このゲームの読者の評価
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D&Dを忠実再現したタクティカルRPGの良作 95 - 投稿者:はぐれオヤジ(男性/50代)
- 投稿日:2022/07/21
- 良い点
- ●D&D5eをかなり忠実に再現
テーブルトークRPGの元祖のダンジョンズ&ドラゴンズを、最新ルールに基づいて見事にビデオゲームに落とし込んでいる。
キャラクター作成、ダイスロールによる判定、戦闘、魔法、アイテム等々D&Dに触れたことがある人なら馴染み深いものばかり。
2年前にアーリーアクセスが始まり1年前に正式版となったばかりなので、サブクラスなど全ての要素が網羅されているわけではないが、おそらくは今後追加されていくだろう。
●ゲームとしての完成度も高い
ビデオゲームのジャンルとしては「タクティカルRPG」となる。俯瞰型のマップを4人パーティーで移動しながらストーリーを追いかけ、敵と遭遇するとそのまま戦闘に入り、ターン制で行動順に移動と攻撃を繰り返す。
マップは非常に作り込まれていて、ダンジョンもそれぞれの雰囲気がよく表現されている。本当に暗い場所は松明や明かりの呪文がなければ移動もままならず、壁の燭台を灯して回って明るくなるとほっとすることだろう。
ダンジョンはさまざまなギミックやパズル要素に溢れる。周囲に注意を払いながら慎重に移動するモードでなければ見つからない秘密や仕掛けも多く、探索している気分を存分に味わえる。
メインストーリーは、名も無い冒険者が仕事を求めていろいろ依頼を受けているうちに大きな事件に巻き込まれる的な「王道」路線。まだまだ序盤が終わったあたりのようだが、早く次の展開を知りたいと思うぐらいには楽しめている。
ここまででもサブクエストが結構あり、一度行った場所を再訪することも多い。マップが作り込まれているだけにサブクエストで再利用するのはいいアイデア。しかもただのお使いや戦闘ではなく、サブクエ用のギミックやストーリーが用意されている。
街やダンジョン間は広域画面で数日かけて「旅」をする。食料を消費し、夜にはキャンプで休み、時には狼や盗賊やモンスターに寝込みを襲われる。
こう書くと「面倒くさい」と思われそうだが、実際にはパーティーアイコンがルート上を移動するだけで途中の出来事はテキストログで処理され、敵と戦闘にならなければ大した時間はかからない。
エリア間の移動を完全にはしょってしまうのは味気ないが、MMORPGなどのように実際にキャラクターを走らせるのもだるいので、この旅のシステムはちょうどよい塩梅と感じた。
●戦闘が楽しい
敵と遭遇し、相手に存在を認識されると戦闘が始まる。ダイスロールで行動順を決め、順番に移動と攻撃などの行動を繰り返す。ゲーム盤上でミニチュアを動かすイメージが近い。
武器や魔法による攻撃だけでなく、高低差があるマップが多く敵を崖から突き落としたり、逆に高所から敵の頭上に岩を落としたりと「立体的」な戦い方ができる。視線や射線の概念があるため遠距離攻撃は高所を取るのが重要になる。
キャラは種族やクラスに応じた移動力を持ち、1ターンに可能な行動は原則1つなので、特に戦闘の序盤は位置取りや行動をよく考える必要がある。スキルや攻撃を適当に押しているだけでは勝てない。
スキルや魔法によるバフ、デバフ、状態異常も豊富で、種族やクラスによって耐性や得意な行動もさまざま。それらを十分理解し駆使すれば、単なる力押しでない多彩な戦闘が楽しめるだろう。
これはキャラメイクの多様性にもつながり、単純な強さより、プレーヤーが「こんなロールプレイをしたい」とイメージするキャラにも活躍の余地を与えている(もちろん「強い」とされるビルドはあり、海外のプレーヤーが多くの動画を上げている)。
当然、1回の戦闘にはそれなりに時間がかかるが戦闘の頻度は高くない。というかランダムエンカウントは旅以外にはおそらく無い。キャラの成長はクエストクリアによる経験値が、装備も宝箱やクラフトやNPCからの購入が主なので無駄に戦闘を繰り返す必要はない。
●さまざまなこだわり
キャラメイクでは育った環境などに基づいて、性格的な要素も設定できる。これによりD&D特有のアライメント(秩序を重視するか混沌を好むか、善人か悪人か)も決まるが、キャラ性能には直接影響せず、対局のアライメントはパーティーが組めないということもない。
ゲーム内の説明では「キャラの言動が変わる」という趣旨の説明がある。ストーリー中にはたまにキャラ同士の掛け合いが見られたり、NPCとのやり取りで選択肢が登場するのだが、検証できていないため推測だが、その発言内容などが変わるのではないかと思われる。ただ選択肢によってストーリー展開が大きく変わることはなさそうなので、あくまで「雰囲気づくり」のための要素なのだろう。
こうしたこだわりは、上記で触れた広域マップでの「旅」にもある。旅の間キャラはさまざまな行動をし、食料やクラフト素材集めの実用的なものの他に、読書やサイコロ遊び、神への祈り、はたまた「一人になって考えごとをした」などいろいろな表情を見せてくれる。ときには古い遺跡の近くを通りかかったり、商人のキャラバンに遭遇したりもする。
これらはジャーナルにテキストで表示されるだけで、実際に何かが起きるわけではないが、キャラの性格設定と同様、旅の雰囲気づくりやゲーム世界への没入感を高めてくれる。 - 悪い点
- ●日本語非対応
公式では現在、日本語は非対応。有志の日本語翻訳も完成形になったものは見当たらないようだ。
ゲーム内で使われている英語は概ね平易な表現で、長文テキストも一部の書物アイテム除いて少ないので、中学生レベルの英語力があれば各種説明やストーリーの内容はなんとなく理解できるはず。
ただ日本語でプレーしたいという人は当然ながら多いだろう。さらにこのゲームは標準装備のツールでシナリオを自作でき、既にMODとして海外プレーヤーが多数公開しているので、それらを含めてがっつり楽しもうとすると、それなりの英語力が必要になってくるかもしれない。
●キャラグラフィック
ある程度いじれるのだが、顔は数パターンのみ、髪型は男女共通、身長を変えたり太らせたりはできない。
特に一部種族、特に人間とハーフエルフの男キャラがどうやってもブサイクにしかならない。キャラ作成画面では「けっこうイケメンじゃん?」と思っても、ストーリーモードでアップになるとメージしたのとまったく違う。
何度か作り直してみたが、どうにも軽薄そうな詐欺師みたいな顔にしかならなかった笑。プレーヤーの間でも「正式版になってブサイクになった」と言われているようなので、今後のアップデートに期待したい。 - 総評
- バルダーズゲートなどD&Dベースのゲームが好きな人はもちろん、D&Dを知らないRPG好きの人にもオススメしたい。再現度が高いだけでなく、ゲームとして非常に楽しめる出来になっている。なにより作り手の愛情と強いこだわりが感じられ、それがうまくゲームシステムに落とし込めている。
Steamはじめ各種媒体で高評価を得ているのも納得できる。これで基本セット4000円、DLC含めて7000円は間違いなく「買い」だろう。興味はあっても日本語非対応だからという理由だけで躊躇しているならもったいない。
未見だが、4人でオリジナルストーリー(自作シナリオも?)をプレーできるマルチプレーモードもあり、日本コミュニティも盛り上がるといいなあ。 - プレイ時間
- 100〜200時間
グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム 4 5 5 5 5
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