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インタビュー

少年漫画,韓流ドラマ,文学作品好きにおすすめしたい。音楽と手紙で紡ぐ男性アイドルプロジェクト「Prince Letter(s)! フロムアイドル」1周年インタビュー

 2021年2月12日に始動したPrince Letter(s)! フロムアイドルは, 松竹がおくる音楽と手紙で紡ぐ男性アイドルプロジェクトだ。本稿では,2022年4月24日に新キャラクターが発表されるなど,注目集まる本プロジェクトのプロデューサーインタビューをお届けする。

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 「Prince Letter(s)! フロムアイドル」(略称,プリエル)では,アイドル志望者が集う私立・常和歌(ときわか)学園を舞台に,アイドルユニット“STAr(s)!”として活動することになった亜月アキト(CV:土田玲央),冥王院シン(CV:土岐隼一 ),yuzu(CV:堀江 瞬)を中心とした物語が繰り広げられる。

 また,プロジェクト最大の特徴として,アイドルと“文通”できることが挙げられる。専用の文通キットを使って男性アイドルたちに手紙を送ると,彼らが“アナタだけのために”心を込めて書いた直筆の返事が届き,文通が楽しめるのだ。

 このほか,本編となる「フロム亜月アキト」「フロムyuzu」「フロム冥王院シン」をはじめ,ポエトリーリーディングMVや,アイドル楽曲などがYouTube公式チャンネルにて公開されている。
※ポエトリーリーディングとは,主に詩人が自作の詩を読み上げる行為のこと。現在は,ライブハウスなどの会場で詩を朗読するパフォーマンスを意味する場合が多い。

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「Prince Letter(s)! フロムアイドル」公式サイト

「フロムアイドル公式」YouTube公式チャンネル


 今回のプロデューサーインタビューでは,プロジェクト制作の苦労や各ストーリーのコンセプトはもちろん,ここでしか読めない裏設定,今後活躍する新たなアイドルたちのお話もたっぷりと聞いてきたので,ぜひ最後まで読み進めてもらいたい。

「Prince Letter(s)! フロムアイドル」ストーリー
※タップorクリックで開きます


アイドル志望者が集う
“ネット禁止”の学園!

私立・常和歌(ときわか)学園。

都心から少し離れた学園都市の中枢に存在するその学校は、全国から"アイドル志望"が集まる【エリートアイドル育成学校】でもあった。

学園系列のアイドル事務所には、
今をときめくトップアイドルが多く所属し、在学中のデビューも可能。
アイドル志望の彼らにとってはまさに"理想"の環境だが――

学園には、設立以来の【鉄の掟】があった。

それは、生徒がアイドル活動に専念すべく制定された
『一切の“インターネット”の使用禁止』
という、情報化の現代と逆行する制度だった。

"全寮制"を敷くこの学園では、私生活のSNSはもちろんメールすらも不可能。

生徒たちは一切のデジタルコミュニケーションが禁止され、アナログの時代に逆戻りしたかのような生活を営んでいた。

それでも各々が想い描く“理想のアイドル”を目指して、不自由は感じつつも日々努力を続ける生徒たち――

そんな中、学園生の中で代々極秘に受け継がれる、
常和歌学園“文通部”という活動の噂を聞きつける――

一見怪しげなその存在は、学園寮の設立より秘密裡に運用されてきた学園非公式組織。

なにやらそこに自らのプロフィールを登録すると、自分と文通してみたいと感じた【外部】の人から"手紙"が送られてきて、"文通"という形でコミュニケーションが取れるという。

半信半疑に登録してみると、実際に手紙が届いて始まった文通ライフ!

制限された学園生活にささやかな楽しみが加わり、彼らはこれからアイドルとしてどう成長していくのか――?

