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「グランツーリスモ」のプレイヤーが本物のプロレーサーに!? 映画「グランツーリスモ」は実話を元にした驚きのストーリー
ソニー・インタラクティブエンタテインメントから発売されている,レースゲーム「グランツーリスモ」シリーズを題材としたもので,監督はニール・ブロムカンプ氏,脚本はジェイソン・ホール氏とザック・ベイリン氏が担当している。
出演は,デヴィッド・ハーバーさんや,オーランド・ブルームさん,アーチー・マデクウィさん,ジャイモン・フンスーさんと,実力派揃いだ。
物語は,ゲーム内容に準じたものではなく,「グランツーリスモ」のトッププレイヤーが現実のプロレーサーを目指すというもの。「そんな馬鹿な!」と思う人もいるかもしれないが,これがなんと実話をもとにした物語なのである。
9月15日の国内公開に先駆け,本作を観賞できる機会を得たので,見どころを紹介しよう。なお,ネタバレについて,公式サイトや予告映像で公開されている情報までに留めているが,気にする人は注意してほしい。
映画「グランツーリスモ7」公式サイト
日産とプレイステーションが生み出した「GTアカデミー」。そこに見いだされた「グランツーリスモ」のトッププレイヤー
「グランツーリスモ」シリーズは,今や説明不要ともいえる,大人気のドライビング&カーライフシミュレータだ。第1作目は,PlayStation用ソフトとして1997年に発売され,現在の最新作は,2022年3月にPlayStation 5で発売された「グランツーリスモ7」(PS5 / PS4)だ。
ボディの光沢や映り込みなどを含めた実車の表現,実在コースの作り込み,収録車種や改造パーツに至るまで,とことんリアルを突き詰めた本シリーズは,今も多くのプレイヤーを魅了し続けている。
[インタビュー]グランツーリスモは,どこまで現実に近づいたのか。リアルとバーチャルの“二刀流”ドライバー,イゴール・大村・フラガ選手に聞く
グランツーリスモのグラフィックスは,もはや現実と見分けがつかないほどだが,車の挙動はどれだけ再現できているのか? グランツーリスモ ワールドシリーズでの優勝経験があり,実際のレースでも走るイゴール・大村・フラガ選手に聞く。
映画の物語は,プレイステーションと日産が世界中からゲームのトッププレイヤーを選抜し,本物のレーシングカーに乗るプロレーサーをして育成する,「GTアカデミー」というドライバー発掘プログラムを立ち上げるところから始まる。
集められた「グランツーリスモ」のトッププレイヤーたちは,運転技術や体力,精神力を鍛え上げるための過酷な訓練が施される。仲間たちのそれぞれの想い,友情,対立がある中,訓練から脱落した者は1人ずつ去っていく。そして,その試練を乗り越えられたものだけが,“リアル”のレースへと挑むことができる。
……これだけ聞くと,実に荒唐無稽な話だ,と思う人もいるかもしれないが,先ほども書いたように,これは実話をもとに作られた脚本なのである。
つまり,GTアカデミーは実在し,ここから優れたプロレーサーが輩出されたというのも,本当にあったことなのだ。
劇中の主人公は,実在のレーシングドライバーであるヤン・マーデンボローをモデルとした同名の青年(演じるのはアーチー・マデクウィ)。幼いころからプロレーサーに憧れていたヤンだが,レーサーになるには,優れた運転技術はもちろん,かなりの資金が必要となる。
大きな後ろ盾がないうえ,実家の理解すらも得られていない彼はプロになれる見込みもなく,ゲーム「グランツーリスモ」のプレイのみに明け暮れていた。
そんな彼が,限られた人間にしか開かれていなかったプロレーサーへの道に,「グランツーリスモ」と,それに関わる人間たちの想いを背負って乗り込んでいくことになる。
ヤンはいかにして夢を掴んだのか。その奇跡が生まれた背景には,優れたレーシングシミュレータである「グランツーリスモ」に没頭する若者たちだけでなく,「グランツーリスモ」に関わる技術者とマーケターたちの情熱があった。
主人公以外の登場人物も魅力的である。筆者が特に気に入っているのは,GTアカデミーでヤンたちを鍛え抜き,チーフメカニックとして並走するジャックである。
デヴィッド・ハーバーが演じる彼は,過去に挫折を味わい,他人に対し心を閉ざしている。また,ヤンたちのようなゲーマーがリアルのレーシングカーに乗って活躍できるとは思ってもいない。しかし物語が進むにつれて,徐々にヤンとジャックの距離は近づいていき,深い信頼が生まれていく。
日産のマーケターであるダニー(オーランド・ブルーム)も,ジャックとは違った立場でヤンに関わる人物だ。ジャックとダニーの立場からくる思惑や考えの違いも,GTアカデミーと,それを取り巻く環境を表している。さまざまな人の目を通した“シムレーサー”の姿と,彼らのアツい物語を,ぜひ映画館で見届けてほしい。
「グランツーリスモ」プレイヤーから見る本作の姿
ビデオゲームの「グランツーリスモ」を軸として,夢を追う若き才能と,それをサポートし背中を押す指導者の軌跡を描いた本作だが,ゲーマーとしての視点で鑑賞すると,また特別な感情が沸き起こってくる。
とくに,レースのリアルさを追求したこだわりの演出は驚くべきものだ。FPVドローンを使用した撮影方法で実現した,スピード感と奥行きのある画面作りは,実際のレースの迫力をよりよく伝えている。
レースシーンの撮影は,本物のレースカーが使われている。運転は,優秀なスタントドライバーによって行われているのだが,そのメンバーの中に,ヤン・マーデンボロー本人も含まれているのだ。
主人公のモデルとなった同氏がカースタントを務めているということは,本作の大きな見どころのひとつだろう。
ヤンさんご本人 |
リアルなレースシーンとゲーム画面とがシームレスに切り替わっていく場面は,ヤンにとって,「グランツーリスモ」とリアルのレーシングカーの両者の存在が地続きであり,シミュレータで得た技術と知見が,リアルのレースにおいても大いに通用することを,強く感じさせてくれる。
リアルにもヴァーチャルにも“本物”を追求しているからこそ,この演出には説得力が生まれているように思えた。
また,ヤンが没頭する「グランツーリスモ」のゲーム画面は,プレイヤーにとっておなじみのものである(本作で登場するのは,主に「グランツーリスモ7」)。劇中では,聞きなれているSEが挿入される演出も手伝って,ヤンの視点とよりシンクロできる。
ゲーム「グランツーリスモ」を題材に,プロレーサーを目指す青年の実話を描いた本作。シリーズをプレイしている人はもちろん,同作を知らない人でも十分に楽しめるエンターテインメント作品として仕上がっている。国内公開は明日の9月15日と目前なので,楽しみに待とう。
映画「グランツーリスモ7」公式サイト
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Gran Turismo(R)7 (C)Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc. “Polyphony Digital logo”, “Gran Turismo” and “GT” are registered trademarks of Sony Interactive Entertainment Inc. Manufacturers, cars, names, brands and associated imagery featured in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. Any depiction or recreation of realworld locations, entities, businesses, or organizations is not intended to be or imply any sponsorship or endorsement of this game by such party or parties. All rights reserved.
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