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「FIFA 21」の新情報をまとめて紹介。キャリアモードには新たなトップダウンで眺めるインタラクティブマッチが登場
新たなゲームメカニックを含むゲームプレイについては,以前にも紹介しているが,キャリアモードは試合をトップダウンで眺められるインタラクティブマッチを新たに搭載するなど,大きく変化している。Co-opが追加された「FUT」や5人でプレイできる「VOLTA」についても紹介しておこう。
「FIFA 21」のゲームプレイに関する最新情報が公開。創造性・流動性・レスポンスの良さをテーマにした改良へ
Electronic Artsは,10月9日発売予定のサッカーゲームシリーズ最新作「FIFA 21」のゲームプレイに関する最新情報を公開した。創造性・流動性・レスポンスの良さを主軸にした改良が施されており,トリックプレイをより楽しめることができそうだ。
キャリアモード
〇インタラクティブ・マッチシム
「FIFA 20」で,オフピッチでのマネージャーの行動をシミュレートし,チーム,ファン,メディアとのインタラクションを追加するなどの小規模な進化を続けたキャリアモード。このモードは,プレイヤーが選んだ特定のチームのマネージャーやその選手としてプレイすることが可能なチーム運営シムで,オフラインモードとしては近年もっともプレイされているという。
そうした状況を受けてか,ようやく大きな改良が施され,「FIFA 21」において「インタラクティブ・マッチシム」(Interactive Match Sim)という,マネージメントゲーム風の新しいゲームメカニクスが追加された。
これは,プレイヤーの選んだチームが所属するリーグのスケジュールに合わせて試合が行われ,その状況をトップダウンで見るというもので,フィールドの選手たちはチームのユニフォームカラーとナンバーのみが表示されるドットにディフォルメされた状態で表示される。
イメージとしては,モバイル版「Football Manager 2020」のマッチのような雰囲気だが,特徴となるのは実際の“フィールドモード”へとプレイヤー自身がいつでもイン&アウトできることだ。時間に余裕があったり,どうしても勝ちたいゲームであればすべてをプレイしても良いし,決定機やフリーキックなど特定の状況だけ参戦することもできる。
実のところ,このようなトップダウン型のマッチシムは「FIFA 07」にも搭載されていた。その進化型とも言える本作では,各選手のパフォーマンスや疲労度をチェックしながら,選手の交代だけに集中してマッチシム画面を眺めているだけでも楽しそうだ。
プレイヤーとして介在しないどころか,このマッチシム画面をスルーしたいというゲーマーには,すべてをスキップして結果だけ表示させることもでき,実況者のコメントやスタジオの雰囲気なども,本編どおりに伝わってくる。
〇育成システム
スポーツマネージメントシムの本来の楽しみは,さまざまな能力を持つ選手を育成して,そのコンディションに合わせて使いこなしていくというチーム監督としての采配であるはずだ。しかし,ここのところのシリーズでは「スクワッド」の成長よりも,トランスファー(選手の移籍)で安易にチーム作りができてしまうのがファンの不評を買っていた。
そのため,「FIFA 21」では新しい育成システムが搭載され,スクワッドとしてのマクロな視点でチーム作りができるようになったのだ。
ゲーム内における選手の成長は,XP(経験値)の集積によって決定される。マッチに投入された選手がどのようなパフォーマンスを見せるかによって獲得できるXPは異なるが,デフォルトではあらかじめ個々の選手に用意された育成プランに基づき,すべての能力(アトリビュート)に満遍なく集積していく。本作においては,この成長プランをカスタマイズできるようになっており,このことでより個性のある選手を育てたり,ポジションをコンバートして特定の能力を鍛えていくというようなことも可能だ。
具体的には,ポジションに合わせて複数のオプションが用意されており,「ぺース」「シューティング」「パス」「ドリブル」「ディフェンス」「フィジカル」といった「基本能力」だけでなく,「スキルムーブと逆足」「オフェンスとディフェンスの練習量」「専門化を促進させる能力」などにXPを投資できる。
