ハピネットは2020年6月25日,Nintendo Switch向けの戦略シミュレーションゲーム「
ブリガンダイン ルーナジア戦記」(以下,ルーナジア戦記)を発売した。
「ブリガンダイン」シリーズは,1998年にPlayStation用ソフトとしてリリースされた
「ブリガンダイン 幻想大陸戦記」を初作とする,ファンタジー世界を舞台にした国取りシミュレーションだ。本作はその続編にあたるタイトルで,約20年ぶりにシリーズが復活を果たすことになる。
戦略マップにおける大陸の覇権を争う国取りと,戦術級ウォーシミュレーションゲームを両立させつつ,100人を超える騎士たちの壮大な物語を描くブリガンダインシリーズの特徴はそのままに,ルーナジア戦記ではビジュアルとシステムの両面が大幅に進化。さらに世界観を一新することで,シリーズに触れたことのない人でも楽しめる作品として仕上がっている。
というわけで本稿では,本作の世界観や登場する勢力,ゲームシステムなどの情報をまとめてお届けしよう。
物語の舞台は“マナ”に満ち溢れた土地「ルーナジア大陸」
物語の舞台となるのは,5つの国と1つの部族の計6勢力がひしめくルーナジア大陸。太古よりルーンの神と呼ばれる存在の加護を受け,神秘の力“マナ”に満ち溢れた土地だ。
マナの恩恵を使いこなした者は,超自然的な魔法や,人智を超越した武技,そして異世界から召喚したモンスターを意のままに操る術を身につける。そうした人間は“
ルーンの騎士”と呼ばれ,時に人々を守る盾として,時に他国を侵略する矛として,ルーナジアに多くの逸話を残すことになる。
人間による国家が成立する以前,大陸には魔獣が跋扈していた。その頃,騎士たちと共に驚異から人々を守ったとされるのが5つの“
マナ・ストーン”だ。これらのマナ・ストーンは鎧や装身具に組み込まれ,伝説の鎧“
ブリガンダイン”として語り継がれていく。
やがて,各地域に散らばった5つのブリガンダインは異なる国家の所有物となり,それぞれが国のアイデンティティを示す名で呼ばれるようになった。すなわち“
正義”“
誇り”“
自由”“
高潔”“
自我”である。
大陸の覇権を狙う5つの国家と,1つの部族。それぞれが戦禍に身を投じるまでの物語を紹介
プレイヤーはルーナジア大陸に存在する6つの勢力から1つを選び,君主として大陸の統一を目指すことになる。
本作の魅力のひとつは,それぞれ異なる歴史を持つ国家(部族)と,そこに所属するルーンの騎士たちの存在だ。騎士たちの総数は100名にのぼり,その全員に詳細な設定と相関が用意されている。自分に合った勢力を選ぶことで,本作をより楽しめるだろう。
というわけで,ここからは各勢力が戦禍に身を投じるまでのストーリーと登場キャラクターを紹介していこう。ゲーム開始前の勢力を選ぶ参考にしてほしい。
正義のブリガンダイン「ノーザリオ王国」
英雄アデッサの手によって,ルーナジア大陸の北西に位置する島「ノーザリー」に建国された国家。アデッサが身につけていたブリガンダインが冠する銘“正義”にならい,義侠心や騎士道といった精神を元に統治が行われている。ノーザリオの王子であるルビーノ四世は,父王の治世のもとでこの精神を学び,心優しい青年へと育っていった。
だが,正式な譲位が行われる以前に父王が暗殺されてしまう。時を同じくして,ブリガンダインを持たない“ならず者”であるグスタファ神聖帝国がノーザリオの拠点を奇襲し,これを占領するという事態が発生する。
これを契機にルビーノ四世はノーザリオ王国の君主となり,その身にまとった“正義”のブリガンダインの名のもとに,自ら大陸を統一することで乱世を終結させることを決意した。
君主:ルビーノ四世
ノーザリオ王国の王位継承者。グラドスに剣術の指南を受けながらも,戯曲の執筆者としても評価を得る文武両道の青年。民にも平等に接する優しさと,正義を貫く強い心を併せ持っている。
グラドス
ルビーノ三世の時代から長く王家に仕え,戦い続けてきた英雄。王子との関わりは深く,剣術指南役であると同時に父親のような存在でもある。なぜか美女を見るとクシャミが止まらなくなる弱点があり,生涯独身を貫いている。
アンジェ・シズラー
国民的人気を誇る王立劇団の看板俳優であると同時に,ノーザリオ王国屈指のルーンの騎士でもある。既婚だが,妻は娘の出産時に亡くなっており,男手ひとつでイエナを育て上げた。