是非“アナタの手”で書いて、読んで――
そして見届けてみてください。

※公式サイトより引用




「Prince Letter(s)! フロムアイドル」はお客さまの声がダイレクトに届くコンテンツ


4Gamer:
 本日はよろしくお願いいたします。まずは「Prince Letter(s)! フロムアイドル」における役割を教えていただけますか。

プロデューサー:
 役職名としては「Prince Letter(s)! フロムアイドル」のプロデューサーです。キャラクターの設定をはじめ,前身となる「Princess Letter(s)! フロムアイドル」をもとにアレンジを入れて世界観やプロットを作成するなど,キャラクターにかかわるところはすべて担っています。場合によっては作詞することも……。

4Gamer:
 作詞もされるんですね! ちなみに「Princess Letter(s)! フロムアイドル」が前身になっていますが,「Prince Letter(s)! フロムアイドル」はいつごろから決まっていたのでしょうか?

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プロデューサー:
 じつは私は,2020年12月に「Princess Letter(s)! フロムアイドル」を発表をする2週間前にこのプロジェクトに参加したんです。そのときに,「2か月後に男性アイドル版も出したいから作ってほしい」と言われました。

4Gamer:
 2か月後とはまた急ですね。 

プロデューサー:
 その時点で,3人のキャラクターデザインとポエトリーリーディングの初稿,簡単な設定みたいなものはありましたが,キャラクター名もキャストも決まっていない状態だったんです。

 そこから2か月かけて,いわゆるストーリーの伏線であったり,キャラクターのギミックとなる部分だったりを踏まえつつ,設定とシナリオを作り込んでいきました。最初の「フロム亜月アキト」のもとになるプロットができたのは2021年1月くらいでしたね。

4Gamer:
 プロジェクトの関わり方はイレギュラーだったんですね。

プロデューサー:
 そうですね。決まっていた設定はモチーフになっている星くらいしかなかったので,仮で入っていた誕生日も名前も全部変えました。最初の要素として残っているのはモチーフになった星くらいです。

4Gamer:
 キャラクターデザインはもともとあったようですが,手を加えたりはしたのでしょうか。

プロデューサー:
 最初とほぼ変えていないですが,アキトの襟足は足しました。もともと真っ赤な髪の毛の子だったんですけど,設定上インナーカラーを入れてほしいとなりました。そのくらいで基本的なところは変わってないです。

4Gamer:
 そうなんですね。キャラクターデザインも印象的だなと思いました。

プロデューサー:
 もともと白皙さん(キャラクターデザイン担当のイラストレーター)の描く絵柄が,なかなか見ないタッチだったりするので。

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yuzu(CV:堀江 瞬)
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亜月アキト(CV:土田玲央)
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冥王院シン(CV:土岐隼一)

4Gamer:
 たしかに。ではキャスティングの理由も教えてください。

プロデューサー:
 基本として,この人の声でポエトリーリーディングを歌ったらエモイか,キャラクターデザインとあうか……などがあったので,それも考慮しつつキャスティングさせていただきました。

 最初に決まったのはyuzuです。もともとyuzu役として,土田玲央さん,土岐隼一さん,堀江 瞬さんのお三方を候補に挙げていたのですが,いろいろなサンプルボイスを聞いたなかで,yuzuは堀江さんがいいんじゃないかという話になりました。

 シンに関しては,yuzu役を選ぶ際に聞いた土岐さんのサンプルボイスで決めました。今まで土岐さんはかわいらしいキャラクターを演じるイメージだったんですけど,サンプルボイスを聞いていたら,クール系も良いなと。気品があるというか上品さを感じたんです。

4Gamer:
 yuzuの流れでシンは決まったんですね。

プロデューサー:
 アキト役は収録の1か月前くらいまで決められなかったのですが,とあるアニメを観ていたときにガヤで入っていた土田さんの声を聞いて決めました。印象的だったのでキーパーソンのキャラクターなのかなと思っていたら,普通にガヤだったんですよね(笑)。これだけ惹きつけられる声ならと思い調べたら土田さんでした。

