パッケージ
ANIMA -言の葉の回廊-公式サイトへ
  • KADOKAWA
  • OZON
  • 発売日:2021/08/15
  • 価格:5500円(税込)
レビューを書く
準備中
お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2021/08/14 12:00

イベント

本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験

 2021年8月9日,埼玉県・所沢市の角川武蔵野ミュージアムにて,新作マーダーミステリー「ANIMA -言の葉の回廊-」関係者向け先行体験会が開催された。

画像集#018のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験

 本作「ANIMA -言の葉の回廊-」は,8月15日から一般公演が予定されている,StudioOZON制作によるマーダーミステリーだ。プレイ人数は10〜20人で,膨大な蔵書を残して死んだビブリオマニアの遺産をめぐる物語が展開される。
 一人あたりの参加費は税込5500円(4〜5Fへの入館料を含む)と一般的なマーダーミステリーに比べてやや高額だが,すでに第3回公演までチケットが完売するなどの盛り上がりを見せている。
 また角川武蔵野ミュージアムと言えば,2020年末に放送された「第71回NHK紅白歌合戦」内に登場したことでも知られる,所沢の新名所でもある。本稿では,実際に参加したゲーム本編の所感をネタバレなしでお伝えすると共に,制作に携わったOZONと角川武蔵野ミュージアムの関係者へのインタビューをお届けしてみたい。

画像集#001のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験
東所沢に位置する角川武蔵野ミュージアム。独特な外観を持つ建物のデザイン監修は,建築家の隈 研吾氏が手がけている
画像集#003のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験
ミュージアム内では,さまざまなコラボや企画展(画像は俵万智 展)が行なわれていた。ただし本作の公演はミュージアム閉館後に行われるので,入れないエリアもあるとのことだ
画像集#004のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験
明るい雰囲気のマンガ・ラノベ図書館。子供や若者達が集っていた
画像集#005のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験
本作の公演はミュージアムの4階で行われた。入口から50メートル続くブックストリートには,ジャンルごとに2万5000冊の本が陳列されている
画像集#006のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験
本と共に関連するアイテムや動画も陳列されている。興味がかきたてられる演出だ
画像集#007のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験
ブックストリートの奥に広がる「本棚劇場」。高い天井まで本で埋め尽くされており非現実感が漂う

「ANIMA -言の葉の回廊-」公式サイト



舞台演出と小道具が没入感を高める,豪華なマーダーミステリー体験


 マーダーミステリーは,作中のキャラクターに扮したプレイヤー達が,物語の中で起きるトラブルの原因や犯人を捜しながら,個人別に設定されたミッションの達成を目指す会話型推理ゲームだ。4Gamerでもなんどか紹介しているので,詳しくは関連記事をチェックしてほしい。
関連記事

ネタバレありでお届けする,幕末マーダーミステリー「四つの眼窩」誌上リプレイ。未経験者にこそ知ってほしい,マダミスの魅力を徹底紹介

ネタバレありでお届けする,幕末マーダーミステリー「四つの眼窩」誌上リプレイ。未経験者にこそ知ってほしい,マダミスの魅力を徹底紹介

 人狼ゲームやリアル脱出ゲームなどに続いて盛り上がりを見せているアナログゲーム「マーダーミステリー」。しかし一度しか遊べないというゲームの特性から,紹介が難しい面があった。そこで今回は,Rabbithole制作による「四つの眼窩」の誌上リプレイを,ネタバレありでお届けしてみたい。ときは幕末,とある寒村で事件の謎に迫る。

[2021/06/12 15:00]
関連記事

今,話題の“新ジャンル”「マーダーミステリー」を見逃すな! 「人狼」「脱出ゲーム」に続く,アナログゲームの新潮流を徹底解説

今,話題の“新ジャンル”「マーダーミステリー」を見逃すな! 「人狼」「脱出ゲーム」に続く,アナログゲームの新潮流を徹底解説

 「マーダーミステリー」が今,熱い。その名のとおり,殺人事件を題材とした推理ゲームだが,これが現在,“新ジャンル”としてアナログゲームの界隈で大変な盛り上がりを見せているのだ。今回はこのマーダーミステリーを改めて紹介すると共に,その魅力に迫ってみたい。

[2019/10/19 10:00]
 冒頭でも少し紹介したように,「ANIMA -言の葉の回廊-」の物語は,とある没落貴族の猟書家(ビブリオマニア)が遺した蔵書が,オークションにかけられるところからスタートする。会場に集まったプレイヤー達は,そのオークションに正体を隠して集まった人々という設定だ。

本作では配役を決めるのにオリジナルのタロットカードを使用する。筆者が引いたカードは画像左の「節制」だ。詳細は伏せるが,タロットのイメージは配役の設定と関連があるようだ。なおカードの一覧は,角川武蔵野ミュージアムの公式Twitterでも確認できる
画像集#011のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験

 物語の内容に触れずに感想を述べるなら,特筆すべきはエディットタウン(ブックストリートと本棚劇場)という特殊な舞台ゆえのワクワク感だろうか。薄暗く,静かな室内は雰囲気たっぷりで,そこに作り込まれた小道具の数々や,没入感を高める豪華な演出が加わる。これは一般的なマーダーミステリーではなかなか味わえない体験だ。
 一方,参加者が20人という大所帯ということもあり,プレイ前は「話す相手が限られ,物語の全体像が分からないまま終わるのでは?」という不安もあったが,それは杞憂であった。詳細は伏せるが,とある方法でちゃんと物語を追いかけられるようになっていた。

