プレイレポート
「オーバーライド 巨大メカ大乱闘」プレイレポート。入り乱れての大乱闘や,みんなで1機のロボットを操作する協力プレイを楽しもう
本作は,アニメや特撮を思わせる巨大ロボットが多数登場し,街を壊しながら互いに戦うというタイトルで,日本のサブカルチャーからの影響が大きい,楽しい作品に仕上がっている。本稿ではそのプレイレポートをお届けしよう。
「オーバーライド 巨大メカ大乱闘」を手がけたのはブラジルのデベロッパであるThe Balance。ブラジル発のロボットゲームだが,メカのデザインには日本のサブカルチャーから大きな影響を受けている箇所が随所に見られるのが特徴である。
ロボットモノのゲームは,近年だといわゆる“リアル系”のロボットを操って戦争に身を投じるゲームが多い印象だが,本作はいわゆる“スーパー系”の巨大ロボットが活躍するアクションゲームだ。
街に襲来する敵の機体を蹴散らして地球の平和を守るモードや,大乱闘を繰り広げるマルチプレイモードなどが楽しめる。
巨大ロボットを操り,街を巻き込みつつ派手に戦え!
本作に登場するロボットはDLCで配信予定のものを含めると計16体にのぼる(12体+DLC4体)。ヒーロー然とした「ウォッチボット」や,魔法少女系ヒロインのようなデザインの「クリスタル」,怪獣っぽい「メタゲコン」,テレビとレトロゲーム機を組み合わせたような風貌の「ビンテージ」などいずれも個性的だ。
また,プレイ実績に応じて,見た目を変える「スキン」や,身体に装着できる「アクセサリー」が解除される。さらに,スキンの中には,クリスタルがセーラー服でパンをくわえた(!)姿になるものや,ロボットの頭を雪だるまにするものなど,ユーモラスなものが多い。いろいろと着飾ってみるといいだろう。
ロボットたちの攻撃はパンチやキックがメインで,[L1]で左パンチ,[R1]で右パンチ,[L2]で右キック,[R2]で左キックという独特の操作系を持つ。
基本的には接近戦が主体となるので,マルチプレイでの4人乱闘では自然と混戦気味になるが,勝利条件は最後まで生き残ること。真正面から堂々と戦うも良し,弱った相手を後ろから狙うも良しと,自分のプレイスタイルで生き残りを目指そう。
勝つためには,パンチやキックによる打撃だけでなく,打撃を防ぐ「ガード」や,ガードを無効化する溜め攻撃の「チャージアタック」など,さまざまなアクションを状況に応じて使い分ける必要がある。
ただ,アクションの大半が「ヒートメーター」を上昇させ,最大値に達するとオーバーヒート状態となり,冷却が終わるまで攻撃を繰り出せなくなってしまうため,無闇なラッシュは厳禁だ。相手がガードしているならチャージアタック,チャージアタックを溜めているなら素早く打撃を当てて中断させるといった具合に,相手の動きと自分のヒートメーターを見つつ,最適の行動を探っていきたい。
さらに,時間の経過に応じて溜まる「スキルゲージ」を消費すれば,特殊技の「スペシャルアタック」を使うことができる。スペシャルアタックは両手足にさまざまな技が割り振られており,各ロボットの個性を強調している。
例えば,弓を持つ「ヴィダー」の場合,右手の技が弓矢の射出で,左足の技が罠の設置となっている。相手の動きを罠で封じつつ,弓矢で狙い撃つことが可能だ。
そして,ロボットの耐久力が一定値以下になると,超必殺技の「アルティメットアタック」が使える。ウォッチボットはいかにも主人公メカっぽいビームを放ち,プロレスラーのような「ペスカード」は一定時間スピードとパワーがアップする。どのロボットも個性豊かで強力な効果を持つが戦闘中に使えるのは一度限りにつき,ここぞというときに使いたいところだ。
1人で遊べるモードはもちろん,4人でロボットを動かす変わったモードも
本作には1人で遊べる「アーケードモード」をはじめ,オンライン対戦やローカル対戦を楽しめる「マルチプレイモード」などさまざまな遊びが用意されている。
アーケードモードはストーリーを楽しみながら,世界中を転々とし,宇宙から襲来した怪生物「ゼノタイプ」や,乗っ取られてしまったほかのロボットたちと戦うというものだ。
1機で多数の敵を相手にすることが多いため,相手を分断するような戦い方や,広範囲を攻撃できる武器の確保,スペシャルアタックの使い所など,立ち回りが特に重要なモードだ。ステージのなかには特定の目標を守るものもあるため,普段と違った戦いが楽しめるだろう。
