インタビュー
「悪魔王子と操り人形」開発者インタビュー。プロジェクト始動から3年,満を持してアプリ情報が解禁となった経緯とその内容を聞く
2023年にリリース予定の新作スマホアプリ「悪魔王子と操り人形」(iOS / Android)は,悪魔の城を舞台にしたダークファンタジーアドベンチャーだ。2019年11月に発足したゲームアプリを中心としたメディアミックスプロジェクトで,当初はBLACK CROWNという名義で制作元が明らかになっていなかったが,先日(2022年10月28日)ドリコムの新作オリジナルIPであることと,アプリ企画・開発パートナーがリベル・エンタテインメントであることが発表された(関連記事)。
4Gamerもとい筆者としては以前より注目していたタイトルである。これは話を聞かなければいけない……ということで,今回AGF2022の会場で池田プロデューサーと尾崎ドミノ氏(@ozadomi)へのインタビューを実施したのでお届けしよう。なお,これまでSNSで公開されている世界観やキャラクターについては,過去の記事で紹介しているのであわせてチェックしてもらいたい。
2020年7月10日掲載
3人とあなたの物語――「悪魔王子と操り人形」を紹介。制作陣へのメールインタビューもお届け
「悪魔王子と操り人形」は,BLACK CROWNがおくる悲しくも儚いダークファンタジー。ゲームアプリを中心としたメディアミックスプロジェクトとして,さまざまな展開が予定されている。本稿では,プロデューサーである池田氏とキャラクターデザインを担当する尾崎ドミノ氏のメールインタビューをお届けする。
2021年8月23日掲載
ダークファンタジー「悪魔王子と操り人形」の魅力に迫る! 制作陣が語る新キャラクターや三つの勢力の関係性
ゲームアプリを中心としたメディアミックスプロジェクトとして,BLACK CROWNが展開する「悪魔王子と操り人形」は,悪魔たちの暮らす城を舞台にしたダークファンタジー。本稿では,新たに登場した二つの勢力,クセのありそうなキャラクターたちを紹介するとともに,本作の魅力に迫っていこう。
2019年11月「悪魔王子と操り人形」始動
それから3年――
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。「悪魔王子と操り人形」(以下,あくあや)のプロジェクトは2019年に始まっているんですよね。
池田プロデューサー:
そうなんです。実は3周年くらい経ってるんですよね。
4Gamer:
まずはこれまでの流れを振り返っていただけますか。
池田プロデューサー:
「あくあや」を企画してゲームを作るところまで決めたのですが,平行してユーザーさんの反応を確かめたいという想いがあって,Twitterアカウントを開設しました。最初はドリコムの名前も出さなかったですし,不思議なプロジェクトに見えていたと思います。
結果,ユーザーさんの反応も良くて,このプロジェクトなら受け入れられるんじゃないかという確信が早い段階で持てました。ただゲーム制作には時間がかかるので,この数年はゲーム開発を進めながらTwitterを更新していた……という感じです。
尾崎ドミノ氏(以下,尾崎氏):
「あくあや」は,始めは私と池田さんの2人でプロジェクトを進めていました。一番最初に出したPVは,実は2人で作っています。
4Gamer:
え,そのときはチームとしては2人だけだったんですか?
尾崎氏:
はい。私が絵を描いてパーツ分けまでして,あとは池田さんが動画に落とし込むという作業をしていました。
池田プロデューサー:
そこから動画とキャラデザをいくつか出してみたら,わりと好評というか,皆さん面白がってくれていたようです。
4Gamer:
反響を受けてどんなお気持ちでしたか?