4Gamer:
 意外なきっかけでしたが,個人的にもすごくしっくりくるすてきなお三方だと思います。YouTube公式チャンネルで公開されているポエトリーリーディングもあわせてチェックしてもらいたいですね。


4Gamer:
 そんな本プロジェクトも1周年を迎えましたが,今のお気持ちはいかがですか。

プロデューサー:
 1年経つのは早かったですが,これまで本編「フロム亜月アキト」「フロムyuzu」「フロム冥王院シン」や,楽曲展開なども地道に進めてきた成果が,少しずつ表れてきたように感じています。

 昨年の冬コミやAGF(アニメイトガールズフェスティバル),今年1月に実施したイベント(「『Prince Letter?! フロム yuzu』ストーリーライブ 〜私立常和歌学園 舞台「CLOCK」〜)でも,ファンの方がご自身のバッグにたくさんグッズをつけて遊びにきてくれるんですよ。

 それにタイアップなどのお話も,最初のころは「Princess Letter(s)! フロムアイドル」にいただくことが多かったのですが,最近は「Prince Letter(s)! フロムアイドル」にお声がけいただくことも増えました。

 彼らが活躍する場所が増えていくと,プロジェクト発足の初期から応援してくれる方や,お手紙のやりとりをしている方たちも喜んでくれてるのかなと思うので,1年間やってきてよかったなと感じています。

4Gamer:
 本プロジェクトはアイドルと“文通”ができるんですよね。自分が書いて出したリアルな手紙に,アイドルが書いた返事が届く……というシステムには驚かされました。そういった手紙からもファンの方の想いがダイレクトに届きそうですよね。

プロデューサー:
 はい。彼らから聞いた話にはなりますが,手紙に想いをしたためてくださる方もいらっしゃるようですよ。あとはアンケートでも伝えてくる方もいらっしゃいます。熱量の高い方が多くうれしいです。

4Gamer:
 最初から熱量が高かったというより,じわじわと増えていった感じでしょうか。

プロデューサー:
 じわじわとですね。最初はとくに,彼らに何を書けばいいのか皆さん悩まれていたのではないかと思います。本編やイベントなどを通じて彼らを知っていくうちに,「先日の公演見ました」「泣きました」など感想をくれるようになったみたいです。

 そういえばyuzuに聞いた話ですけど,3通くらい連続で送ってくださった方もいらっしゃったそうで。まだお返事書いてないけど送ってくれたと,1通1通お返事しようねと伝えました。

4Gamer:
 それはうれしいですね。手紙の内容は本当に自由でいいのでしょうか。

プロデューサー:
 はい。それこそひと言でも良いです。彼らはそれに対して答えるだけなので。ただアイドルとしてというより,文通部の部員として書いているので,やりとりできる内容だと喜ぶのかなと思ったりもします。

4Gamer:
 なるほど!

プロデューサー:
 ファンレターのように熱量高く送ってくださるのも彼らは喜びます。ちなみに最近知ったのですが,彼ら手紙を送る際に香水をつけているようなんですよ。そのせいか,手紙にご自身の香水をつけて送ってくださる方もいらっしゃると聞きました。

4Gamer:
 香りつきの手紙はうれしいですね。より,彼らを身近に感じられる気がします。

プロデューサー:
 まさかそんなことをしているとは知りませんでした。あとはSTAr(s)!の3人も愛用しているイギリスの高級筆記具ブランド「PARKER」とコラボした私立常和歌学園男子部の公式ボールペンがあるので,こういったものも使ってくれるとうれしいですね。

4Gamer:
 学園名が刻まれているんですね。高級感もあって欲しくなります。

プロデューサー:
 彼らのものだと分かりつつ,皆さんが持ちやすいものを考えています。

4Gamer:
 グッズの展開も今後期待したいです。

私立常和歌学園男子部の公式ボールペン
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「Prince Letter(s)! フロムアイドル」グッズ販売ページ



