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「Ice Lake」の統合GPUで,ゲームはどの程度プレイできるのか。IntelがIris Plus Graphicsの性能を紹介
このイベントは,COMPUTEX TAIPEI 2019やIFA 2019といった海外イベントで同社が展示した技術デモを,日本国内で披露するもので,今回は開発コードネーム「Ice Lake」こと,ノートPC向け「第10世代Coreプロセッサ」搭載PCをはじめとする最新製品が披露されていた。本稿では,その中からゲーマーの興味を惹きそうな部分を紹介する。
Ice Lakeではゲームのフレームレートが最大1.8倍に向上
ノートPC向けの第10世代Coreプロセッサには,10nm製造プロセスを用いる開発コードネーム「Ice Lake」と,14nm製造プロセスによる開発コードネーム「Comet Lake」の2種類がある。このうちIce Lakeでは,Intelの定義で第11世代となる統合型グラフィックス機能(以下,iGPU)を搭載することが見どころの1つになっている。
Intelによると,第8世代Coreプロセッサに統合する第9世代iGPU「UHD Graphics 620」と比べて,第10世代Coreプロセッサの上位モデルに採用する「Iris Plus Graphics」では,ゲームにおけるフレームレートが最大1.8倍に向上したという。
ただし,Iris Plus GraphicsとUHD Graphics 620を比較したグラフを見ると,描画設定が「中」や「低」でも30fps前後のタイトルが多く,60fpsを超えるのは「Counter-Strike: Global Offensive」くらいだ。
イベント会場の展示エリアでは,CPUに「Core i7-1065G7」を搭載した薄型ノートPC「Razer Blade Stealth 13」(以下,Blade Stealth 13)の2019年後半モデルで,「Halo: Reach」が動作していた。
Core i7-1065G7は,iGPUにIris Plus Graphicsを統合して,TDP(Thermal
Halo: Reachの動作設定は,解像度が1920×1080ドット,描画設定プリセットを「Performance」に設定していたが,この状態でフレームレートは40台前後となっていた。FPSを本気でプレイするには少し物足りないといったところだ。
ゲーマーとしては,Iris Plus Graphicsに対して過度の期待を抱かずに,これまでの薄型ノートPCよりは,ゲームがプレイしやすくなったくらいの理解でいるといいだろう。
そのほかの展示エリアでは,2枚のディスプレイを備えたノートPCのプロトタイプであった「Honeycomb Glacier」や「Twin River」,常に利用可能なPCを目指す「Mohawk River」を展示していた。
Honeycomb Glacierは,キーボードの上にサブディスプレイを設けており,たとえばゲームでは,メインディスプレイに操作中の画面を,サブディスプレイにマップやアイテムなどの情報を表示するといった使い方が想定できる。
同じコンセプトを採用する,ASUSの「ZenBook Pro Duo」や,HPの「OMEN X 2S 15」も記憶に新しいところだ。
一方のTwin Riverは,2枚の液晶ディスプレイを折りたたんだようなプロトタイプとなる。デモでは電子書籍を表示していたが,サブディスプレイ側をスクリーンキーボードとして使うなど,アプリケーションごとに表示内容を柔軟に変えられるという。天面と底面にファブリックを用いており,PCらしくない手ざわりというところもユニークだ。
最後のMohawk Riverは,Intelが「ambient PC」と呼ぶコンセプトモデルで,ノートPCを閉じた状態でもユーザーが通知を確認できるなど,常時利用を指向したものとなる。展示機では,筐体の手前側に小さな液晶ディスプレイを備え,そこに通知を表示する機能を備えているそうだ。
Intelの日本語公式Webサイト
- 関連タイトル:
第10世代Core(Ice Lake,Comet Lake)
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