インタビュー
「THE KING OF FIGHTERS XV」開発者インタビュー。アッシュやオロチチームなど意外とも言えるキャラたちの参戦経緯を聞いた
今回,SNKブースにて本作を試遊するとともに,チーフプロデューサーの小田泰之氏,ゲームディレクターの空中海人氏,クリエイティブディレクターのおぐらえいすけ氏(リモート参加)に会場で話を聞く機会を得た。アッシュやオロチチームなど意外とも言えるキャラたちが参戦した経緯など,ファンであれば気になる話を聞けたので,ぜひ読み進めてほしい。
また,昨日配信された「KOF XVスペシャルプログラム」でも,開発の3人が登場し,開発にまつわるさまざまな情報を発信していた。こちらもあわせてチェックしてほしい。
「THE KING OF FIGHTERS XV」公式サイト
目指したのはお祭り感と新鮮味のあるラインナップ
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。前作「KOF XIV」の発売が2016年の8月だったということで,実に5年ぶりのナンバリングタイトルとなりました。開発はいつ頃からスタートしていたのでしょうか。
小田泰之氏(以下,小田氏):
タイトルの発表自体は2019年のEvolutionでしましたが,そもそも本作は「KOF XIV」を開発している段階で制作することが決まっていました。ただ,開発がきちんとスタートしたのは「SAMURAI SPIRITS」の開発がひと段落ついた頃でしたね。
4Gamer:
タイトルの発表から丸2年ほど経過して,発売日が2022年2月17日に決まりました。開発自体は想定通りに進行したのでしょうか。
小田氏:
当初発売を予定していた時期からは延期になってしまいましたが,新しいスケジュールを組んでからは大きな問題は発生していません。2022年2月17日にはお手元に届けられる様に開発を進めておりますので楽しみにしていてください。
4Gamer:
KOFシリーズと言えば毎作,参戦キャラクターにも注目が集まります。今作ではアッシュやオロチチームといった意外とも言えるメンバーの復活がありました。キャラクターの選考基準を聞かせてください。
おぐらえいすけ氏(以下,おぐら氏):
前作のストーリー上でいろいろなキャラクターを復活させたこともあり,今作ではユーザーから要望が多かったキャラクターを再登場させたいと考えていました。
目指したのはお祭り感と新鮮味のあるラインナップで,歴代ナンバリングタイトルの主人公を揃えたり,三種の神器チームやオロチチームを参戦させたりすることでうまく実現できたかなと思っています。
4Gamer:
バラエティ溢れるキャラクター選出ということで,キャラクター同士の掛け合いも気になります。
空中海人氏(以下,空中氏):
もちろんオリジナルの掛け合いは今作でも用意しています。また,一部のチームにはデモも追加されています。
おぐら氏:
そのほかにも「ストーリーモード」のなかだけで特定のキャラクター同士の掛け合いが発生するといったネタも仕込んでいます。シリーズのファンにはぜひいろいろと探して楽しんでもらいたいですね。
4Gamer:
13チーム39人のキャラクターに加え,ダウンロードコンテンツで6人のキャラが登場するとのことですが,こちらはいつ頃の配信を予定しているのでしょうか。
小田氏:
未定ではありますが,発売までに配信時期についてはお知らせしたいとは考えています。また,DLCの6人がTEAM PASS1になりまして,その後もDLC開発を予定しています。
4Gamer:
本作のゲーム全体のコンセプトはどのようなものになるのでしょうか。
空中氏:
本作は「KOF XIV」の続編ということもあり,前作を遊んでいた方が違和感なくそのまま遊べるように開発しています。ストーリーでも前作からの主人公であるシュンエイが活躍するものになっています。
あとはKOFという大会らしさをアピールするために,前作で印象的だった大会進行役のクレメンス・ベラミーを再登場させています。
4Gamer:
ストーリーと言えば,前作のエンディングでアッシュ・クリムゾンがまさかの再登場を果たしました。今作ではプレイアブルとしても参戦するとのことですが,どのような経緯があったのでしょうか。
小田氏:
「KOF XIV」の開発時に「KOF XIII」を見直しまして,過去と現代の時空をつなげた膨大なエネルギーの重力波の影響などを想像するところからXIVのストーリーができています。現象発生時を起点に過去未来さまざまな事柄に影響を与えるのではないか? などいろんなことを考えました。
4Gamer:
そのおかげで本作で主人公が揃ったり,期待されていたチームが復活を遂げたりしたわけですね。
プレイヤーからの要望に応え,ロールバック方式を採用