尾崎氏:
うれしかったです。最初は,少しでも認知していただけたらという気持ちだったんですけど,想像以上に反響をいただきました。そしてうれしい気持ち以上に,これはもっと頑張ってゲームを作らなければといけないと,そういうやる気や責任につながりました。
4Gamer:
ちなみに,最初に「ドリコム」と社名を出さなかった理由は何でしょう。
池田プロデューサー:
そうですね。弊社はずっとIPものを作っている会社で,これまで女性向けの作品を手がけていないので,「あくあや」に対して変な色がつくことを避けたい想いがありました。どういう反応になるのか分からなかったので,まずはサイレントでやってみようと。
4Gamer:
なるほど。そして先日,ついに発表されたんですね。
池田プロデューサー:
フォロワーやファンの皆さんが待ってくれたことが本当にありがたかったです。リリース時期を2023年と出させていただいたので,「まだそんなに待たせるのか」という声があるだろうなとびくびくしていたのですが,それよりも「作ってたんだ!」というお声や,リベル・エンタテインメントさんと協業することへの期待の声のほうが多かったです。我々としてもホッとしました。
4Gamer:
リベル・エンタテインメントさんとご一緒することになった経緯を教えていただけますか。
池田プロデューサー:
最初は弊社でゲーム開発を進めていたんですけど,女性向けという部分でノウハウがなかったですし,弊社の得意分野となるとバトルゲームになっちゃうんですよね。でも「あくあや」で作りたいのはそういうものじゃなかったので,とても悩みました。
そのなかで本当にひょんなご縁でリベルさんとつながることができて,一緒にやりたいですとお話しさせていただき,ご一緒できることになったんです。そしてリリース時期の目処が経って,今回ようやく発表となりました。
リベルさんは,女性向けのノウハウや知見だけじゃなくて,作っている人たちの情熱もすごく感じます。この人たちと一緒ならいいものが届けられる……という確信が持てました。
尾崎氏:
やはり心強いですね。ご一緒するなかでいろいろと今も学ばせてもらっていて,自分やチームの成長にもつながっていると思います。それにリベルさんからも「あくあや」への愛情を感じて,すごくうれしいです。
池田プロデューサー:
こういう企画をリベルさんと組んでやりたいと何度かお話をさせてもらって,我々の情熱も分かってくれました。リベルさんも「このIPだったらこういうことやったらどうですか?」みたいな提案もたくさんくださるんです。こういう企画にしたいとか,こういう機能を絶対に入れたいですみたいな,お互いの想いをぶつけ合いながら楽しく作っています。
4Gamer:
そうなんですね!
池田プロデューサー:
尾崎さんはデザインだけじゃなくて,世界観,設定,この子はこういう台詞を言うといったところまで考えてくれるので,ゲーム開発側の解像度もどんどん上がっていきますし,そのおかげでほかのチームの人たちも迷わないんです。アートだけでなく世界観部分でもディレクションの役割もやってもらっています。
尾崎氏:
ありがたいことにやらせていただいていて,そのなかだからこその統一感や,キャラクターの解像度はどんどんあがっていますね。
ゲームシステムはまだヒミツ
3〜4つのびっくり要素あり?
4Gamer:
ゲームの内容ですが,SNSで公開されている世界観やストーリーはそのまま反映される形でしょうか?
池田プロデューサー:
基本的にはあの世界観と,キャラクターの関係性もそのままに物語を作っていく感じですね。
4Gamer:
現在「悪魔」「天使」「人間」の3勢力が登場していますが,アプリでもキャラクターは全員出ますか?
池田プロデューサー:
もちろん。全員大事なキャラなので。
尾崎氏:
アプリでは,一人一人の物語を濃密に描いていく形になると思います。
ボイスも聴ける
「キャラ紹介特設サイト」を特別公開中!
4Gamer:
ゲームジャンルは“ダークファンタジーアドベンチャー”なんですよね。
池田プロデューサー:
はい。ただちょっと細かいところで,見てもらったらびっくりしていただけるかなという要素を3〜4つくらい用意しているので,楽しみにしてもらえたらなと思います。
尾崎氏:
楽しみにしてもらいたいです!
4Gamer:
楽しみです! スチルはすべて尾崎さんが担当されるのですか。
尾崎氏:
ゲームのイラストは枚数も多いので,もちろん私も作るのですが他のデザイナーさんにも協力していただきつつ,イラスト兼監修みたいな感じで進めていくと思います。
池田プロデューサー:
とはいってもラフから仕上げまで描いてますから,めちゃくちゃ描いてもらう予定です(笑)。
4Gamer:
SNSで公開されるイラストも,すてきなものばかりで毎回更新が楽しみでした。こういったイラスト企画のテーマなどは,皆さんで話し合われて決めるんですか?
尾崎氏:
はい。季節のイベントにあわせて今回はこういうテーマで更新しようなど話し合っています。そういった企画で,応援してくださる方がもっと喜んでいただけるように,という想いがありました。
池田プロデューサー:
今回は人間陣営でハロウィンやりたいよねって話をしてから,尾崎さんが「じゃあ考えます」とラフを考えてくれるんです。本当に贅沢ですよ。
4Gamer:
ちなみに制作期間はどのくらいかかるのですか?
