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[TGS 2019]エヴァンゲリオンの新作アプリ「EVABF」発表会。ゲーミングTOYと連動したオンライン対戦アクションに
EVABFはイニスジェイを筆頭に,モブキャストゲームス,タカラトミーアーツ,アスミック・エース,JUMOといった関係各社が集い,スマホゲームなどのプロジェクト推進を目的とする有限責任事業組合“エヴァンゲリオン バトルフィールズ製作委員会”が手がける作品である。
ゲームでは,2020年6月公開予定の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を含むシリーズ作品をモチーフに,エヴァを自身で動かして戦う,ネットワーク対戦型のアクションゲームを楽しめるという。
なお,本発表会ではゲーム内容の一部や制作面での意気込みなどが語られたPVも披露された。ここで披露されたものとは内容は異なるが,開発中の映像が公開されているので,合わせて確認してほしい。
会場では詳しいゲーム内容については語られなかったため,おそらく今後も調整されていくだろうと予想しつつ,あくまでPVからの個人的な見解と前置きしたうえで,バトルの駆け引きについてお届けしよう。
PVと壇上で見られたバトルでは,プレイヤーと相手プレイヤーが双方でエヴァンゲリオンを操作し,相手のHPを先に削り切ったほうが勝利となっていた(ポケットモンスターのようにチーム制で,複数体を操る可能性もありそうだが)。ルール自体はシンプルなものなのだろう。
システムはコマンド選択式で,各自に配られる「ハンドガン」や「オートキャノン」など3つのアイコンから,攻撃手段を選択する(これらがいわゆる装備や兵装などのカスタマイズ性に該当するのかは不明)。1度選択したアイコンは消滅してしまうが,すぐさまNEXT枠に表示されているアイコンが追加で手札に加えられるようだった。
そして,攻撃の際に考慮するのは「COSTゲージ」のようだ。これは0から100まで自動回復するアクションポイント,あるいは行動エネルギーといったもので,「ハンドガンなら攻撃力5でCOST30消費」「オートキャノンなら攻撃力10でCOST50消費」といった設定がなされていた。なお,それぞれの数値は仮のものなので実際の数値ではない。
つまるところ,攻撃手段のアイコンを選択し,攻撃手段ごとのコストを消費し,自動回復するCOSTゲージを見つつ,手数でいくか,威力を取るかなどのバトル方針を臨機応変に組み立てていくわけだ。ほかにも対戦中はシンクロ率などを表しているのであろう選択肢が提示され,その結果によって戦況を左右するようなギミックも存在していた。
これらは冒頭でも述べたように,あくまで映像を視聴しての推察であるが,ルールがシンプルで,しっかりとした駆け引きも存在して,さらにグラフィックスもかなりの高品質と,本発表会の時点では「ゲームとして間違うことはないだろう」といった印象を受けた。
ここからはプレス発表会の模様をお伝えしていこう。発表会では壇上にイニスジェイ チーフクリエイターであり,本作の総合プロデューサーを務める矢野慶一氏が登壇した。
矢野氏は本作を「原作の魅力を余すところなく完全再現する」ものとして開発してきたと語る。そのうえで「このゲームから始動する新たなエヴァの世界」もオフィシャルとして取り入れ,作中ではスーパーコンピュータ「MAGI」に関わる設定が明かされると,映像内で示唆していた。
本作では没入感を大事にするため,“スマホゲームとゲーミングTOY(ゲーム用おもちゃの意)の融合”を目指しているという。プレイヤーは初号機をかたどった「リードコントローラ」に指を挿入し,スマホ外でバトルの操作をするとのこと。スマホ単品で操作ができるのか否かは言及されなかったものの,当然あるものと考えたい。
また,コントローラの両脇には別売りの「ICチップ搭載フィギュア」を読み込ませられる領域が2か所あり,そこにキャラクターフィギュアを設置すると,ゲーム内でバフ/デバフ的な効果を得られるのだとか。
機能自体は任天堂のコンシューマゲーム機を連想するものだが,これをタイトル単位で導入するというのだから,エヴァンゲリオンという大型IPの存在を差し引いても,気合の入れようがうかがえる。もちろん,ゲーミングTOYをフルセットで用いて遊ぶ場合は,スマホゲームとしての携帯性は失われてしまうだろうが。