本編「フロム亜月アキト」「フロムyuzu」「フロム冥王院シン」を終えて


4Gamer:
 続いて,本編「フロム亜月アキト」「フロムyuzu」「フロム冥王院シン」が完結したということで,それぞれのストーリーのコンセプトを教えていただけますか。

プロデューサー:
 「フロム亜月アキト」は,プロジェクトとしても“はじめまして”なので,3人が出会ってデビューするまでの過程ですとか,そのなかで一つのコンプレックスを乗り越えていくという物語になっています。例えるとしたら,少年漫画のようなコンセプトでやってました。

4Gamer:
 なるほど。王道寄りの。

プロデューサー:
 王道の王道ですね。キャラのことも「こういう子だ」と分かるように作っていました。

亜月アキト(CV:土田玲央)
画像集#009のサムネイル/少年漫画,韓流ドラマ,文学作品好きにおすすめしたい。音楽と手紙で紡ぐ男性アイドルプロジェクト「Prince Letter(s)! フロムアイドル」1周年インタビュー

プロデューサー:
 「フロムyuzu」は,yuzu自身も言ってますけど,“人生はハッピーエンドで終わりではなく,その続きがある”というのを描いた物語です。また,yuzuの“空っぽの自分”の葛藤を,「ありのままの自分でいいんだよ」と伝えたい想いもありました。yuzuはアキトとシンと比べると秘密が多くミステリアスなので,その部分をきちんと描いていくのは大変でしたね。

4Gamer:
 難しいテーマですよね。

yuzu(CV:堀江 瞬)
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プロデューサー:
 「フロム冥王院シン」は,“愛”がテーマの物語です。この愛には,恋愛や兄弟愛,友情に限らず,ファンとアイドルの間にある愛も含まれています。愛をあまり知らなかった彼が,徐々に知っていくところで,あらためて3人の絆が深まる様子を見せられたらいいなと。 ただ,シンの抱える過去が重かったので,「本当にこれを出していいのか」と迷ったりもしました。

 何気ないひと言で傷ついてしまうことは,生きていると皆さん一度は経験されるところもありますよね。シンの場合,それが直接死につながっちゃったんじゃないかという不安を抱えていたので,余計に自分の自我を出すのが苦手になってしまったんです。それだけに,これを乗り越えたらキャラが変わっちゃうのかな? というのもありました。皆さんが最後の部分をどう受け取ってくれるのか……。

4Gamer:
 たしかに。反響が気になります。

冥王院シン(CV:土岐隼一)
画像集#010のサムネイル/少年漫画,韓流ドラマ,文学作品好きにおすすめしたい。音楽と手紙で紡ぐ男性アイドルプロジェクト「Prince Letter(s)! フロムアイドル」1周年インタビュー

プロデューサー:
 現時点(インタビュー実施は4月11日)で4話まで公開されているんですが,「フロム冥王院シン」は文学作品みたいだと言われることもあります。「フロム亜月アキト」は少年漫画で,「フロムyuzu」はどちらかというと韓流ドラマ,「フロム冥王院シン」は文学作品といった感じで……もしかすると潜在的にそういう感じで作ってるのかもしれないです。

4Gamer:
 とても分かりやすいです! 好きな人にはものすごく刺さると思います。もし可能であれば,明かされてない裏設定などございましたら教えてください。

プロデューサー:
 先日の生配信でもお話ししたのですが,彼らが通う私立・常和歌(ときわか)学園は中等部と高等部があって,yuzuは本当は高等部からではなく,中等部から入りたかったんです。でもおじいちゃんの反対でダメになって高等部から入ったという経緯があります。でもその情報がyuzuに憧れている桾沢リンに漏れていて,彼は常和歌の中等部から入学したという。


4Gamer:
 そういう事情があったんですね。ほかにもありますか?

