プレイレポート
[G-STAR 2023]「エクスアストリス」初プレイ。白×黒少女コンビの見目もいいが,ガチ注力しているのはバトルだった
本作は,2021年に設立された同社のスタジオ「Nous Wave Studio」の開発タイトルだ。その特徴は,「買い切り型のスマホゲーム」「重厚な叙情詩をたどるシナリオ」「3Dフィールドの探索も楽しめる,複合型で新感覚な体験」にあるという。これまでの取材では試遊までたどり着けなかったのだが,今年のG-STARにてようやくありつくことができた。
なお,この記事の掲載直後である,2023年11月18〜19日には,“東京都内でオフラインクローズドβテスト”が実施されるとのことで,以降はプレイした感想も少しずつ広まりはじめることだろう。
【PR】戦闘モード時に髪の色が変わるの好き……。Hypergryphが買い切り型スマホ向け3DRPG「エクスアストリス」開発に挑戦中
Hypergryphは本日,同社が開発中の新作アプリ「エクスアストリス」の情報を一部公開した。本作は買い切り型のスマホ向け3DRPGで,“防御”と“防御反撃”の概念も取り入れたターン制のバトルシステムを採用したタイトルとなっている。
【PR】[TGS 2021]「エクスアストリス」を開発するHypergryphに,TGS 2021の会場でゲーム制作や世界展開にかける熱意を聞いてきた
「エクスアストリス」を開発するHypergryphは,芸術性とチャレンジ精神を大事にするゲーム会社だ。TGS 2021の幕張メッセ会場で一際目立つ形で展開していた同社のブースを取材し,ゲーム制作やグローバル展開にかける熱意を聞いてきた。
今回の試遊版はストーリーとバトルのチュートリアルを兼ねたデモであったが,珍しいと思ったのは,システムのみならず“世界観も調整中”だという点だ。4Gamerの過去の掲載記事でも「世界観は異星・SF・古代文明といったキーワードから構成」とだけしか伝えられておらず,それだけ物語の構成・設定を練りに練っている最中なのだろうだと予想していたが,現時点でまだまだ詰めている段階なのかもしれない。
なので,以降の控えめなストーリー紹介も話半分で読んでほしい。正式な設定などは,明日の日本CBTで見られるものがおそらく正答だ。
白い服の少女の名は「Vi」(発音はヴィあるいはヴィー)。
黒い服の少女の名は「雁」(イェン。Yen)。
Viはアリン島(仮称)の住人であり,地球人の雁と出会って,「地球に取り残された地球人を救うため」に旅立つことになる。
このあたり,SF的で複雑なパラレル設定も絡み合うようで,現地のブーススタッフに聞いても,唯一しどろもどろになっていた。
3Dフィールドでは,スマホ画面の左側で移動操作,右側でカメラ操作,各種設定画面へのアクセスのほか,シンボルエンカウント用のアタック(敵オブジェクトに先行有利を仕掛ける)もできる。
画面内には全体的にアイコンが少なく,情報量も少なくシンプルで,操作も移動とアタックに集中しやすい。ロケーションも前評判のとおり美麗なため,このインタフェースは凝った結果だろう。
実際,過去の公開画像と比べるとブラッシュアップされた痕跡も多い。
フィールド内にはNPCやオブジェクトも存在し,同社の主張通り,3D上での探索の楽しみをしっかりと味わえそうであった。
敵シンボルに衝突,あるいはアタックで触れるとバトルに突入する。システムはターン制コマンドバトルだが,オーソドックスとは言いがたい。これは悪い意味ではなく,このエクスアストリスは実のところ“バトルシステムに本気で注力してきた”ようであった。
自ターンのときは,Viか雁のいずれかの顔アイコンを押すと,画面中央下の「行動力」を消費して,選んだキャラクターが敵に攻撃を仕掛ける。このとき,続けて攻撃を入力すると選択キャラの行動がはじまり,それぞれがセットしているスキル(通常攻撃相当)を発動する。
スキルは2種類までセットでき,種類も数があり,一撃目→二撃目の順番も任意で変えられる。技によっては空中打ち上げが可能で,空中コンボ中は相手が無防備かつダメージも伸びやすい。その反面,地上に落としてダウンさせると,以降の攻撃ダメージが低減してしまう。
