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「Google for Games Developer Summit 2021」で,クラウドゲームサービス“Stadia”に関する新たな施策が発表
「Stadia」公式サイト
「Stadia」は,Googleが2019年11月に開始したクラウドゲームサービスで,今のところ日本でのサービスは実施されていないものの,22か国で展開されており,日本のパブリッシャのタイトルも多く含まれている。プレイヤーの入力に対するゲーム側の処理をすべてサーバーで行い,結果をストリーミング配信するという仕組みで,オンラインでつながっていれば,手元のデバイスの性能に関わらずどのようなゲームでもプレイ可能。インストールやアップデートの手間もかからない。
公開された映像にはGoogle Business DevelopmentのCareen Yapp氏が登壇し,まず「Stadia」の現状を報告したのち,続いて「Stadia」のゲームを提供するパブリッシャ/デベロッパの収益化についての解説が行われた。月額課金のサブスクリプションサービスである「Stadia Pro」では,今月から収益の70%が開発側に還元されるという。収益は,ユーザーがアクセスした日数で測定され,1日に同じゲームを2回プレイしても,1日にカウントされるという。
また,リンクをクリックするだけにすぐにゲームが始められる「Stadia」の「Click‐to‐Play」機能を使い,ユーザーが無料トライアル期間からサブスクリプションに切り替えた場合,対象となったゲームに対して,ユーザー1人あたり10ドル(または同等の現地通貨)を支払うという施策も発表された。これは,上記の収益に追加する形で支払われ,2022年の導入が予定されている。
最後に,Stadia Storeでゲームを購入した場合,開発側の利益配分を85%にするインセンティブプログラムが発表されている。これは,2021年の10月1日にスタートし,2023年一杯まで続くという,かなり長期だが期間限定の施策だ。ただし,ゲームの総売上が300万ドル(約3億3000万円)に達した場合,従来の比率に戻されるという。これまでの利益配分の比率は明らかにされていないが,多くのメディアが70%としており,手数料が半額になったとも捉えられる。
Yapp氏は映像で「Stadia」向けタイトルの認定を簡素化することや,UnityやUnreal Engineといったゲームエンジンに対する従来以上のサポートなどを語り,より多くのパブリッシャ/デベロッパの「Stadia」への参加を呼びかけている。
2月2日に掲載した記事でお伝えしたように,社内スタジオである「Stadia Games & Entertainment」をわずか2年で閉鎖するなど,ゲーム市場への進出では苦戦している雰囲気のGoogle。「Stadia」の先行きも心配されていたものの,期間限定とはいえ収益配分の変更を打ち出すなど,今後も力を入れていく様子が感じられる。「Stadia」の日本での展開にも期待したい。
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