当然ながら,若い選手ほど飲み込みが早く,まだ十分な能力を成長できていなくてもマッチに投入することで,XP獲得スピードは上がっていく。
〇ポジションコンバート
ゲームコミュニティからの要望が高かったことの1つが,選手のポジションをコンバートするというマネージャー特権の使用であり,「FIFA 21」ではこの機能によりスクワッドの育成に幅が出る。ゲームメカニックスそのものは育成システムと似ているが,ポジションを変更した選手のXPはそのポジションに適応するために特定の能力が自動で選択されて,その強化に絞り込まれる。
そのため,コンバートはワークレートやスキルムーブのアビリティにもインパクトを与える。ウィングのプレイヤーをサイドバックにする場合,当然ながらインターセプトやヘディング,スタミナなどの能力が集中して強化されるし,その逆であればドリブルやアクセラレーションに集中する。
もちろん,キーパーをウィングに育てようとしても,活躍できる選手にするのは至難の業だろうが,ユースアカデミーに所属する有能で若い選手であれば,特定のポジションの人材が足りなくなる将来を見込んでコンバートするといった長期的なマネージメントを楽しむことができるはずだ。
〇アクティブトレーニング
このように,より長い目で選手の育成を楽しめるようになった「FIFA 21」のキャリアモードだが,チーム所属選手のトレーニングには,新たに「アクティブトレーニング」(Active Training)というシステムが加わったことも特筆できる。
プレイヤーが選択した「練習日」には,それぞれの選手に3つのセッションのスロットが用意されており,「パスコントロール」「ディフェンス」「スタミナ」「セットプレイ」といった特定の能力を強化する練習内容(ドリル)を決めて練習プランを作れる。
1つのドリルで,最大15人の選手を割り当てられ,合同訓練させることも可能だ。こうした練習日の訓練内容は,一人ひとりの選手に合わせて事前のプランが用意されているので,個々の選手のために毎回スロットを埋めていく必要はない。
また,こうしたドリルは難度のようなものが用意されており,高い難度ほど訓練の成果が0から100までの値で算出される“シャープネス”で高い値が出やすい。しかし,その反面,より多くの“フィットネス”を消費してしまうのだ。なお,シャープネスは平均値が50であり,51〜100の結果になると,その選手は予想よりも練習の成果が出たという結果になり,逆に0〜49になると,能力に加算されるXPにペナルティが与えられてしまう。
シャープネスの獲得は,さらに個々のモラルや好きなポジション向けのドリルをしているかによっても変化するという。選手側からのフィードバックが用意されているのは面白い。
さらに,より多くの選手に同じドリルに参加させたほうが,得られるシャープネスはブーストされるようだ。だからと言って,すべての選手に同じ内容の練習をさせるわけにもいかず,このあたりのマイクロマネージメントはマネージャーとしての力量が問われることになるはずだ。
練習日に加えて,シャープネスの減少と引き換えにフィットネスをあげる「回復日」と,回復日ほど大きな変化はないが,モラルが向上する「休日」をスケジュールに割り当てていくことにより,それぞれの選手の疲れに対応していく。
FUTモード
国際サッカー連盟に所属する様々な実在選手のカードを集めて最強チームを作り上げていく「FUT」(FIFA Ultimate Team)での大きな変化は,2人のプレイヤーが同じチームでプレイできるCo-opモードが追加されたことだ。
ほかのプレイヤーチームと2対2の「フレンドリー」を楽しんだり,AI相手の「スクワッドバトルズ」をプレイしてみたり,ランクマッチ対戦を行う「ディビジョンライバルズ」にも対応していたりする。
ディビジョンライバルズの大きな変化としては,無限にプレイした成果がランクに反映されるというこれまでのシステムが見直されていることで,「FIFA 21」においては,これまでと同様にマッチはいくつでもこなせるものの,週ごとに最初の40試合のみの結果が計算されることになった。
また,選手を次のマッチにプレイ可能な状態にしておくための「フィットネス」と,シューティングなど特定の能力をブーストする「トレーニング」の2種類のカードは廃止される。