少々回りくどかったので,別のゲームで例を挙げよう。このバトルシステムは,スクウェア・エニックスの往年のRPG「ゼノギアス」や「ヴァルキリープロファイル」などが見せた,アクション性の高い操作感と,自分なりのコンボを追求できる構造だ。好きな人はいまだに多いだろう。
さらに,敵には体幹ゲージ(仮称。バランスやスタミナなどとも)も存在し,相手を崩すと行動力が回復するため,1ターン内でもう一度フルセットの攻めを展開できる。また,行動力は“与えたダメージなどの影響”で随時回復することもあり,スキルセットとコンボ順,体幹調整とその後のループを構築すると,自ターンで無限にコンボできるのだとか。
※行動力の回復要因については調整中とのこと。また言語の壁もあり,詳細には聞けなかった
セットできるスキルは2種。数多いスキルには生息モンスターやボスのメタが存分に取り入れられ,さらに「敵空中時は当たらないモーション」「範囲攻撃だが発動が遅く,始動使用やディレイ調整が必須」などを勘案する必要もある。また,ゲージをためて放つ必殺スキルもある。
こうした攻めの体験だけで,「プレイヤーに戦闘を楽しんでもらうために作りました」という意気込みが存分に伝わってきた。
さらに,敵ターンでもやることがある。敵の攻撃は各キャラクターが自動防御するが,そのときボタン入力で,Viならいわゆる「パリィ」,雁ならいわゆる「回避」が発動する。雁の場合,タイミングを合わせれば黒い影(?)を用いて完全回避が可能だ。Viの場合,敵の攻撃を弾いて体幹を削りきると,相手の攻勢を無理やり終わらせられる。
ゆえに,敵モンスターたちも当然のように絶妙なモーションから,味わい深いディレイアタックを仕掛けまくってくる。この構図は,ソウルライクな3Dアクションゲームでよく見るアレに近い。
そのうえ敵の攻撃前には「被弾させるキャラクター」を強引に入れ替えられるため,体力調整のみならず,パリィのほうが都合がよいならViに。パリィできなさそうなら雁にと,自己判断で介入できる。
つまり,行動をじっくり選んでターンを進めるコマンドバトルの定説をことごとく蹴っ飛ばし,攻撃中も被弾中もコンボ中も常に気が抜けないアクションを楽しめるわけだ。正直,操作が難しいと感じる人は,オートバトルでもないと救済されない可能性があるが,楽しいと感じた人は,長らく沼る姿も目に浮かぶ。
あらためて,本作は基本無料ではなく,コンシューマゲームのような買い切り型だ。過去のスマホゲーム勃興期にはそこそこあったRPGの売り方でもあるが,定番タイトルの移植などではない新作が採用する手段としては,現代だからこそ意欲的に感じてしまう。
ただ,ここまで「本当に往年のコンシューマRPG(と現代3Dアクションのキモ)みたいなバトルシステム」を不足なく盛り込んできたことから,Hypergryphのやる気は本当だったと認めざるを得ない。
ちなみに,マネタイズとしてはいわゆる「DLC」を採用し,サービス後は追加料金で拡張を提供していくスタイルとのことだ。
[TGS2023]「アークナイツ」のHypergryphが「ポッピュコム」をプレイアブル出展。「エクスアストリス」のオフラインCBTも募集中【PR】
東京ゲームショウ2023に,「アークナイツ」のHypergryphがブースを出展している。協力プレイ専用のアクションゲーム「ポッピュコム」がプレイアブル出展,現在オフラインクローズドβテスターを募集している「エクスアストリス」もグッズプレゼントを実施していたので,ブースレポートをお届けしよう。
配信日についてはまだ発表されておらず。そのうえでブースにいたスタッフは「開発は8割終わりました」と口にした。
これまでヴェールで隠されすぎていたせいで実感が薄いが,遠くない未来に姿を見せてくれそうな気配が漂ってきた。
そんな期待を煽るべく,最後は公式サイトの一文で締めよう。
「嵐を乗り越え、永遠を駆け抜け、あなたに良い旅を祈る」
――「エクスアストリス」公式サイトより抜粋
4Gamer「G-STAR 2023」記事一覧
「エクスアストリス」公式サイト
(C) 2017−2021 Hypergryph Co.,Ltd.All Rights Reserved. (C) GRYPHLINE
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