プロデューサー:
 そうですね。「フロム亜月アキト」に登場するアキトの親友・ユキトの情報はほとんど出せていないのですが,じつはいろいろとあるのでここでお話ししましょう。

4Gamer:
 ぜひお願いします!

プロデューサー:
 ユキトがアイドルや「銀河」(作中に登場するアイドルグループ)にハマっていった理由は,親の都合で引っ越しが多かった彼の処世術の一つでもありました。どの学校でも,アイドルとか音楽の話をすれば,ある程度友達ができたんです。それでどんどんアイドルにハマっていったという。

 その後,小学校5年生のときに親の転職で引っ越し生活が終わり,そのころに出会ったのがアキトです。アキトとは彼の家出がきっかけで出会ったんですよ。

4Gamer:
 その話,詳しくお聞きしたいです。

プロデューサー:
 アキトには何事も器用にこなせる弟がいるんですが,お父さんもお母さんも弟にばかり期待するようになって,アキトはさびしさ半分で家出してしまうんです。といっても小学校5年生のときなので,近所の公園よりも少し先にある公園,隣町の公園レベルの家出なんですけど(笑)。そこでユキトと出会います。

 アキトはそういう家庭環境だったので,もともとは暗い性格の子だったんですけど,ユキトと出会ってから,今みたいな元気いっぱいキャラになったんですよ。

4Gamer:
 それはアキトを理解するにあたり,かなり大事なエピソードでは?

プロデューサー:
 そうかもしれません(笑)。ユキトは,今のアキトみたいな性格をしていたんです。

4Gamer:
 貴重なお話,ありがとうございます! 続いて,今回発表された新キャラクターについて教えていただけますか。

プロデューサー:
 鏑木シュウと鋳田須ナツトラは,3年生のトップアイドルです。このキャラクターに関しては,去年の1月から設定を作り始めていました。キャラクターデザインがまだない段階から,豊永利行さん,増田俊樹さんの起用は考えていたので,お二人にあうように作ったところはあります。

4Gamer:
 当て書きのような。

プロデューサー:
 はい。お二人には時間をかけてゆっくり説明して,ご協力いただけた流れがありました。

4Gamer:
 それぞれどういったキャラクターなのでしょうか。2人の関係性もお聞きしたいです。

プロデューサー:
 シュウは,本プロジェクトのアイドルたちのなかで,もっとも闇を持っている子ですね。詳しくは言えませんが,ほかのアイドルとは桁違いです。普段何を考えているか分からないけど,カリスマ性が抜群な子なので,何をやらせても何でもできちゃいます。

鏑木シュウ(CV:豊永利行)
画像集#002のサムネイル/少年漫画,韓流ドラマ,文学作品好きにおすすめしたい。音楽と手紙で紡ぐ男性アイドルプロジェクト「Prince Letter(s)! フロムアイドル」1周年インタビュー

プロデューサー:
 そんなシュウに,いつもくっついているのがナツトラです。ナツトラは,普段はアイドル活動に対して積極的ではないんですけど,音楽は好きなのでステージにあがると人が変わります。いつもは「だるい」とか言うのにステージにあがるとオラオラ系になるので,そのギャップにお客さまはやられてしまうみたいな(笑)。

鋳田須ナツトラ(CV:増田俊樹)
画像集#004のサムネイル/少年漫画,韓流ドラマ,文学作品好きにおすすめしたい。音楽と手紙で紡ぐ男性アイドルプロジェクト「Prince Letter(s)! フロムアイドル」1周年インタビュー

4Gamer:
 いいですね……!