しかし,この試みで指摘するべきはそこではないし,ましてや成否を語るには早すぎる。「スマートフォンをゲーム機に見立てたこと」自体が,新たなチャレンジとして見るべきところだろう。
続いて製作委員会より,イニスジェイ 代表取締役の村越 隆氏,モブキャストゲームス 代表取締役の杉野範一氏,タカラトミーアーツ 代表取締役の宇佐美博之氏の3名が登壇した。
村越氏は本作について,5年前から温めていたものだと語った。当時,世界に通用するIPを用いたゲームを考えたとき,エヴァンゲリオンしかないだろうとなり,権利元のグラウンドワークスに頼みにいったそうだ。そうして生み出されたプロトタイプの出来をもって,本格的に開発がスタートしたとのこと。
なぜ製作委員会方式をとっているのかについては,同社が「ゲーム業界におけるデベロッパ」であり,モノを売ることが得意ではないと自覚していたためなのだとか。ならばと,各方面のプロフェッショナルにお願いしようと,まずはタカラトミー,さらにモブキャストゲームスなどとパートナーシップを連結していったのが始まりのようだ。
本作のパブリッシングを担当する杉野氏は,IPゲームではファンに喜んでもらうこと,そのうえで新しい裾野を広げていくことを大切にしていると語る。リードコントローラについても,スマホゲームとトイが融合する試み自体は新しいが,それぞれの分野で見ればいずれも市場が確立されていると指摘。ローンチ後はTOYが単なるグッズとして見られないよう,ゲームの遊び方レベルで融合していきたいとした。
当のゲーミングTOYを手がける宇佐美氏は,EVAというビッグIPの新プロジェクトに参加できることの喜びを口にする。そのうえで,同社はカプセルトイを中心に,単純計算でほぼ毎日新しいガチャ商品を作ってきたが,あくまでアナログな世界であるのは否めないとしつつ,それゆえに新たなチャンスを感じていると抱負を述べた。
矢野氏以外の3名が降壇したあと,壇上にEVAシリーズの著作権管理を行うグラウンドワークス 代表取締役の神村靖宏氏と,今回のスペシャルゲストである女優・創作あーちすとののんさんが姿を見せた。
グラウンドワークス 代表取締役の神村靖宏氏 |
女優・創作あーちすとののんさん |
のんさんがEVAのアニメを視聴したのは今年のことで,別の機会にあった仕事の関係だったという。そのときにアニメ版,劇場版,新劇場版と駆け抜け,こんな傑作を見ていなかったことを後悔したとし,神村氏に向かって「大感動させていただきました!」と感想を告げていた。
これに対し神村氏は,長く好きでいてくれるファンの存在はもちろんだが,最近になって見てくれた人がいるのは嬉しいと返答。アニメ版にしても「当時の若い人たちに届けたいメッセージ」であったから,今の若い世代に興味を持ってもらえることを大切に考えているようだ。
なお,のんさんは主人公のシンジに感情移入していたらしいが,最も印象的だったシーンは「使徒を食ってる」の場面だったらしい。
のんさんは普段,カジュアルなゲームアプリをやるくらいだというが,発表会前に本作で実機対戦をしたところ,「すごい楽しかった」とのこと。単純に,そこまでゲームが出来ていることにも安心できる。
神村氏もこれに続いて,CG感がないテクスチャと,アニメ的な動きのメリハリに驚いたと語る。ちなみに新劇場版の進捗については一言だけ。「スタジオカラーが魂を削って作ってます(笑)」としていた。
本発表会のレポートはここで終了とするが,TGS 2019会場内のイニスジェイブースでは,EVABFの初出し映像がシアター出展されている。この映像を見るには現地で配布される「EVABF VIPパス」(※数に限りあり)を手に入れる必要があるので,気になる人は覚えておこう(上映スケジュールなどの詳細は公式サイトで)。
また,同パスのデザインは「NERV(ネルフ)」「WILLE(ヴィレ)」の2種類があり,もらえるのはいずれか1枚となる。さらにこのパスの裏面には,ゲームローンチ後にゲーム内特典をもらえるシリアルコードが記載されている。もらった人はポケットの中にしまいっぱなしで忘れてしまわないよう,帰ってから大切に保管しておくといいだろう。
「エヴァンゲリオン バトルフィールズ」公式サイト
4Gamerの東京ゲームショウ2019特設サイト
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