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[TGS 2021]コーエーテクモゲームスの「シブサワ・コウ40周年記念 プロデューサー座談会」レポート。シブサワ・コウ氏の人物像に迫る一幕も
座談会では,「三國志 覇道」のプロデューサーを務める伊藤幸紀氏,「三國志14」のプロデューサーである越後谷和広氏,「信長の野望・大志」のプロデューサーである小山宏行氏,そして「Winning Post 8」および「9」のプロデューサーである山口英久氏が,シブサワ・コウブランドに関するトークを繰り広げた。
トークの最初のテーマは,「思い入れのあるシブサワ・コウ作品」だ。伊藤氏は「三國志」シリーズの中から,初めてプレイした「III」と,初めて開発に携わった「11」,そして現在運営および開発を行っている「覇道」の3タイトルを挙げた。
越後谷氏は,自身が開発に携わった「Winning Post 4」と「太閤立志伝IV」「三國志 英傑伝」を挙げ,とくに「Winning Post 4」は初めてきちんと仕様を作ったタイトルだったと述べた。気持ちを込めすぎて19ページにおよぶ仕様書を書き,上司に突っ返されたというエピソードを披露した。
小山氏は,子どもの頃,お金を貯めて初めて買ったゲームだったという初代「信長の野望」と,「信長の野望・覇王伝」を挙げた。とくに前者は,周囲がアクションゲームを遊ぶ中,大人向けの内容に衝撃を受けたという。
山口氏は,光栄(当時)のタイトルで初めてプレイした初代「三國志」と,オルドシステムに衝撃を受けた「蒼き狼と白き牝鹿 ジンギスカン」,そして,初めて手がけた「Winning Post 7 2010」を挙げた。ちなみに「Winning Post 8」「9」には結婚して子どもを作るシステムがあるが,ある意味,その原点となったのが,「蒼き狼と白き牝鹿 ジンギスカン」だったという。
2つめのテーマは,「思い入れのあるシブサワ・コウ作品BGM」で,伊藤氏は「ゲームの世界観を表すために大事なのは,見ることとと聴くこと」とし,とくに「信長の野望」シリーズや「三國志」シリーズはオーケストラを使ってBGMを作っていることを語った。また,シブサワ・コウ氏自身がミュージシャンであることや,コーエーテクモホールディングスの会長である襟川恵子氏が作曲家の菅野よう子さんと懇意にしていることも,BGMに力を入れている理由として挙げられた。
具体的なBGMとしては,いい意味でゲーム音楽らしからぬ印象を受ける「信長の野望・覇王伝」の「青い波頭」と,演奏が盛り上がる前にキャンセルされてしまいがちな「Winnning Post 8」の「本馬場入場(欧州)」が紹介された。
番組後半では,「シブサワ・コウブランドあるある」をテーマにしたトークが披露された。最初は「無双」シリーズなど社内のほかのIPに関わった経験のある越後谷氏が,「仕様書,データ量がハンパなく多い」と指摘する。当初は,膨大な数におよぶ武将の各種パラメータを処理するたびに,書き換えのための仕様書がきちんとまとめられていることに驚いたという。
伊藤氏は,「Wikipediaの上をいくスタッフがいる」ことを挙げた。「信長の野望」チームや「三國志」チームには生き字引と呼ばれるようなスタッフが存在し,常に新しい情報や解釈についても勉強しているという。また,休憩時間も馬の話しかしない,他に例を見ない競馬好きもいるという。
山口氏は,「新人はまず『競馬が好きか』と聞かれる」ことを挙げた。実は競馬好きのプランナー志望者は貴重で,「今年もいないのか……」という状態が何年も続いた。しかし最近,2年連続で「競馬をやりたい」という新人が出現し,「Winning Post」チームは若返りを図っているところだ。
最後のテーマは,「シブサワ・コウってどんな人?」という興味深いもの。越後谷氏は,「普段からずっとゲームをプレイしている」と述べ,自社の新作も細かいところまでチェックしていることを明かした。伊藤氏のところにも「三國志 覇道」について,シブサワ・コウ氏が感じた良いところと悪いところを記した,「メモ」というタイトルのメールが来るそうで,戦々恐々としているという。
小山氏は,「経営者でありクリエイターであるという立場から厳しいことは言うが,怒鳴るなどパワハラとは無縁な人物。ただ圧は強い」と評すると,ほかのプロデューサー陣も「オーラがすごい」と同意した。そのため,シブサワ・コウ氏から「これ,やっといて」と依頼されると,それがどんなに難しい内容でも「はい,分かりました」と答えてしまいがちになるという。
山口氏や越後谷氏も,シブサワ・コウ氏の指摘は正しく,従ったほうが絶対にゲームが良くなるのだが,それが難題であることも多いと話した。
座談会の最後には,プロデューサー陣を代表して伊藤氏が,シブサワ・コウブランドを支えているファンに感謝を示した。そして,従来のIPをシリーズとして続けていくのはもちろん,新たなIPのシリーズ化にもチャレンジしていきたいと意気込みを見せ,配信は終了した。
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