プレイレポート
“コンカツ”アクションRPG「MAGLAM LORD/マグラムロード」プレイレポート。キャッチーな設定の裏に潜む,重厚な物語に注目
本作は,開発をFELISTELLA(フェリステラ)が,世界観設定&シナリオを都月 景氏が担当するなど,「サモンナイト」シリーズを手掛けたクリエイター陣が参加する新作タイトルとして注目を集めている作品だ。本稿においては,そんな本作をガッツリプレイしてみてのプレイレポートをお届けしていく。
「MAGLAM LORD/マグラムロード」公式サイト
平和になった世界にひとり残された魔王様。コンカツで絶滅危惧種からの脱却を目指せ!
物語は,神々と魔王たちが争い合う“ユースディール”と呼ばれる世界で始まる。上位の存在である神と魔王による戦いは苛烈を極め,脆弱な人間たちはその支配下に置かれていた。
しかし,そうした上位の存在たちが人間を滅ぼすことはなかった。なぜなら,絶対不滅の存在である神魔を完全に消滅させうるのは,強大な力を秘めた「魔剣」を手にした人間だけだったからだ。
戦いは永劫に続くかと思われたが,魔剣を鍛造できる“刃の魔王”ことキルリザークの出現によって状況が一変する。自らの力で同族をも消滅させられる能力を危険視した神々と魔王たちは“神魔連合”を結成し,総力をもってキルリザークを封印するために動き出す。
そうした戦いの最中,キルリザークは神魔連合に深手を負わされるも,家臣の働きでなんとか窮地から抜け出すことに成功。神魔連合から身を隠し,傷を癒やすために長い眠りにつくことになった。
長い時が流れ,ついに目覚めたキルリザークとその家臣たちが目にしたものは。――神々と魔王たちによる戦いが終結し,そんな戦いがすっかり忘れ去られた新世界“アルケディオ”だった。
人間たちは政府によって管理された平和な世界で,神魔に脅かされることのない生活を楽しんでいる。争いが失われ“安定”したアルケディオでは本来の力を発揮することはできず,キルリザークは絶滅危惧種としてアルケディオ政府の保護対象に指定されてしまう。
魔王としての実力とプライドを取り戻すため,キルリザークと家臣たちは一計を案じる。その作戦とは,市民からのリクエストを受けるという名目で市街の外に存在する魔獣を撃滅し,魔力を吸収して力を取り戻すというもの。
ただし,回復のために自分で剣を振るって戦っては意味がない。そこでキルリザーク本人は魔剣に変身し,協力者に代わりに戦ってもらうことにした。となれば,まずはパートナー探しだ。
本作における最大の魅力は,キルリザークのもとに集ったクセの強いパートナーたちが織りなす物語にある。
例えば,はじめて登場するパートナーのダリスとシャルムは,魔王討伐を生業とする“勇者の一族”の末裔だ。もはや討伐可能な魔王が世界に1人しか残っていないことを知ったダリスは,出会った瞬間からキルリザークの命を狙い始める。そんな摩擦の大きそうなキャラクター同士が,幾多の戦いを経て信頼を築きあげていくのだ。
ここで重要なのは,本作に登場する勇者や魔王といったキーワードは“いわゆる勇者や魔王的な存在”ではなく,しっかりとした独自のバックボーンを持つ設定として扱われているという点だ。「勇者と魔王」といったキャッチーな組み合わせの裏側にヘビーな設定をまとわせ,ちょっとした会話にも世界観の奥深さが織り込まれる本作のシナリオには,都月 景氏の手腕をハッキリ感じ取れる。
また,パートナーを含む主要な登場キャラクターには好感度が設定されており,好感度を一定以上まで上げればデートを楽しめる。これが,本作のウリのひとつである“コンカツ”だ。
うまく行けば,仲良くなったキャラクターは最高のパートナーである“魂の伴侶”として,人生を支えてくれる重要な存在になってくれる可能性を秘めている。絶滅危惧種扱いから脱却するためにも,コンカツは積極的に行っていこう。
3種の魔剣とコンボ派生の使い分けがカギ。基本の立ち回りを覚え,コンボを叩き込もう
