アクワイアから,2022年9月8日に発売される
「剣と魔法と学園クエスト。」(
PS4 /
Nintendo Switch /
PC)のプレイレポートをお届けしよう。本作は,同社の3DダンジョンRPG「剣と魔法と学園モノ。」(以下,「ととモノ。」)シリーズの世界観を下敷きにしたスピンオフ作品。ジャンルは“ストラテジーRPG”と銘打たれており,リアルタイムストラテジーにRPG要素を加えたゲームシステムが特徴だ。
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個性豊かな生徒をリアルタイムで指揮して戦う
コミカルで大忙しなストラテジーRPG
本作の舞台は,突如世界中に出現した迷宮とモンスターの群れによって,未曽有の危機に瀕しているペドラ大陸。この大陸には4つの国とそれぞれの学園があり,その中の1つ,火の国・コクヨウ学園の生徒である
アレクが本作の主人公だ。
アレクはあるとき学園がモンスターに襲撃されたことをきっかけに,冒険に出たきり行方不明になっている学園長の父・ベリルを探す旅に出ることに。幼馴染の
シトリン,相談役の
ラズリの2人と共に父の足取りを追ううち,ペドラ大陸に起きた異変の真実に迫っていく……。
基本的なゲームの流れは,拠点となるコクヨウ学園で生徒の募集やパーティ編成を行い,クエストを攻略してストーリーを進めていくというもの。詳しくは後述するが,アレク自身には戦闘能力がなく,クエストでは父から受け継いだ秘宝
「ルーラーオーブ」の力で仲間を召喚して戦ってもらうのが大きな特徴だ。
生徒の募集(=キャラメイク)は職員室で行い,ヒューマン,エルフ,ドワーフ,フェアリー,バハムーンなど,「ととモノ。」シリーズでおなじみの10種族から,好きな種族と見た目を選んで作成する。さらに,機械オンチ,厨二病,しっかり者など,ランダムで3つの属性が付与され,能力が変化するのが面白いところだ。
パーティメンバーは最大6人。種族ごとに前衛向きだったり,後衛向きだったりと特徴があるので,バランスのいいパーティ編成を組み立てよう。また,どの種族も最初はすべて「普通科」に所属しているが,クエストを攻略すると入手できる
「SP」を使って学科(=職業)のグレードを上げたり,種族ごとに用意された上位の学科に転科(=転職)したりもできる。
コクヨウ学園ではこのほかに,シトリンが売り子をしている購買部でアイテムを購入したり,ラズリが担当している実験室でアイテムを強化したりも可能。一通りの準備を済ませたら,いよいよクエストに出発だ。
クエスト攻略を開始しても,最初はフィールド上にアレクしかいないので,このままでは敵と戦うことはできない。そこで出番になるのが,仲間を召喚するルーラーオーブの力だ。クエストが始まったら,まずは仲間を呼び出して,アレクの周囲に配置してあげよう。キャラクターはラバーストラップ風にデフォルメされており,これが大変可愛らしい。
召喚した仲間はアレクの移動に合わせて自動的に前進し,近くにいる敵と勝手に戦ってくれる。こう書くと,クエスト攻略と言いつつ,ただ画面を眺めているだけのように思うかもしれないが,そんなことはまったくない。プレイ中は敵に囲まれてピンチになっている仲間をつまみ上げて後方に退避させたり,進軍が遅れている仲間をつまんで前線に配置したりと,戦況を見てパーティメンバーを動かすことが重要だ。
また,アレクはルーラーオーブを使って仲間を召喚するだけでなく,時間経過や敵を倒すことで溜まる
「MP」を使って,自身や仲間の
「ランクアップ」が可能だ。ランクとは,クエスト内でのみ有効な能力アップのことで,攻略を始めるたびにランク0からスタートし,最大でランク5まで上げられる。
ランクアップすると,仲間の最大HPやパワーなどが上昇して強くなり,アレクは召喚できる仲間の最大数や最大MPなどが増加する。さらに,MPはアレクや仲間の魔法を使用する際にも必要となる。
つまり本作では,MPという限られたリソースを使って,いつ,誰を召喚し,どのタイミングでランクアップさせるかが攻略のカギを握っているというわけだ。そのうえで,上述のように戦況に応じて味方の配置を変えてあげる必要があるので,思った以上に忙しい。とくにボス戦では,敵が強力な攻撃を仕掛けてくる前に攻撃範囲が表示されるので,行動をよく見て素早く回避しないと,あっという間に全滅してしまう。
クエストごとに設定された目標を達成するとクリアとなり,EXP(経験値)や戦利品のアイテムを獲得できる。一度クリアしたクエストは何度でも挑戦できるので,繰り返しのプレイでキャラやアイテムを強化していこう。EXPを稼いでレベルを上げるとキャラの基礎ステータスがアップし,そこにクエスト攻略中のランクアップ効果が上乗せされて,より有利に戦いを進められるようになるのだ。
「ととモノ。」シリーズらしい明るい世界観が魅力的で,シンプルなようでいて適度な忙しさを味わえるゲームシステムが面白い「剣と魔法と学園クエスト。」。これまでのシリーズを知らなくても楽しめるので,気になった人はぜひプレイしてみてほしい。