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[TGS 2021]「信長の野望・新生」は,AIで家臣が動く。躍動する武将たちの表現を目指した最新作についてプロデューサーに聞いた
2021年は,シブサワ・コウこと襟川陽一氏が1981年に「川中島の合戦」を発売してから40周年であり,本作はこれを記念する作品として開発がスタートしたという。しかし,開発がスタートしてからほどなくコロナ禍となってしまった。そこで,新作は未来に向けて勇気づけられるようなサブタイトルをつけたいとシブサワ・コウ氏から提案があり,前向きに生きていこうとメッセージを込め「新生」と付けられたのだそうだ。
また,開発チームとしても,これまでシリーズを支えてくれたファンに感謝するとともに,40年培ってきたものを振り返り,歴史シミュレーションのパッケージゲームは今後どのように進化していくべきなのかを1から見直して作ろう,という思いを込めているという。
本作のコンセプトは「AIで躍動する武将たち」だ。
開発チームは,信長の野望シリーズの魅力である,戦国時代の大名の疑似体験について,その充実性を上げていくには,リアルに戦国時代を感じてもらえるゲームデザインが必要だと考えたそうだ。そして,そのリアルさを進化させる表現として,「時代が動いている中で,戦国大名として天下統一を目指す」という感覚を味わってもらうため,本作ではAIに注力している。
では,躍動する武将とは何なのかというと,本作ではシリーズで初めて,家臣がAIで動くようになった。これまでは大名(プレイヤー)が命令しないと家臣たちは動かなかったが,“生きた”家臣たちが登場するのだ。
家臣たちは,基本的に所属する大名勢力のために動くが,一方で,それぞれの家臣たちが自分の領土を持ち,その発展や一族を守るというバックボーンを与えたかったという。そこで,ゲームの最小単位は,これまでの邦や城から,郡へと細分化された。これにより,各郡の武将たちは,郡の拡大や領地の内政など基本的な行動を,自分達で実行するようになった。
大名であるプレイヤーは,そうした郡のルーチンワーク以外の行動を命令していく。例えば,1つの郡では手に負えない反乱の鎮圧に手を貸したり,郡の経済力や労働力では実現できない特殊な施設を建てたりといった具合である。
もちろん,攻略目標をどこにするかなど,外交や政策といった大きな判断はこれまで通り大名が行う。
郡単位まで細分化されたことで,これまでよりも敵とのいざこざは頻繁に発生し,それに乗じて攻めるのか,しっかり守るために家臣の領土を助けるのかなど,世界の動きに対してどのようにアプローチするかを決める新しい遊び方ができるようになるそうだ。
各郡は,近くの城に所属している。城の影響範囲内にいくつかの地域があり,それが郡として分けられて存在するとも言い換えられる。いざ戦が起きた場合は,郡を有する武将たちが城に集まり,城主を長として,1つの部隊となって戦地に赴く。つまり,郡が発展していれば集まる兵の数も増え,部隊も強化されていくことになる。
こうした郡は,全部で1200以上も設定されているという。
大名が攻略目標を指定すると,戦の準備ができているいろいろな城から,部隊が集まってくる。それに対して,敵も同様に複数の城から部隊がやってきて迎撃態勢を取る。
このとき,どういったルートを通って相手の城を落とすのかという基本的な判断は,AIが武将ごとに行うという。もちろん,ただ突っ込むのではなく,どこかが敗走して手薄になっていたらカバーに入ったり,勝てそうにもない相手とぶつかりそうなら後続を待ったりと,妥当性の高い行動を取ってくれるそうだ。
いくつかの部隊が集まって大きな戦となると,合戦画面に遷移しての戦いが始まる。合戦前には「戦評定」が行われ,各武将たちは「こういう風に行きます」と事前に報告してくれる。もちろん,その動きが気に入らなければ,大名として命令することは可能だ。
その後は,武将は自分の判断で動くわけだが,戦場全体を俯瞰して見ているプレイヤーと違い,目の前の敵を見て動く傾向にあるため,さらなる命令を下して適切に動かし,合戦の勝利を目指す。
とはいえ,新要素だけにさまざまな反響はあるはずだ。「ここはもっと積極的に動いてほしい」「ここは勝手にされると困る」といったプレイヤーの声は,しっかり取り入れて発売後もアップデートしていきたいと,笠原氏は話していた。
3月に発表されて以降,情報が公開されてこなかった本作だが,今後は月1回ぐらいのペースで続報が明かされていくとのこと。まだまだピンと来ていない部分も多いと思うが,続報を楽しみに待ちたい。
柴田勝家 |
丹羽長秀 |
滝川一益 |
前田利家 |
森蘭丸 |
斎藤帰蝶 |
「信長の野望・新生」公式サイト
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信長の野望・新生
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