ストーリーはホーム画面の「リクエスト」を実行することで進行し,マークのついたリクエストをこなせばメインシナリオが進展する仕組みになっている。積極的にシナリオを進めるのも,回り道をひととおりこなしてから進めるのも自由だ。
戦闘が発生するリクエストでは,キルリザークが変身した魔剣を装備したパートナーを操作してフィールドを探索し,各リクエストの目標達成を目指していく。一直線に目標を目指すのも良いが,マップの各所には素材の採取ポイントや宝箱が配置されているので,発見したら忘れずに調べておきたい。
必要な素材が揃ったら,新しい魔剣を鍛造して戦力を強化するのも重要だ。本作における“魔剣”は力を持った武器の総称であり,その形態は“剣”に限らない。パートナーは剣,斧,槍の魔剣を合計で3本装備可能で,バトル中は装備した魔剣を切り替えながら戦うことになる。
フィールド上の敵シンボルと接触したら,いよいよバトル開始だ。バトルはサイドビューで展開され,敵キャラクターをすべて撃破すれば勝利となる。
操作はかなりシンプルで,魔剣を使った攻撃アクションはワンボタンに集約されており,ボタンを連打するだけで武器の種類に対応したコンボ攻撃を発動できる。ガードやダッシュで相手の攻撃を避けつつ,スキを狙ってコンボを叩き込むのだ。
一定時間内に連続ヒットを続けるとバトル後に得られる経験値が増えるので,可能な限り攻撃を途切れさせずに戦うのが基本だ。コンボのフィニッシュ攻撃とタメ攻撃は“斬リ喰ミ攻撃”となって後述するDG(デモニックゲージ)を大きく伸ばしてくれるので,どんどんコンボを叩き込もう。
加えて,敵には弱点となる武器や属性が設定されており,それに合わせた武器で攻撃すれば大ダメージを期待できる。逆に耐性のある武器や属性で攻撃をするとダメージが下がってしまうので,相手に合わせて切り替えながら戦うのが基本だ。
強力な敵が出現したときは,SPを消費して発動できるパートナー固有のスキルや,固有技も活用しつつ戦おう。とくに固有技は高威力で,通常の攻撃からコンボカウントをつなげることも可能なので,体力の多いボス戦では貴重な火力源として機能してくれる。
そして,ダメージのやり取りの中でDGがMAXまで溜まったら,ゲージを消費して真の姿に戻ったキルリザークに変身して戦える。その力は強力無比だが,真の姿を維持できる時間はかなり短いので,固有技やスキルを使い逃さないようにしたい。
この通り,バトルの基本システムは単純明快なのだが,ややシビアに作られている部分もある。
まず,コンボを長くつなげることが高く評価されるシステムである以上は,可能な限り敵に張り付いて攻撃したいところだが,本作では少しでもダメージを受ければコンボが途切れてしまう。さらに,ダウン中も容赦なく攻撃がヒットするため,集団に切り込んでいる途中にダウンを取られると,そのまま体力を全部奪い取られてしまう可能性がある。
ダメージさえ受けなければ攻撃の手を一旦止めてガードしてもコンボカウントは続くので,敵の攻撃を受けないようにヒット・アンド・アウェイをするか,複数の敵を巻き込んで攻撃するのが基本になってくる。コンボを切らさないように立ち回り,ノックバックが小さい敵が相手なら堅実にガードしてから反撃すると良いだろう。
戦闘や探索に関しては,フィールドや敵の種類が少なめなのと,確立した対処法が通用する期間がかなり長いため,アクションをがっつり楽しみたいという人は,少し物足りなく感じるかもしれない。
一方でストーリーについては申し分なく,独特で奥深い世界観と個性豊かなキャラクター,そして落ち着いた雰囲気の中にちょっと不穏な気配を感じさせるような展開で,プレイヤーをグイグイと物語の中に引き込んでくれる。どの要素に期待するかで評価が分かれそうだが,もしキャラクターや世界設定に惹かれる部分があれば,手に取って遊んでみてほしい。
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(C)2021 FELISTELLA (C)2021 D3PUBLISHER
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