4Gamer:
KOFシリーズでは新システムが対戦のキモになることが多いですが,今作の新システムについて詳しく聞かせてください。
空中氏:
まずガードポイント付きの攻撃を繰り出す“シャッターストライク”ですが,基本的にKOFシリーズは攻めが強いゲームなので,守りに使えるシステムとして新しく追加しました。ただ,守勢時にしか使えないというものではなく,ガードポイントを生かすことで攻めのアクセントとしても使えるようになっています。
4Gamer:
シャッターストライクはヒット時に腹崩れダウンを誘発しますが,使ってみた感触としてかなり強さを感じました。
空中氏:
そうですね。現在の試遊版では通常攻撃からキャンセルで繰り出した場合も腹崩れになり,追撃が可能となっています。このあたりは強くなりすぎないように,今後も調整を続けていきます。
4Gamer:
前作から仕様が変わった“マックスモード”についてはいかがでしょうか。
空中氏:
マックスモードは前作ではクイック発動からのコンボが主な使い方だったので,一辺倒にならないようゲージの消費量を1ゲージから2ゲージに増やしました。
また,前作ではニュートラル状態での発動があまり見られなかったこともあり,ニュートラル発動したときに攻撃力とガードクラッシュ値が上がるようにしました。マックスモード発動中はマックスゲージに応じてEX必殺技やシャッターストライクも出せるので,積極的にニュートラル発動を使ってみてほしいですね。
4Gamer:
0.5ゲージでいつでも使えるようになったEX必殺技は動きに大きな幅が出るようになったように感じました。
空中氏:
いつでも出せるので前作のEX必殺技より少し性能を落としているものもなかにはあります。そのあたりはうまくトレードオフで調整しています。
小田氏:
番組配信ではテリーのEXバーンナックルが猛威をふるっていましたね(笑)。
空中氏:
なかにはあのようなすごい性能のEX必殺技も用意してあります(笑)。
4Gamer:
今作からオンラインのネットコードにロールバック方式が採用されると聞きました。こちらはやはりプレイヤーからの要望が多かったのでしょうか。
空中氏:
その通りです。とくに海外の方からロールバック方式でお願いしますとの声が多かったですね。最近は新型コロナウイルスの影響もありオフラインで集まって対戦や大会を行うことが難しいので,グローバル展開も含めて考えると,ロールバック方式がマストになってくるのかなと思っています。
小田氏:
ネット環境が整ったプレイヤー同士の場合はディレイ方式のほうが優れているということもあるかと思います。ただ,遠方のプレイヤーとの対戦に関してはロールバック方式のほうが戦いやすくなるとは思います。
4Gamer:
SNKの作品ですと,「THE KING OF FIGHTERS 2002 UNLIMITED MATCH」でもロールバック方式が実装されました。こちら実装しての手ごたえはどうでしょうか。
小田氏:
ゲームのシステムによってロールバックさせやすかったり,させにくかったりというのがあるんですが,コンボシステムについては「KOF 02UM」は向いているように感じています。ただ,あまりゲームをロールバックに合わせてしまうとKOFらしさというのが失われてしまうので,「KOF XV」ではその調整に結構苦労してます。
4Gamer:
本作には新しい対戦形式としてプレイヤーがお互いにキャラを取り合う「ドラフトVS」が追加されました。これまでに類を見ない形式ですが,追加した意図を聞かせてください。
小田氏:
ドラフトVSはユーザーからの要望と言いますか,「KOF XIV」を配信している方がこういう対戦形式がほしいとおっしゃられていたと言伝に聞きまして,それは面白そうだということで実装しました。
また,本作の対戦モードには前作同様に6人がそれぞれ1キャラずつ使える「パーティVS」が実装されていますが,さらに1人が複数キャラを使用できる「代役機能」も追加することで,6人集まらなくても対戦を楽しめるようになりました。
4Gamer:
対戦以外にも1人で楽しめるコンテンツは用意されていますか。
空中氏:
前作に引き続き,「トライアルモード」を実装しているので一通りのコンボ練習はできるのかなと思います。また,KOFシリーズやSNKの名作から300曲以上が聞ける「DJ STATION」や,各種ムービーやキャラクターボイスを楽しめる「ギャラリーモード」もありますので,そちらも楽しんでもらいたいですね。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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