イエナ・シズラー
明るく元気なアンジェ・シズラーの一人娘。同い年のルビーノ王子とは幼馴染で,身分は違うものの良き理解者として王子を支えている。ルーンの騎士としての才能も十分で,父からは前線に出ることを心配されているようだ。
誇りのブリガンダイン「ガイ・ムール共和国」
5つのマナストーンを解放した英雄モハナ・キャラダインを建国の祖とし,それをもってルーンの騎士発祥の地を自認している共和制の国家。建国物語はそのまま神話として語り継がれ,ルーン信仰を二分する勢力の1つ“モハナ派”の総本山としても知られている。
派閥を異にする隣国,マナ・サリージア法王国とは険悪な関係ながらも融和の道が模索されており,共和国第十五代大統領であるアーデン・ウザーラの統治のもとで平和を維持してきた。
しかし,長く続くと思われた平和は,突如として打ち砕かれる。ガイ・ムールの重臣の1人がマナ・サリージアから無残な姿で送り返されるという,宣戦布告に等しい行為によって……。
国家の危機を察知した“誇り”のブリガンダインは,かつてブリガンダインと共に国を護ったとされる「エンジェの剣」を,大統領の息女であるエルザ・ウザーラに託す。エルザはその運命を受入れ,国の誇りを守るために立ち上がるのだった。
君主 エルザ・ウザーラ
共和国第十五代大統領,アーデン・ウザーラの娘。共和制である以上は選挙によって首長が決められるが,現大統領の娘という身分は十分な権威であるためか,彼女は平等に扱われるために素性を隠し,ダンサーとして舞台で活躍していた。しかし,ブリガンダインはエルザを選び,彼女もその宿命を受け入れることになる。
ムウア
ガイ・ムールだけでなく,大陸全土を見渡しても最高峰と言われる魔法師。幼少時に母を失ったエルザの教育係を務め,彼女にとっては教師のような存在となる。
ダリアン
生まれた時から戦士として育てられるバレット族によって構成されたブラックバード隊のルーンの騎士。ダリアンは戦いだけでなく音楽の才能も持ち,その腕はダンサーとして活躍するエルザにも知られている。
カイン
アーデンとライバル関係にあった議員を父に持つルーンの騎士。そうした生い立ちと高いプライドからエルザには強い対抗心を持ち,それを隠そうともしない。ルーンの騎士としての能力が高いだけでなく,モンスターの生態にも精通しており,編成や戦術の面でも高い実力を持っている。
自由のブリガンダイン「シノビ族」
かつてハザムと呼ばれる国家が存在した地帯を占拠する,女だけで生きることを選んだ一族。シノビ魔術と呼ばれる独自の技術を用いてた傭兵業を生業としている。
族長デラの娘にして傑出した能力を持つタリアは,身分を隠して各国の傭兵として働くと同時に,一族の諜報員としても暗躍していた。その中で,ルーナジア大陸における大国同士の対立が,もはや衝突を避けられない段階にあることを知ることになる。
そうした国家間の陰謀に巻き込まれ,姉のように慕っていた先達を失ったタリアは,自由のために大国の侵略に抵抗するべきだと主張。彼女の想いに“自由”のブリガンダインが呼応し,族長もタリアの言葉を受け入れる。
かつてハザムで生きた男たちで構成された傭兵団や,動物や妖精の混血種などの戦力をかき集めたタリアは,ついに森から外界へと打って出ることになった。
君主 タリア
首領であるデラの血を受け継ぎ,傑出した実力を誇るシノビ族の若きリーダー。自由への想いは誰よりも強く,故郷から男を追い出してまで手にした自由を失いかけていることに,強い懸念を抱いている。
デラ
シノビ族の首領にして,独自の技術であるシノビ魔術の伝承者。娘であるタリアを愛する母親としての感情と,厳しい掟の元に成立しているシノビ族の長としての責務の間で,深い葛藤を抱えている。
シド
かつてハザムから追い出された男たちの末裔によって構成された流浪の傭兵団の中でも,とくに高い実力を持つ青年。その生い立ち故に大の女嫌いだったが,任務中にシノビ族のレイに救われたことで,タリア率いるシノビ族の戦列に加わることを決意する。
アンクル・トビー
野生動物のバズウとバレット族の混合種。タリアの体術の師匠であり,同時に父親に近い存在でもある。明るくひょうきんな性格だが,2人の子供を持つ父でもあり,故郷に残してきた子供を気にしているようだ。
