2020年10月9日,AMDは,独自のオンラインイベントを行い,「
Zen 3」アーキテクチャを採用するデスクトップPC向け新型CPU「
Ryzen Desktop 5000」シリーズを2020年11月5日に発売すると発表した。
Ryzen 9 5900Xを披露するAMDのCEO,Lisa Su氏
![画像集#005のサムネイル/AMD,Zen 3ベースの新型CPU「Ryzen Desktop 5000」シリーズを発表。次世代GPU「Radeon RX 6000」もチラ見せ](/games/461/G046172/20201008139/TN/005.jpg) |
発表となったCPUのラインナップは以下の4製品で,最上位の「Ryzen 9 5950X」は,16コア32スレッド対応で最大動作クロックは4.9GHz,L2およびL3キャッシュ容量は72MBにも達して,TDP(Thermal Design Power,
熱設計消費電力)は105W,北米市場におけるメーカー想定売価は
799ドル(約8万4790円)前後であるという。
- Ryzen 9 5950X:16コア32スレッド対応,最大動作クロック4.9GHz,L2+L3キャッシュ容量72MB,TDP 105W,799ドル
- Ryzen 9 5900X:12コア24スレッド対応,定格動作クロック3.7GHz,最大動作クロック4.8GHz,L2+L3キャッシュ容量70MB,TDP 105W,549ドル
- Ryzen 7 5800X:8コア16スレッド対応,定格動作クロック3.8GHz,最大動作クロック4.7GHz,L2+L3キャッシュ容量36MB,TDP 105W,449ドル
- Ryzen 5 5600X:6コア12スレッド対応,定格動作クロック3.7GHz,最大動作クロック4.6GHz,L2+L3キャッシュ容量35MB,TDP 65W,299ドル
Ryzen 9 5950Xの主なスペック
![画像集#003のサムネイル/AMD,Zen 3ベースの新型CPU「Ryzen Desktop 5000」シリーズを発表。次世代GPU「Radeon RX 6000」もチラ見せ](/games/461/G046172/20201008139/TN/003.jpg) |
Ryzen Desktop 5000のラインナップ
![画像集#004のサムネイル/AMD,Zen 3ベースの新型CPU「Ryzen Desktop 5000」シリーズを発表。次世代GPU「Radeon RX 6000」もチラ見せ](/games/461/G046172/20201008139/TN/004.jpg) |
Zen 3アーキテクチャの概要についても説明が行われた。それによると,Zen 2はCPUコア4基と容量16MBのL3キャッシュを統合した「CPU Complex」(以下,CCX)を2基1セットとした「CPU Complex Die」(以下,CCD)を複数個組み合わせて1パッケージのCPUを構成していた。それに対してZen 3では,CCD構成ではなく,8基のCPUコアと容量32MBのL3キャッシュを統合した「Unified 8-Core Complex」を採用することで,CCXをまたがってアクセスすることで生じていたCPUコア間やL3キャッシュのアクセスによる遅延を低減しているのが特徴だ。
Zen 2(左)とZen 3(右)におけるCCXの違いを説明するAMDのCTOであるMark Papermaster氏。Zen 2は4基のCPUからなるCCX 2基で1個のCCDを構成していたが,Zen 3はCCX 1基で8基のCPUコアを統合している
![画像集#006のサムネイル/AMD,Zen 3ベースの新型CPU「Ryzen Desktop 5000」シリーズを発表。次世代GPU「Radeon RX 6000」もチラ見せ](/games/461/G046172/20201008139/TN/006.jpg) |
そのほかにも,Zen 3では整数演算および浮動小数点演算ユニットの拡張,分岐予測の改良,ロード/ストアユニットの改良などにより,前世代と比べてIPC( Instructions Per Clock,クロックあたりの命令実行数)を19%向上したのもポイントだ。
さまざまな改良により,IPCは19%も向上したという
![画像集#007のサムネイル/AMD,Zen 3ベースの新型CPU「Ryzen Desktop 5000」シリーズを発表。次世代GPU「Radeon RX 6000」もチラ見せ](/games/461/G046172/20201008139/TN/007.jpg) |
ゲームの実行性能を,Ryzen 9 5900XとZen 2世代のRyzen 9 3900XTで比較すると,「Battlefield V」では5%程度の差であるが,「League of Legends」になると50%も向上しているそうだ。
ゲームにおける性能を比較したグラフ。タイトルによって差があるものの,20%以上の性能向上を示すものが多い
![画像集#008のサムネイル/AMD,Zen 3ベースの新型CPU「Ryzen Desktop 5000」シリーズを発表。次世代GPU「Radeon RX 6000」もチラ見せ](/games/461/G046172/20201008139/TN/008.jpg) |
なお,AMDはイベントの最後で,開発中の新型GPU「
Radeon RX 6000」シリーズ搭載カードの実物と,性能の一端を披露した。
Radeon RX 6000搭載カードを披露するSu氏
![画像集#009のサムネイル/AMD,Zen 3ベースの新型CPU「Ryzen Desktop 5000」シリーズを発表。次世代GPU「Radeon RX 6000」もチラ見せ](/games/461/G046172/20201008139/TN/009.jpg) |
「Big Navi」とSu氏が呼ぶRadeon RX 6000は,4K解像度の「Borderlands 3」を60fps以上で表示できるほか,4K解像度の「Call of Duty: Modern Warfare」は88fps,「Gears 5」は73fpsで表示する性能を有するという。
Radeon RX 6000は,人気タイトルを4K解像度の60fpsで表示できる性能を有するそうだ
![画像集#011のサムネイル/AMD,Zen 3ベースの新型CPU「Ryzen Desktop 5000」シリーズを発表。次世代GPU「Radeon RX 6000」もチラ見せ](/games/461/G046172/20201008139/TN/011.jpg) |
Radeon RX 6000シリーズの詳細は,北米時間10月28日の行われるオンラインイベントで明らかとなる予定だ。