画像集#019のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験

 とはいえ一般的なマーダーミステリーと比べると,より能動的に動く必要があるようには感じられた。少人数ならイヤでも話が振られるので多少消極的でも問題ないが,本作の場合は自分から首を突っ込んでいかないと,置いてけぼりになりかねない。そのあたりはゲームマスター側も承知しているようで,行き詰まっていそうなプレイヤーには積極的に助け船を出していたようだった。
 いずれにせよ,疑心暗鬼の中でときに協力し合い,衝撃の展開には驚かされる,濃密な2時間半であったのは間違いない。マーダーミステリーならではの感情のジェットコースターが体験できたので,この記事を読んで本作を知った人も,機会があればぜひ体験してみてほしい。

画像集#012のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験
ゲーム終了後の記念撮影タイムでは,一部の小道具が撮影可となっていた。いずれもすごい作り込みだ
画像集#013のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験 画像集#014のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験


制作者に聞く,「ANIMA -言の葉の回廊-」の舞台裏


 このように,角川武蔵野ミュージアムという舞台ならではの演出がふんだんに盛り込まれた「ANIMA -言の葉の回廊-」だが,本作の企画はどのように生まれ,いかにして練り上げられたのか。制作を担当したOZONの久保よしや氏と,角川武蔵野ミュージアムの井上雄輝氏に話を聞いてみた。

OZONの久保よしや氏(左)と,角川武蔵野ミュージアム図書館担当の井上雄輝氏(右)
画像集#015のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験

 現在は角川武蔵野ミュージアムの運営に携わる井上氏だが,以前からテーブルトークRPGに仕事として関わっていたこともあり,マーダーミステリーについてももちろんプレイ経験があったという。そこでミュージアム閉館後の時間を利用した“ナイトミュージアム企画”の一つとして,マーダーミステリーとのコラボレーションを思いついたそうだ。
 一方,ボードゲームやマーダーミステリーを手がけるOZONでは,井上氏からの依頼により2021年6月から本作の制作に着手。久保氏が社内でプロジェクトメンバーを募り,シナリオから音楽,小道具の手配まで合計17名のチームを結成して制作に臨んだそうだ。ちなみにシナリオ候補は16本ほどあったそうだが,その中から今回の舞台に一番マッチしたものが選ばれている。

「この特別な空間を活かすのはもちろん,どういう体験ができたら面白いか,またこのミュージアムのブランディングにつながるかを考えて制作しました」(久保氏)

画像集#020のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験 画像集#021のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験

 なお参加プレイヤー数が最大20人というのは,マーダーミステリーとしてはかなり大人数だが,OZONでは以前,最大30人でプレイできるマーダーミステリーの制作に関わったこともあるという。

「多人数型のマーダーミステリーは,いわゆるLARP(ライブアクションRPG:衣装等にまでこだわり,現実世界を舞台にして遊ぶRPG)ジャンルに近いものになりがちです。全体のストーリーを追うよりも,個々のミッションや役割にしたがって動くことになるので,根幹は一緒でも体験としては手触りが異なるかもしれません」(久保氏)

 また大人数のマーダーミステリーは一人一人の負担(あるいは責任)が軽くなるため,気軽に参加できるのもポイントだという。少人数だと全員がキーパーソンにならざるを得ないため,「足を引っ張らないようにしなくては」と身構えてしまう人も多いが,大人数であればその心配はあまりない。

「図書館・博物館・美術館といろいろな面を持ったミュージアムが舞台なので,本作もいろいろな味わい方ができるものを目指しました。マーダーミステリーだけでなく,演劇やテーブルトークRPG,インスタレーション(観客を含む展示空間全体を作品とするアート)的な側面もあります」(久保氏)

本型のスクリーンに投影されたミュージアムのコンセプト。なお「ANIMA」という本作のタイトルは,この「想像力とアニマ(≒魂)に遊ぶミュージアム」というミュージアムのコンセプトから取られている。今作の多面性を表しているとのことだ
画像集#016のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験

 最後に,両名から本作に興味を持った読者に向けたメッセージをもらったので,それを掲載して本稿の結びとしたい。

「ナイトミュージアムという企画は,非日常感あふれるブックストリートと本棚劇場が,夜という時間帯によってさらに異質な空間になるというものです。そこでマーダーミステリーをプレイするとうことは,非日常が三重にも感じられるはずです」(井上氏)
「なので,まずはこのロケーションを楽しんでほしいですね。そのうえで,コンテンツを軸に広がるコミュニケーションに挑戦してみてください。パーティに参加するような気持ちで,主体的に参加するのがポイントです」(久保氏)

 冒頭でもお伝えしたように,8月に予定されていた3回の公演は,現時点ですべて完売となっている。9月12日,19日,26日に予定されている9月公演のチケットは,8月17日の13:00に販売開始とのことだ。ちなみに前回は販売開始から30分以内で完売してしまったそうなので,参加したい人はお忘れなく。
 なお以降の公演予定は今のところ未定というが,好評であれば継続も考えられるとのこと。その場合は角川武蔵野ミュージアムの公式Twitterで告知されるそうなので,こちらもチェックしておくのがオススメだ。

本棚劇場で行われたプロジェクションマッピングの様子
画像集#010のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験 画像集#009のサムネイル/本棚劇場が舞台のマダミス「ANIMA -言の葉の回廊-」先行体験会レポート。本と夜に彩られた2時間半の異世界体験

「ANIMA -言の葉の回廊-」公式サイト

  • 関連タイトル:

    ANIMA -言の葉の回廊-

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:11月24日〜11月25日