高潔のブリガンダイン「マナ・サリージア法王国」
5つのマナ・ストーンを生み出した「マナの泉」を保有する,ルーン信仰における二大派閥の1つ“ザイ派”の総本山たる宗教国家。もう1つの派閥“モハナ派”の中心地であるガイ・ムールとは,かつてマナ・ストーン三十年戦争で争った過去もあるが,法王であるロマヌフの尽力によって融和が進められていた。
法王の嫡子であるルド・マルコはそうした融和を良しとせず,ザイ派の総力をもって対抗派閥を征伐し,ルーン信仰の統一を目指すべきだと主張する。だが,ロマヌフはルドの言葉を頑として受け入れなかった。
しびれを切らしたルドは,ワインに毒を盛ってロマヌフを殺害。“高潔”のブリガンダインをその身にまとい,これはモハナ派の陰謀であると臣民たちに告げる。この事件は民達にくすぶっていたモハナ派への敵意に火をつけ,大陸の宗教を統一する目指す戦いが始まった。
君主 ルド・マルコ
ロマヌフ法王の嫡男。有能かつ高慢な性格で,モハナ派への対立意識は極めて強い。融和を模索する父の方針にも懸念を示しており,大陸全土をザイ派が治めることを夢見ている
セレナ
おしとやかで戦いを好まない少女だが,マナを扱う特殊な才能を持っており,戦場では圧倒的な実力を発揮する。平和を愛する彼女は自分の力の存在に悩みを抱えており,理解者であるロマヌフ法王には絶大な信頼を寄せている。
ギリアム
高い実力を誇る魔法師にして,マナ・サリージアの大神官でもある老齢の男性。地位に固執するあまり周囲を信用せず,常に厳しく接するため人望が薄い。大陸最高の魔法師を自認するが,かつてムウアに大敗北を喫した経験がある。
カイル
忠実で冷静沈着なルドの側近。ギリアムの引き立て役に徹して目立つことを避けているが,常にあらゆる情報を把握しており,必要とあればルドへの進言も欠かさない。
自我のブリガンダイン「ミレルバ諸島連邦」
大陸の南東に位置する7つの島と,それを拠点とする海賊の末裔が住む国家の連合体。連邦議長は持ち回りで務める形式が採用され,彼らを代表する“自我”のブリガンダインも議長が保有する決まりとなっていた。
しかしある時,新たな議長の元へと移送中だった“自我”のブリガンダインが海賊に奪われてしまう。そんな海賊たちに砲弾を叩き込み,見事奪取したのがミレルバ諸島連邦警備騎士団長のステラ・ハーメットだった。
伝説の海賊キャプテン・ハーメットの末裔であるステラと,父のギニー・ハーメットはこの事件から,諸島連合を含む世界全体が戦禍に包まれつつあることを確信する。
「このまま待っていたら,いつかは自分たちの国が奪われる時が来る。ならば,奪われる前に奪ってしまえばいい!」,ステラとギニーはその勢いのまま,連合の力を結集して大陸制覇に乗り出すことを宣言した。
君主 ステラ・ハーメット
ミレルバ諸島連邦警備騎士団長にして,伝説の海賊キャプテン・ハーメットの末裔。性格は豪放磊落(ごうほうらいらく)で,仲間を引っ張る強いリーダーシップを持つ。行動原理も単純明快,誰よりも先頭に立って戦うその姿から,仲間たちからも厚い信頼を受けている。
プルート
ステラの幼馴染で,ミレルバ諸島連邦警備騎士団きっての魔法師。温和でいつでも冷静な判断ができる人物で,ステラを筆頭にノリと勢いで突き進むタイプが多いミレルバの重鎮たちにいつも振り回されている。骨董品の収集が趣味。
アデュー
ミレルバ諸島連邦のマフィア「カフェリアン」のボス。本人いわく“義賊”とのことだが,利益を求めて悪事にも手を出しているためステラとは喧嘩が絶えない。表向きは金の匂いを嗅ぎつけてミレルバ挙兵に参戦したようだが……。
ギニアム・ハーメット
ステラの父にして,ミレルバ諸島連邦の代表議長。一見すると昔の武勇伝を語り続けるだけの大酒飲みだが,陽気で義理人情を大切にする生き様は多くの人々に好かれている。また,齢60を超えた現在でもレルバ諸島連邦随一の実力者であり,最前線での戦いを好む。
ブリガンダインを持たざる国「グスタファ神聖帝国」
他国を追われた流人たちを差別することなく受け入れ,そのリーダーシップをもって国家を立ち上げたアシド・グスタフを祖とする国家。周囲の国家に疎まれ,マナに恵まれない貧しい土地に生きたグスタファの民は,逆境と困難に立ち向かう強さを持っている。
