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「ソウル」シリーズの生みの親・宮崎英高氏が「最も誇りに思っているボス」を語る。PS.Blogでフロム作品の振り返り企画を掲載
これらの作品は,何度も死を繰り返しながら攻略の糸口を探っていく「死にゲー」として多くのゲーマーを魅了しているだけではなく,他社作品にも大きな影響を与えている。
各作品に登場する印象的なボスについて語っているのは,PlayStation Studiosの開発者たちだ。彼らが所属しているのは,PlayStation VR2対応ソフト「Horizon Call of the Mountain」を開発しているFirespriteや,「Marvel's Spider-Man」や「ラチェット&クランク」シリーズを手掛けてきたインソムニアックゲームズ,「Marvel's Avengers」などの開発や移植を担当したNixxes Software,リメイク版「Demon’s Souls」を手掛けたBluepoint Games,「アンチャーテッド」シリーズを手掛けてきたノーティードッグ,「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズを手掛けてきたSIEサンタモニカスタジオ,「Days Gone」を手掛けたSIEベンドスタジオといった,ゲーム業界の一線で活躍しているところばかりだ。
「DARK SOULS」からは「竜狩りオーンスタインと処刑者スモウ」,「灰色の大狼シフ」,「騎士アルトリウス」,「DARK SOULS III」からは「冷たい谷の踊り子」や「無名の王」,「Bloodborne」からは「時計塔のマリア」や「聖剣のルドウイーク」,「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」からは「梟(義父)」や「獅子猿」,「まぼろしお蝶」といったボスがピックアップされており,それぞれの開発者がゲーマーと開発者の目線で語っている。
多くの開発者が評価しているのが,凝らされた演出の数々だ。例えば,「灰色の大狼シフ」は,瀕死の状態になると足を引きずるようになり,攻撃速度も遅くなる。それでも最期まで戦おうとする姿勢を止めないのは,「主人の墓を守っている」という理由があるからだ。この要素は,灰色の大狼シフを倒した達成感のほかに,深い哀れみを感じるようにできていると,Nixxes SoftwareのアニメーターであるTom Clercx氏は語っている。
また,「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」に登場する「獅子猿」は,一見,類人猿のような姿をしているが,首が切り落とされても動き出すおどろおどろしいボスだ。主人公が獅子猿の首の穴から巨大なムカデを引きずりだすことで,ボスの正体が明らかになる。それを説明文やカットシーンを用いずにビジュアルのみで描いているところを,ノーティードッグのストーリーリードを担当しているJoe Pettinati氏は高く評価している。
このように各作品のボス戦では,あらゆる演出がストーリーと密接にかかわっており,それが深みのあるゲーム体験を成立させていることがわかる。
英語版のPlayStation.Blogでは,これらの作品の生みの親であるフロム・ソフトウェア社長兼取締役の宮崎英高氏が,最も誇りに思っているボスである「Demon’s Souls」の「黄衣の翁」について語っている。「黄衣の翁」を操作しているのは,オンラインマルチプレイモードを介してやってきた敵対プレイヤーだ。そのため,攻撃パターンは存在せず,臨機応変な立ち回りが要求される。宮崎氏は,このボスを実装する際,周りから多くの反発を受けたが,それでもマルチプレイヤー要素を含め,ビジュアルデザインとゲームプレイの観点の両方から必要と判断したとのこと。しかし,黄衣の翁の実装は,非同期マルチプレイ要素と同様に複雑で,苦難を強いられたそうだ。その結果,これらの要素は多くのプレイヤーから高い評価を受けたので,宮崎氏の思い入れが深いのだろう。
どれもフロム・ソフトウェアのファンならついつい共感してしまうコメントばかりなので,早速チェックしてみよう。
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