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Intel,Ice LakeことノートPC向け第10世代Coreプロセッサ計11製品のスペックを公開
発表となったのは,薄型ノートPC向けでTDP(Thermal Design Power,
発表となった11製品のスペックをまとめたのが表1と表2になる。
Core i7およびCore i5シリーズはいずれも,4コア8スレッド,Core i3シリーズは2コア4スレッドとなる。最上位の「Core i7-1068G7」のみTDPが28Wだが,ベースクロックが2.3GHz,ブーストクロックが最大4.1GHzと高く設定されているのがポイントだろう。
さて,第10世代Coreプロセッサは,10nm製造プロセスで本格的に量産される初めてのCPUで,マイクロアーキテクチャとして新たに開発された「Sunny Cove」(開発コードネーム)を採用する。Sunny Coveでは,Skylake世代のCPUコアと比べて,1クロックあたりに並列実行できる命令数(Instructions Per Clock,IPC)が平均18%向上したという。
さらに,機械学習の推論処理向けに提供される新命令セット「Intel Deep Learning Boost」(以下,DL Boost)に対応し,これを利用した場合,前世代の「Whiskey Lake」と比べて,2.5倍の性能を実現するそうだ。また,低消費電力時のAI処理を担うIntel GNAも実装されているという。
最近では,クライアント側でも画像処理や動画のアップスケーリング,音声におけるノイズ処理などで,機械学習の推論処理が活用されており,こうした分野で効果を発揮するとIntelは説明する。
第10世代Coreプロセッサにおける大きなポイントは,統合型グラフィックス機能(以下,iGPU)が,Intelの言う第11世代iGPUに刷新となったことだ。上位モデルのiGPUでは「Intel Iris Plus Graphics」(以下,Iris Plus),下位モデルでは「Intel UHD Graphics」といったように,異なるブランド名が付けられている。加えて,iGPU内の演算ユニットに相当する「Execution Units」(以下,EU)の数に応じて,製品名の末尾にG7,G4,G1とグレードを示す接尾辞が付くようになった。
基本的には,G7とG4がIris Plus,G1はUHD Graphicsといった区分けになっており,これまで製品名からは分かりにくかったiGPUのグレードが判別しやすくなったわけだ。
気になる性能であるが,第11世代のiGPUは,1TFLOP以上の演算性能を持ち,第9世代のiGPUと比べて,ゲームのフレームレートは約2倍になるという。COMPUTEX TAIPEI 2019では,Whiskey Lake世代のCore i7-8565Uや,競合製品であるRyzen 7 3700Uとの比較を紹介し,その性能をアピールしていた。(関連記事)
また,ゲーマー向けの機能としては,VESAのディスプレイ同期技術である「Adaptive-Sync」(≒FreeSync)や,Windows 10がサポートするシェーディング技術「Variable Rate Shading」(西川善司氏の解説)への対応もポイントといえよう。
iGPUに組み込まれたビデオエンジンも強化しており,「HEVC」(High Efficiency Video Coding,H.265)でのエンコードで,2倍の処理速度を実現するほか,色域規格の「BT.2020」をサポートするという。
インタフェース周りでは,CPU内にThunderbolt 3コントローラを統合し,最大4基のThunderbolt 3ポートをPC上に実装可能だ。さらに通信機能として,ノートPC向け第9世代Coreプロセッサと同様,Wi-Fi 6ことIEEE 802.11axに対応する。
Intelによると,第10世代Coreプロセッサを,今後12カ月の間にあらゆるセグメントに向けて投入するという。8月末には,ノートPCの中でも,より高いマルチスレッド性能が求められる製品分野と,法人向けノートPCを対象とするvPro製品について,詳細を告知すると予告している。
なお,第10世代Coreプロセッサ搭載の製品として,すでにDellの「XPS 13 2-in-1(7390)」がアナウンスされているが,2019年9月6日〜11日に,ドイツのベルリンで行われる大規模見本市「IFA 2019」では,さらに第10世代Coreプロセッサを採用した製品が登場するのではなかろうか。
Intel公式Webサイト
- 関連タイトル:
第10世代Core(Ice Lake,Comet Lake)
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