しかし,複数の民族が混じり合うグスタファ神聖帝国は“正統な出自”を持つ他国と比較すると結束力に劣る面は否めない。戦争によって領土が肥大化したことでその問題は表面化しつつあり,グスタフの血筋をもってしても完全な掌握は難しい段階に達しようとしている。
民を導いたグスタフは“英雄シン・グスタフ”として崇拝の対象となり,グスタフ一族はその逸話をもって民をまとめあげていたようだ
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現皇帝のティム・グスタフは,ブリガンダインに頼らずともグスタフの血によって人々を導けることを証明するため,そして先祖を北方の土地に追いやった敵への復讐を果たすため,大陸の制覇を決意するのだった。
君主 ティム・グスタフ
グスタファ神聖帝国の第十三代皇帝。皇帝としての自負心と,ブリガンダインを持つ国々への強い対抗心を持ち,反骨精神で成り上がったグスタファ神聖帝国の精神を体現したような人物である。23歳ながらも卓越した戦略眼を持ち,戦いに勝つためならば手段を選ばない非情さも持ち合わせる。
アルスン
ティム・グスタフの腹心にして,皇帝直属の秘密部隊司令官。前皇帝の代から侍従長を務め,長きに渡って帝国の屋台骨を支え続けている。騎士としても高い実力を誇るだけでなく,帝国の歴史を人々に伝える芝居小屋「シンの旅宿(パレイ・ド・シン)」の人形師としての顔を持つ。
ジンジャー・グスタフ
ゾアールの加護を受け,千里眼を持つと言われるティムの妹。ティムを敬愛しており,いついかなる時もティムを優先して献身的に仕えている。だがティム以外に対しては興味がないようで,ティムに危害を加える存在には苛烈な攻撃を加える。
ハザロフ
グスタファ神聖帝国の北方司令を務める,ティムの叔父にあたる騎士。帝国随一の怪力の持ち主で実績も十分だが,それを鼻にかけてティムに財産を要求する。さらに大酒飲みで酒癖も悪く,仕事に対する愚痴も多い。
内政要素を“マナ”に集約して遊びやすく。戦略マップで戦いの準備を整えよう
ブリガンダインはいわゆる戦略シミュレーションゲームだが,戦略マップでの行動と戦闘が明確に切り分けられているほか,資源の種類はごく少数に絞られており,同ジャンルの作品としてはかなりシンプルにまとまっているのが特徴だ。ここからは,戦略マップにおける基本システムや考え方を紹介していく。
○刻一刻と戦況が変化する国取りシミュレーション
本作の時間は“節”と呼ばれる単位で管理されており,モンスターの召喚や部隊の編成を行う「準備フェイズ」と,編成した部隊を使って攻め込む先を決定する「攻撃フェイズ」を完了すると“1節”が経過する仕組みになっている。
プレイヤーの最終目標は,ルーナジア大陸の各地に点在する拠点を攻め落とし,そのすべてを支配下に置くことだ。拠点は周辺地域を含む支配権を象徴する存在で,拠点をすべて失った場合は敗北となってしまう。
戦略マップにおける移動先,攻撃先の指定は全勢力が同時に行うため,各勢力の行動が終わるまで待たなくてもよい。拠点同士がつながってさえいれば移動に制限はない
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もし,戦いに勝利して領土を奪い取ったとしても油断してはいけない。領土が広がると,相手が攻め込んでくるルートも増えるので,防衛の難しさがあがっていくのだ。十分に戦力が育っていない状態で打って出ても,すぐに手痛いしっぺ返しを食らうことになるだろう。
そうならないためにも,プレイヤーは相手よりも効率よくルーンの騎士(以下,騎士)やモンスターを育成し,進軍ルートを考慮しつつ大陸制覇を目指す必要があるのだ。
拠点同士は道で接続されていて,隣接する拠点にのみ攻め込める。逆に攻め込まれる可能性もあるので,攻撃をする予定がない場合でも,隣接する拠点には戦力は残しておこう
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○領土の活用