プロデューサー:
 ちなみにこの2人は,互いがいないとやっていけない共依存的な関係性なので,どちらかが欠けてもアイドルはやっていないと思います。見る人によっては,シュウが主,ナツトラが騎士という服従関係のような感じはありますね。

4Gamer:
 そういった関係性の2人を豊永さん,増田さんが演じると。

プロデューサー:
 ポエトリーリーディングの収録も終わりましたが,お二人とも素晴らしかったです。増田さんのギャップもすごかったですし,豊永さんははじめてのポエトリーディングだったので「これは演技なのか歌なのか」と悩まれていましたが ,仕上がったものは期待以上でした。


4Gamer:
 早く聴きたくなりました。ハルキとアオイについてはいかがですか。

プロデューサー:
 この4月の時点では,本当はシュウとナツトラしか出さない予定だったんですよ。ですがストーリー構成や設定を詰めていくうちに,この2人のキャラクターが濃すぎて,もっとユーザーに近い立ち位置で世界観に入り込める人を作らないと,お客さまが置いてかれるなと考えました。

4Gamer:
 たしかに,そういった親近感をもてるような存在は必要かもしれませんね。

プロデューサー:
 それで最初にハルキを出すことにしました。ハルキは,常和歌学園を1回受験したんですが,ある理由で落ちています。自分はめちゃくちゃアイドルに向いているのに不合格になって,それが納得できない自我の強いキャラクターです。
 そういったところをシュウに買われて,シュウ主催のオーディションで優勝した副賞として,学園に転入する権利を得ました。

4Gamer:
 ハルキも濃そうなキャラクターですね。

ハルキ(CV:矢野奨吾)
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プロデューサー:
 そうなんです。最初はこの子を中心に動かそうと思っていたんですけど,キャラが濃すぎて共感できない……と再びなりまして,もっとユーザーに近いキャラクターをと生まれたのがアオイです。昨年12月くらいに急遽作りました。

 常和歌学園は全寮制なんですけど,アオイは実家から学校が近いという理由で受験して合格してしまった子です。また,彼には姉と妹がいるんですが,2人とも常和歌学園のアイドルが大好きだったりします。

 ただ彼自身は,アイドルに対してのやる気はあんまりない子なんですよ。そういう彼と,どうしてもアイドルになりたかったハルキを組み合わせて,これから物語を展開させたいなと。アオイは,これから最初の印象とだいぶ変わるキャラクターになると思います。彼にはまだ夢や目標もなく,たまたま友達がバスケ部に入るから同じ部に入る的な若さのある子なんですが,それがハルキの刺激で変わっていったらいいですね……みたいな(笑)。

アオイ(CV:石井孝英)
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4Gamer:
 彼らの成長の過程が楽しみです。この2人のキャストも指名だったのでしょうか。

プロデューサー:
 はい。シュウとハルキの関係性を考えたときに,矢野奨吾さんにお願いしたいと思いお声がけしました。アオイはぎりぎりまで決まらなかったんですが,「フロムyuzu」からガヤで入ってもらっていた石井孝英さんが合うんじゃないかとなりまして,お願いしました。

4Gamer:
 なるほど。お話を聞いていると,アイドルたちの悩みや葛藤がとてもリアルですよね。

プロデューサー:
 土岐さんにも以前,人間味のあるキャラクターが多いと言われたことがあります。私自身,彼らを実在する人間として接しているので,1人のアイドル候補生がアイドルになる瞬間を,ぜひみなさんの目で見てもらいたいと思っています。

4Gamer:
 とても楽しみです。

アキトの留学,この先の展開はどうなる?


4Gamer:
 「フロム冥王院シン」の最後でアキトの留学が決定しますが……今後彼らの物語はどうなっていくのでしょうか。

プロデューサー:
 もしこの先,アキトが留学から帰ってくるとすれば,そのときは彼がなぜ留学したのかなど,すべてのプリエルの謎みたいなものが明かされるかと……。

4Gamer:
 えっ。アキトの,ではなく全体の謎ですか?