尾崎氏:
私が描いているのはマンスリーイラストなんですけど,だいたい5日〜1週間くらいでしょうか。まずテーマを考えて,衣装を考えて,それから線画,着彩みたいな感じです。ゲームではないので,細かいところは省略している工程もあるんですけど,一つ一つちゃんと愛情を込めて作っています。
4Gamer:
プロジェクトとしては3周年ということで,最初のころよりもそういったテーマなどを想像しやすくなったりするんでしょうか。
尾崎氏:
そうですね。時間が経っているのもそうですし,ゲームを作っていくなかで設定を作ったり,ボイスが入ったり,あと実弥島 巧さんのシナリオだったりと,ここ1年でキャラクターの解像度がどんどんあがってきました。それに伴ってこのキャラならこうだろうな,というのは,より強くなっていると思います。
4Gamer:
今回のAGF2022でのイラストのテーマも教えてください。
尾崎氏:
テーマとしては,初のAGF出展と,ゲーム情報解禁のお祝いの意味も込めています。隠れたところとしては,実は「あくあや」はお花をテーマにしているところがあるんです。名前付けのところにお花を使わせていただいていたり……。なので今回もお花を全面的に使ってみようかなと。
描いているお花はファンタジーのものなんですけど,そことディアのマントが部分的に花になっている,溶け込んでいる不思議な世界観を出してみました。ぜひ,見ていただきたいです。
4Gamer:
先ほど実弥島 巧さん(@Jerry_cat)のお話が出ましたが,シナリオライターとして起用した理由は何でしょう。
池田プロデューサー:
シナリオについては難しかったですね。基本的に「あくあや」の世界観などは尾崎さんが考えているものなので,それをどう物語に落とし込むのか,統一性は持たせたいですし,そのアウトプットを悩んでいました。そこで,尾崎さん自身が影響を受けた人,リスペクトしている人に頼むのがいいんじゃないかという話になり,実弥島 巧さんのお名前が出たんです。ダメ元で相談してみたところ,意外と「あ,いいですよ」と快くお引き受けいただきました!
それで最初に1〜2文トライアルで書いてもらったのですが,少し説明しただけで,「あくあや」のツボをしっかりと押さえた原稿を出してくださって……。こんなに世界観を分かってくれるんだと,驚きました。
「あくあや」は,女性向けですが恋愛ものではないです。ファンタジー作品として,彼らの葛藤や関係性を描ける人はなかなかいないんじゃないかと思いました。ファンタジー作品を得意とする実弥島さんに頼めたのは,本当に良かったです。
4Gamer:
今から期待が膨らみます。そして恋愛要素はないんですね!
尾崎氏:
そうですね。恋愛ではなく,キャラクター同士の関係性を重視して見せたいと思っています。
4Gamer:
リリースに向けて今後はどんなアプローチをする予定ですか。
池田プロデューサー:
リリースに向けてのプロモーションはこれから本格化していくんですけど,今まで長い間待ってくれたファンの方が一番楽しめるものを,ちゃんと作りたいなと思っています。今回発表したときに,「動いてたんだ!」「待ってたよ!」という声が多くて,ちゃんとこの人たちの期待に応えられるものを作ろう,ちゃんと世界観を理解してもらったうえでゲームを始めてもらうようにしようという想いが強くなりました。そこを考えながら,進めていきたいと思っています。
尾崎氏:
現段階では,まだビジュアルででしか情報はないと思います。私としてはそのあたりの解像度をどんどん高めて皆さんにお伝えして,ゲームがリリースされるときまで楽しんでもらおうかなと思っているので,頑張ります。
4Gamer:
最後に読者へのメッセージをお願いします。
尾崎氏:
情報が解禁されてから,皆さんから応援のメッセージをたくさんいただいています。やっと出せたという気持ちも我々もあるんですけど,それ以上に次はこの世界観をゲームとして,お届けしていきたいという想いがチーム一丸あるので,それまでもうちょっとだけお待ちください。本当に頑張りますので,楽しみにしていただきつつ応援のほうもよろしくお願いします。イラストも頑張ります!
池田プロデューサー:
本当にやっと発表できました。ゲーム開発はリベルさんと進めていましたが,ある程度の情報が整わないと出せないなと思っていたので,ここで2023年リリースと発表させていただきました。もうちょっと待たせてしまうのは心苦しくもあるんですけど,我々としても今楽しいものを作れている,楽しいチームで作れている,そしていいものを届けられるという確信がありますので,それまでお待ちいただければなと思っています。応援よろしくお願いします。
4Gamer:
ありがとうございました!
――2022年11月5日
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