また,ステージをクリアすると,ロボットの能力を上げる「MOD」や,チューンナップに使う資金が入手可能だ。特にMODは“自動で耐久力を回復する”,“パンチやキックの威力を上げる”などロボットを大きくパワーアップしてくれるため,良いものを探していきたい。ストーリーでは,自分が選ばなかったほかのロボットのパイロットが登場し,ライバルになったり,友情を築いたりといった展開も用意されている。
マルチプレイモードは,4人での乱闘モードも遊べるが,最大4人で1体のロボットを操作するというかなり変わったモードも見逃せない。このモードは,2人だと「上半身」と「下半身」,3人だと「下半身」「ヘッド」「アーム」,4人だと「下半身」「ヘッド」「左アーム」「右アーム」に分担して操作していくのだ。詳しい役割分担は以下の通りだ。
●パイロット2人
上半身:パンチ,パンチスペシャル,ガード,カウンター,アルティメットアタック,カメラコントロール,敵のロックオン
下半身:キック,キックスペシャル,移動,ジャンプ,ダッシュ
●パイロット3人
下半身:キック,左キックスペシャル,移動,ジャンプ,ダッシュ
ヘッド:右キックスペシャル,ガード,カウンター,アルティメットアタック,カメラコントロール,敵のロックオン
アーム:パンチ,パンチスペシャル
●パイロット4人
下半身:キック,左キックスペシャル,移動,ジャンプ,ダッシュ
ヘッド:右キックスペシャル,ガード,カウンター,アルティメットアタック,カメラコントロール,敵のロックオン
左アーム:左パンチ,左パンチスペシャル
右アーム:右パンチ,右パンチスペシャル
筆者も4人でのプレイを体験したのだが,これがまた楽しい。
まず下半身の操作担当に相手に近づいてもらって,その後ヘッド担当に相手をカメラ内に収めてロックオンしてもらう。そして,状況に応じて左右アームの担当が攻撃する――相手に近寄って攻撃するだけでも,これだけの連携が必要になるのだ。
もちろん,攻撃だけではなく状況によってはガードを行い,ダッシュ,ジャンプで戦線離脱するということもやっていかなければいけないため,チームワークが非常に重要となる。
しかし,人間が4人も集まると,性格も思惑もバラバラになるのは言わずとも分かるだろう。“右アームの人が攻撃したいと主張するのに,下半身の人は逃げたがっている”,“左アームの人が武器を拾いたがっているのに,ヘッドの人が武器をカメラに収めてくれない”,“右アームの人と左アームの人が別々の敵を狙いたがっていて,どちらを優先すべきかで悩む”など,てんやわんやになることはしょっちゅうだ。
皆の歯車がいまいちかみ合わない,ぎこちないプレイがなんとも言えず面白く,こうしたロボット操作のアイデアがブラジルから出てきたというのもまた興味深い。オンラインはもちろん,1台のPS4に4台のコントローラを繋いでも良いため,ぜひ購入した人は友達と一緒にこのワイワイ感を味わってほしい。
本作は,個性豊かな巨大ロボットたちが大暴れする乱闘系ゲームであり,ガードやカウンターアタック,チャージアタックなど,状況や相手の動きに合わせての立ち回りが面白く,変わったマルチプレイモードも一度は体験するべきだと思うぐらいにユニークだ。
また,巨大ロボットたちのデザインに,いろいろな時代のマンガやアニメからの影響が見られるのも面白い。例えば,日本の怪獣っぽいフォルムをしたメタゲコンは,日本の歌舞伎のような見得を切り,日本のスーパー戦隊ロボのような大剣を振るう。スーパー戦隊ロボ+和のテイストという組み合わせは,すでに「侍戦隊シンケンジャー」などに存在しているが,ここに日本の象徴として怪獣をピックアップしてくるあたりは海外的なアイデアといえるだろう。
ウォッチボットは,顔は「トランスフォーマー」のコンボイ総司令,肩は「機動戦士ガンダム」のガンダムからの影響が見られる。アメリカで生まれた,人間的な“超ロボット生命体”の群像劇であるトランスフォーマーと,兵器ロボットの極北である日本製アニメのガンダムという,地域と方向性が違うアニメが一緒になっているあたりも面白い。
近年,日本ではロボットゲームやアニメが以前に比べて下火になっているが,そうしたなかで「オーバーライド」は,海外発の「ロボットの巨大感や乱闘の面白さ」をフィーチャーした珍しいタイトルと言えるだろう。スーパー系ロボットや特撮ロボットが好きな人なら楽しめる作品なので,興味のある人はプレイしてみてほしい。
「オーバーライド 巨大メカ大乱闘」公式サイト
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オーバーライド 巨大メカ大乱闘
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