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クラウドゲームサービス「Google Stadia」,2023年1月18日のサービス終了を発表
A message about Stadia and our long term streaming strategy
2019年11月に登場した「Google Stadia」は,ゲームのグラフィックス処理などをサーバー側に任せることで,高速通信環境さえあれば,どのようなゲームでも楽しめるというサービスだ。動画や音楽の配信と同様,リビングルームのテレビや自室のPC,スマートフォン,タブレットなど,手元のハードウェアにかかわらずプレイが可能で,正式サービス開始時は,Googleという巨大IT企業のゲーム市場への本格参入とあって,大きく注目されていた。
Google Stadia部門の副社長兼ゼネラルマネージャーを務めるフィル・ハリソン(Phil Harrison)氏は発表の中で,「期待したほどのユーザーの支持を得られなかったため,Stadiaを終了するという難しい決断を下しました」とし,Google Storeで購入したハードやゲームソフト,すべての追加コンテンツについて,購入者に対する返金作業に入ると述べている。
そのうえでハリソン氏は,Google Stadiaで培われた技術は,YouTubeやGoogle Play,そしてAugmented Reality(AR)のサービスや開発に役立てる予定だとしている。
2022年2月21日に掲載した連載記事,「奥谷海人のAccess Accepted第714回:ゲーム市場で存在感をなくしつつある『Google Stadia』の現在」でもお伝えしたように,今後は,ゲームを含むさまざまなサービスをクラウド化しようとする事業者に対し,Googleの名前を使う必要のない「ホワイトレーベル」として,B2B向けに提供されていくのは間違いないだろう。
当初,日本展開も示唆されていたが,それもかなわないままサービス終了となった「Google Stadia」。Amazonの「Luna」やMicrosoftの「Xbox Cloud Gaming」,NVIDIAの「GeForce Now」,そしてSony Interactive Entertainmentの「PlayStation Now」などのクラウドゲームサービスに大きな影響を与えたのは確かだろう。今後もGoogleのゲーム事業は継続するとハリソン氏は述べているが,約3年での撤退は,ゲームビジネスの難しさを物語っているのかも知れない。
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