先述の通り,本作においては拠点の数がそのまま国力になる。そして拠点には,騎士とモンスターで構成される部隊の駐留,部隊を構成するモンスターを追加/維持するためのマナの産出,マナを消費して行うモンスターの召喚という,大きく分け3つの役割が存在するのだ。
拠点の機能 |
マナの産出 |
1節ごとに拠点に設定されたマナを産出する。 |
部隊の駐留 |
拠点に部隊を配置する。配置した部隊は1節につき1回だけ「移動」「クエスト」「攻撃」のいずれかを実行できる。 |
モンスターの召喚 |
拠点に設定されたモンスターを召喚できる。召喚したモンスターのレベルは1 |
とくに重要と言えるのはマナの産出だ。モンスターは召喚時だけでなく,存在しているだけで1節ごとに維持マナを必要とする。維持マナを支払えなくなると戦闘時にモンスターの能力が大きく下がってしまうので,軍備を整える際にはマナの収支がマイナスにならないよう注意しておきたい,
召喚できるモンスターは拠点によって異なる。敵陣の拠点でしか召喚できないモンスターが必要な場合は,奪い取って自分の戦力の糧としよう
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マナの収支状況はいつでも確認できる。必要なときに戦力を補充できるように,常に一定量のマナを保有しておこう。また,次節予想収支マナが100を割り込んだら召喚を控えるのが賢明だ
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○クエスト
拠点に駐留している部隊は戦うだけでなく,クエストに派遣することで装備アイテムを入手できる。クエストと相性の良い騎士が率いる部隊であれば,一定確率で新たな騎士が戦列に加入してくれる。
強力な装備品が手に入ったら,前線に配置している騎士に装備させよう。全員に装備を行き渡らせるのは難しいので,戦闘が発生しやすい拠点に配備した騎士に装備させ,侵攻時には装備を入れ替えるのがオススメ
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どれほどモンスターを召喚しても,それを統率できる騎士がいなければ意味がない。広い領土を防衛するためには,必ず一定以上の騎士が必要になる。騎士が少なめの勢力でプレイする場合は,積極的に騎士の獲得を目指そう。
また,アイテムを探す通常のクエスト以外にも,“修練場”と呼ばれる経験値獲得に特化した特殊なクエストも存在する。通常のクエストは拠点によって内容が異なるが,修練場の機能はどの拠点でも同様なので,レベルの低い騎士やモンスターを育成する場として活用しよう。
レベルの高い騎士でクエストに出ると,新たな騎士と出会う確率が高くなる。ただし,そのために防衛戦力を削ってしまっては本末転倒なので要注意だ
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○ストーリー
新たな拠点を獲得すると,史書“ルーナジア戦記”の失われたページが復活することがある。
復活するページの中には,各勢力の勃興にまつわる物語から,今まさに前線で戦っている騎士たちの過去,そして騎士同士のつながりといった情報も含まれている。すべての拠点を制圧すればルーナジア戦記は完成し,プレイヤーはこの大陸の真の歴史を知ることになるのだ。
バトルは剣技と魔法が乱れ飛ぶ戦術シム。地形とZOCを活かして有利に戦いを進めよう
拠点を奪い合う戦闘では,事前に用意した騎士やモンスターをユニットとして動かして戦うことになる。ここからは,戦闘を構成する要素を紹介していこう。
○部隊の編成
マップ上で移動や拠点を奪い合うのは,1人の騎士と複数のモンスターで構成される“部隊”だ。最適な部隊を組み上げ,しっかりと育成を進めるのが勝利への近道となる。
ただし,騎士さえいれば自由にモンスターを配属できるわけではない。配備したモンスターの合計コストが,騎士ごとに設定された“統魔コスト”を超えてはいけないので,モンスターばかり大量に召喚しても意味はないのだ。
実際の戦場では部隊ごとにターンが巡り,騎士と配下のモンスターをまとめて動かすことになる。このとき,部隊を統率する騎士の“統魔範囲”からモンスターが外れると大幅なデバフが掛かるので,足並みを揃えて行軍するのも大切だ。