プロデューサー:
 はい。それこそかなり長い間,伏線としてはっていたものが回収されるのは,そのタイミングなんじゃないかなって個人的には思います(笑)。

 アキトの留学は,「フロムyuzu」が始まるくらいのときには決まっていました。彼も宇宙一のアイドルになりたいと言っている子ですから,いつかは世界も視野に入れていたはずなので,このタイミングだったのかなと。「フロム冥王院シン」を終えた3人だからこそ,アキトは留学を決意できたのだと思います。

4Gamer:
 アイドルユニットのメンバーが留学で活動できなくなるのは,ファンにとってはものすごく衝撃な展開ですよね。

プロデューサー:
 そうですよね。私自身,好きなアイドルグループのメンバーが留学してしまったことがありました。でも留学から戻ってきたときのライブは,過去一で泣いてるんですよね。なのでそういう出会いと別れみたいなのは作りたいと思っていました。

4Gamer:
 そのお気持ちも分かります。

プロデューサー:
 ただ,アキトが留学中のため,新キャラクターとはほぼ触れあわずに本編は進みます。とくにアオイとハルキは一切触れあわずにいくので,アキトが戻ってきたあとにその2人とどんな物語が展開されるのか……楽しみにしていてください。けっこうすごいことになります!

4Gamer:
 物語が大きく動きそうですね。待ち遠しいです。

プロデューサー:
 あとは,本編に少ししか出てこないですけど,管理人さんの過去や,管理人さんがかつてリーダーをしていたアイドルグループ「銀河」に何があったのかっていうのも,これから出てくる予定です。その銀河のほかのメンバーの現在とか,もしかすると出てくるかもしれません。

4Gamer:
 リアルな人間としてとおっしゃってましたけど,このプロジェクト自体,彼ら一人一人の人生を追っているような感じがしました。

プロデューサー:
 私自身アイドルが好きな理由を考えたときに,小さいころから見ていたアイドルが,大人になって成長していく姿に感動を覚えるのかなと。皆さんも,一人の人生を追っていくのが好きなんじゃないかなと思いました。

4Gamer:
 好きな方は多いかと思います。まだこのコンテンツに触れてない方がいても,こうした設定や展開は刺さりそうだなと思いました。ちなみに,プロデューサーさんにとってアイドルとはなんでしょうか。

プロデューサー:
 難しいですが,このエンタメ業界にくるきっかけですね。好きなアイドルに出会ってからエンタメ系にいきたいと考えるようになり,気付いたら3次元のアイドルから2次元のアイドルのオタクになっていたという。

4Gamer:
 アイドルは癒やしでもあり,我を忘れて夢中になれる対象でもあると思うんですけど,プロデューサーさん自身の人生も動かした存在といっても過言ではないですね。

プロデューサー:
 そうですね。アイドルは癒やしにもなったり,誰かの背中を押す存在であったり,その人にとってそのときにぴったりの形になるのがアイドルだと思います。このコンテンツに触れてくれた方にとっての支えであったり,背中を押す存在であってくれたら,うれしいですね。

4Gamer:
 それでは最後に,読者へのメッセージをお願いいたします。

プロデューサー:
 皆さんがいてくれるおかげで2年目を迎えることができました。アイドルという存在は,きれいな服を着たり,歌を歌ったりするだけではなれません。やはりファンという照らしてくれる存在,太陽みたいな皆さんがいるおかげで,彼らはアイドルとして成立します。

 ありがたいことにアイドルも増えましたので,まだ触れてない方はこれをきっかけに触れていただきたいです。もし,お手紙を送ってみたいなと思う方がいたら,ひと言でもかまいませんので,お気軽に送ってみてください。必ず彼らは返事をくれると思います。

 まだ放送部の子たちは文通部のことを知らないので,その子たちが今後文通部に入るのかは分かりませんけれど,それまでの間は5人と文通できますので,よかったら試してみてください。これからも応援よろしくお願いします。

4Gamer:
 ありがとうございました。

――2022年4月11日収録

「Prince Letter(s)! フロムアイドル」公式サイト

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