さらに「FIFA 21」のFUTモードでは,「チームイベント」と「コミュニティイベント」という新しいシステムが用意される。
チームイベントでは与えられた目的を達成することにより,コインやパックを含む報酬が得られる。コミュニティイベントでも同様に,与えられた目的をこなすことで,チームのスコアがコミュニティベースで加算されていく。このスコアによってマイルストーンがアンロックされ,やはりさまざまな報酬が得られる。
このほか,かなり自由な独自ルールの設定で,ほかのプレイヤーとフレンドリーマッチが楽しめる「Live FUTフレンドリー」というモードもあり,ここでも何らかの報酬が発生するのか気になるところ。施設の形状やカラーリングなどをカスタマイズし,自分専用のFUTスタジアムをデザインできるという新しい機能にも注目したい。
VOLTA FOOTBALL
「FIFA 20」で追加されたVOLTA FOOTBALLは,最大5人チームでのストリートサッカーをプレイできるという,「FIFA 98」でフィーチャーされていた仕様が「FIFA Street」シリーズとして分化していたものを再統合したモードだった。
最大5人のプレイヤーと専用チーム「VOLTAスクワッド」を作れるのが特徴で,「VOLTA STADIUM HUB」にアクセスして,ほかのチームやプレイヤーを見つけてチャレンジすることができる。もちろん,プレイヤーのアバターは様々な容姿にカスタマイズでき,公式ライセンスを受けているスポーツウェアの有名ブランドの人気のシャツやシューズに着込むことも可能だ。
狭いフィールドで縦横無尽にスキルを駆使できるのがVOLTA FOOTBALLのらしいところだが,先日のゲームプレイの解説で紹介したように,ゲームエンジンに加わった新機能「Agile Dribbling」(高速ドリブル)に対応しており,細かいタッチで相手選手の間を抜けていくこともできる。
これに加えて,L1とR1(もしくはLBとRB)ボタンを同時押ししながら,右サイドのスティックを相手選手の方向にフリックすることによるナツメグ(股抜き)や,右スティックを押しながら左スティックで方向を選ぶことによるフリックアップ(空中に浮かせて意表をつく)ができるようになった。
プレイヤーキャラクターのランクは星マークでランク付けされているが,4つ以上のプレイヤーならさらにダイナミックなスキルを見せつけることもできる。
オンラインモードのVOLTAスクワッドはディビジョン制になっており,それぞれのディビジョンには5つのランクがある。シーズンがスタートするごとに,その過去の対戦成績から自動的にランクが決定され,似た戦績のチームとマッチメイキングされることになり,ディビジョンを上げると,新しいコスチームなどに投資できるVOLTAコインなどの報酬が得られるとのことだ。
AIにコントロールされた有名選手たちの集うチームと戦うといったイベントも週間ごとに用意されている。
VOLTA FOOTBALLへの理解を広めるため,チュートリアルを兼ねたストーリーモード「The Debut」も気になるところだ。このモードでは,元ブラジル代表として日本でも良く知られるカカ元選手がストリートサッカー大会を主催。それに引き付けられた選手がサンパウロからパリ,シドニー,ドバイ,そしてミラノへの大会に参加しながら結束を強め,ストリートサッカープレイヤーとして成長していくという最大3時間ほどのシネマティックシーンを多用したストーリーになるという。
カカ元選手以外のメンバーは,フリースタイルフットボーラーとして2012年度のワールドファイナル決勝で優勝した経験を持つ徳田耕太郎選手ほか,フランスの女性フリースタイラーとして有名なLisa Zimouche(リサ・ジムーシェ)選手,そしてオランダのIzzy Hitman(イジー・ヒットマン)選手と,同じくオランダのEdward Van Gils(エドワード・ファン・ジルス)選手という,クセのある実在アスリートたちが登場する。とくに徳田選手が選ばれているのは,多くの日本のゲーマーも興味を持つのではないだろうか。
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