移動力に差があるモンスターをごちゃまぜで投入すると,高い移動力を活かすのが難しくなってしまう。特別な意図がない限り,同一の部隊に組み込むモンスターは特性を揃えてると運用しやすくなる。
騎士を中心とした赤い範囲内が統魔範囲。クラスによって範囲は変化するので,こちらも考慮した上で編成を行おう
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○騎士とモンスターの違い
統魔範囲から出なければ,戦闘面で騎士とモンスターに大きな違いはない。ただし,撃破されたときの処理は大きく異なるので覚えておこう。
まず,騎士が撃破された場合は配下のモンスターも一緒に撤退するため,まだ活動できるモンスターがいた場合は,総戦力が大幅に下がってしまう。序盤で騎士が撃破されると一気に劣勢になるので,レベルが低い騎士を連れてきている場合は気をつけて運用したい。
同じ部隊に所属するユニットには,部隊ごとに割り振られたアルファベットが表示されている。ターンは部隊ごとに回ってくるので,どのユニットがどの分隊に所属しているのかはしっかり確認しておこう
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逆に言うと,拠点への侵攻を行うときに敵の騎士を狙うのは良い戦略だ。やたら強力なモンスターを引き連れている騎士を見つけたら,モンスターを無視して騎士を集中攻撃してやろう。統率者を失ったモンスターは一定確率で仲間に加わるので,こちらの戦力強化につながるのも嬉しいポイントだ。
一方で,モンスターは戦場で撃破されると完全に消滅してしまう。後から召喚できるとはいえ育成には時間も掛かるので,体力が減ってきたらいったん後方に撤退させることも視野に入れて戦おう。
いくら補充が利くとはいえ,しっかり育成したモンスターを失うのはかなりの痛手だ。勝ったとしてもモンスターを失った状態では進軍を続けられないので,その後のことも考えて回復手段も用意しておくべきだろう
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○地形とZOC
ユニットはいずれも得意とする地形があり,該当する地形では移動力や命中率,回避率が向上するバフを受けられる。逆に苦手な地形ではデバフを受けるので,可能な限り自分の得意な地形に陣取りたい。
得意地形「空」は少し特殊で,あらゆる地形に関するバフ・デバフを受けない。移動面で有利だが,対空属性を持つ技で大ダメージを受けやすい
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また,同一の地形はひとかたまりに配置されていることが多く,戦闘が展開されるマップは拠点ごとに異なる。各拠点のマップは事前に確認できるので,防衛用の部隊は駐留している拠点の地形に,攻撃用の部隊は攻撃対象の拠点の地形に考慮した編成を心がけよう。
グスタファ神聖帝国のグリンズグラードは地形の大半が「山」に覆われており,「水上」は存在しない。得意地形「山」のモンスターをある程度揃えなければ苦戦は必至。逆に得意地形を活かせる編成をしておけば,かなり有利に立ち回れる
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自分を有利な地点に置き,相手を不利な地点に置いて攻撃するのが戦いの基本だが,“不利な場所”とは地形の話ばかりではない。騎士やモンスターの周囲には,踏み込んだ敵対ユニットを足止めする特殊なエリア「ZOC」(ゾーン・オブ・コントロール)が発生し,これを利用すれば敵軍の移動を制限できる。
後衛の支援役を攻撃から守ったり,移動可能な範囲を制限して敵を範囲攻撃に誘い込んだりと,ZOCの使い道は多種多様だ
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さらに,味方ユニットと味方のZOCで敵を完全に囲むと“包囲”状態が完成し,攻撃の命中率とクリティカル率が大幅に向上する。こちらの戦力が劣っている時や,レベルの高いユニットを手早く倒したい時は,いかに包囲を完成させられるかが勝利のカギとなるだろう。
