっと,「三國志で出したのなら,信長の野望でも出してよ!」と期待してくれるからです(笑)。
まずは「信長の野望」シリーズを遊んでくださっている人たちの期待に応えたい。それが先立ってのことですし,日本の企業であり,戦国モノの第一人者であるコーエーテクモゲームスが「ここで信長版を出さないという判断はない」ので,打って出なければ,皆さんに申し訳が立たない。「信長の野望 覇道」を日本で出す。それはある種の必然でした。
4Gamer:
まずは日本の戦国ファンを喜ばすことだけに全力なわけですね。
伊藤氏:
そう思って,今までやってきました。
4Gamer:
かしこまりました。
せっかくですし,ここTGS会場の印象はいかがでしょう。
伊藤氏:
思っていたよりも人が多いです(笑)。
久しぶりの現地開催ですし,お祭りムードも感じますよね。
※インタビュー収録日は,TGS 2022会期2日目の開場直前
4Gamer:
そういえば,「三國志 覇道」って生まれた直後のTGSからオンライン開催の流れがきて,リアル会場を知らない作品でしたね。
まあ,御社ブースの盛況は“ライザあたりの人だかり”を見れば言うまでもありませんが,出展の手応えとかはどうですか。
伊藤氏:
当社ではちょうど,Team NINJAの「Wo Long: Fallen Dynasty」,ガストブランドの「ライザのアトリエ3 〜終わりの錬金術士と秘密の鍵〜」という,多くの方々に期待されている二大新作を出展しているので,異なるブランドの作品ではありますが応援しています。
「Wo Long」などは三国志題材のゲームですし,三国志の認知が広まることは我々にとってもメリットがありますから。それらをよりたくさんの人たちに遊んでいただきたい,というのが素直な感想です。
4Gamer:
そこに続く,あるいは一番槍の未来もありそうですが。
「信長の野望 覇道」もまた“シブサワ・コウ”ブランドの肝いりとなるにあたって,今後の意気込みをあらためてお願いします。
伊藤氏:
「信長の野望」シリーズを遊んだことのある人は,日本に多くいると思っています。ですから,その方々が当時覚えた楽しさを今一度思い出せるようなゲームに仕上げていきたいですし,MMOだからこそ,人と人とのつながりを楽しんでもらえるような作りしたいです。
本作は,遊んでもらえれば絶対に新たな発見をしていただけるものと意気込んでいますので,皆さん,ぜひご期待ください。
4Gamer「東京ゲームショウ2022」記事一覧
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(C)2020-2023 コーエーテクモゲームス All rights reserved.
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