敵の騎士が突出してきたら,包囲状態を作って素早く撃破しよう。移動力が高いモンスターや,得意地形「空」のモンスターを1体用意しておくと包囲を完成させやすい
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騎士とモンスターの成長が勝利のカギ。クラスチェンジを重ねて高みを目指せ
キャラクターは戦闘やクエスト(修練場)によって経験値を獲得してレベルが上昇していく。レベルが上がればステータスもそれに伴って上昇するが,ステータスの成長幅はユニットが所属しているクラスによって決まっている。
近接攻撃を主体とするファイター系のクラスであればSTRやHPが,魔法を扱うメイジ系のクラスはINTやMPが伸びやすい
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レベルが上昇するとき,騎士の場合は現在のクラスの“熟練度”も同時に上がっていく。そして,レベルや熟練度,指定されたステータスなどの条件を満たすと,別のクラスへのクラスチェンジが可能になる。
熟練度は0から5まで存在し,最大値に達したクラスのパッシブスキルはクラスチェンジ後も引き継いで使用できる。いろいろなクラスを経験すれば,どんどん能力を強化できるというわけだ。熟練度5の状態でも普通にレベルは上がるので,熟練度を得る機会を無駄にしないように注意したい。
クラスチェンジには「同系統内の上級クラスへの昇進」と「別系統クラスへの変更」の2種類がある。騎士ごとにクラスチェンジ可能な系統がある程度決まっているので,その騎士に合った育成計画を考えてあげよう
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ちなみに,モンスターにもクラスチェンジの概念は存在するが,騎士とは異なり別の系統への変更は行えない(熟練度の概念がない)。レベル10,レベル20でモンスターごとに設定された固有系統の上位クラスに昇進できるので,育成の目安として活用しよう。
クラスチェンジが可能になっても自動で上位クラスに移行するわけではないので,忘れずにクラスチェンジを済ませておこう
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自分より高レベルの相手を撃破すると,大量の経験値を入手できる。包囲状態を利用して敵の体力を削り,育成したいユニットに最後の一撃を譲ると効率的に経験値を得られる
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メインモードをクリアしても終わりじゃない。自由に設定を選べる「異説の章」(チャレンジモード)
最後に,本作のゲームモードとその違いについて触れておこう。
ゲーム開始前に選択できるのは,6勢力のいずれかを選択して遊ぶ通常の
「ルーナジア戦記」(メインモード)と,ルーナジア戦記をクリアした後に遊べる
「異説の章」(チャレンジモード)が存在する。
難度は「EASY」「NORMAL」「HARD」の3種類で,高難度になるほど敵AIの思考精度が高くなるだけでなく,ゲーム全体に時間制限が設けられる。育成に時間を掛けられる以上,素早い攻略を要求されるほど難しいというわけだ
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異説の章は,1人の君主と9人の騎士を自分で選択して戦う特殊なゲームモードだ。各国の騎士の特徴をよく理解しておく必要があるので,まずはルーナジア戦記をプレイし,より自由にゲームを遊びたいと感じたときに,異説の章での戦いを試してみよう。
「ブリガンダイン ルーナジア戦記」は,近年としては珍しいド直球の国取り合戦が楽しめる戦略シミュレーションゲームながら,ゲームシステムはかなりシンプルにまとまっており,初心者であっても国取りシムの醍醐味を味わえるはずだ。
もし本稿を読んで実際にゲームに触れてみたくなった人は,現在配信中の無料体験版をダウンロードして感触を確かめてみるのも良いだろう。本稿の情報が,新しいジャンルに挑戦するプレイヤーの助けになれば幸いだ。
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