プレイレポート
「Halo Infinite」序盤のキャンペーンミッションを先行プレイ。絶望的状況から希望を再建する“ヒーロー”のための広大な世界が待っている
※11月16日よりマルチプレイヤーベータ(基本プレイ無料)の配信が行われている(関連記事)
今回はMicrosoftの提供により,正式ローンチに先がけて序盤の4つのキャンペーンミッションを体験することができた。本稿では,そのプレイレポートをお届けする。序盤のストーリーや新要素に関する情報を含むため,ネタバレなしで本作をプレイしたいという人は注意してほしい。
一生モノのFPSに出会おう。FPSの傑作「Halo」シリーズが20周年なので,もっと多くのゲーマーに魅力を知ってほしい
本日(2021年11月15日),Xboxフランチャイズを代表するFPSシリーズ「Halo」の第1作が北米で発売されてから20周年を迎えた。この記念すべきタイミングに,何年も楽しむことのできる「Halo」の魅力をお伝えしたいと思う。
「Halo Infinite」テクニカルプレビューに参戦。より硬派に,より遊びやすく,懐かしくも新しいマルチプレイへ
日本時間2021年10月1日から4日にかけて,「Halo Infinite」のテクニカルプレビューが実施された。最新作のマルチプレイは,従来のシリーズ作品と何が違うのだろうか。プレビューのプレイフィールをお伝えしたい。
「Halo Infinite」公式サイト
絶体絶命のマスターチーフと新しい仲間たち
前作「Halo 5: Guardians」から約1年半後,UNSC(人類の国連宇宙司令部)の兵士,エコー216は一人で宇宙を彷徨っていた。UNSCの超大型空母インフィニティがバニッシュトに襲撃され,降下艇で脱出してきたようだ。バニッシュトとは,ブルートと呼ばれる種族を中心とする,コヴナントに反旗を翻した凶暴な戦闘集団である。
インフィニティは行方不明になり,周囲をスキャンしても殺された隊員しか見つからない。エコー216のひげや髪はすっかり伸びきって,大切な家族の姿を保存したホログラムの電池も切れてしまう。もはや,すべての希望が失われたように思えた。しかし,彼は同じくインフィニティでの戦いの後,気を失ったまま漂流していたマスターチーフを発見。マスターチーフを無事に蘇生できたエコー216は,喜びを爆発させる。
2人はバニッシュトの戦艦グブラーコンの妨害を切り抜けると,謎のメッセージの発信源を追って環状惑星ゼータヘイローに向かう。ゼータヘイローは銀河中の生命を消す力を持った大量破壊兵器,ヘイローのひとつである。バニッシュトはゼータヘイローを支配下に置き,それを起動しようとしているようだ。
目的地にたどり着くと,そこにはウェポンがいた。前作で反乱を起こしたAIのコルタナを封じるために,新たに作られたAIである。彼女は「コルタナは消去された」と告げる。しかし,その任務が成功すれば,ウェポンも消去される予定だった。
なぜウェポンはまだ生きているのか? 本当にコルタナは消去されたのか? その謎を探るために,そしてUNSCの生き残りと共にバニッシュトの野望を阻むために,マスターチーフとウェポン,エコー216はさらなる戦いへ身を投じる――。
従来のシリーズ作では,プレイヤーが知らない話を登場人物が当たり前のように理解していて,置いてけぼりな気持ちを味わったプレイヤーも少なくないと思う。今回は「マスターチーフが気絶していた間に,バニッシュトは何をしたのか?」という,登場人物も知らない謎を一緒に追う形式になっている。持っている知識が主人公と同じなので,より分かりやすく引き込まれていく。
謎を深めるような仕掛けも散りばめられ,ストーリーはミステリアスに仕上がっている。シリーズファンであれば思わずグッとくる,エモーショナルな演出も多いので期待してほしい。
ストーリーの盛り上げに欠かせない日本語吹き替えもバッチリで,日本語字幕にも目立つ不具合はない。マスターチーフのボイスは,前作と同じく小山力也さんが担当している。
「武器? これだけです」
「十分だ」
前述したエコー216との掛け合いの中では,頼もしいチーフ節を堪能することができた。「生き残りは俺たち2人だけかも」「なら,何とかなる」といったやりとりにも思わずニヤリとしてしまう。また,ウェポンの声優は初代から「Halo 3」までコルタナ役を務めた小池亜希子さんである。
※12月2日20:30。日本語吹き替え声優について確認がとれたため,追記しました
新しい仲間たちは,とても魅力的なキャラクターだ。キャンペーントレイラーで感情豊かな姿を見せたエコー216は,「パイロット」の名でファンに親しまれてきた。彼は勇敢で従順な兵士というより,家族を持つ1人の父親であり,等身大の人間といった印象が強い。英雄的かつ無謀なマスターチーフの行動に動揺したり,時として激昂したりする。これまでのシリーズでは見られなかったキャラクターだろう。
そしてウェポンとの会話は,初代「Halo」や「Halo 2」の頃を思い出させてくれる。コルタナとのユーモアに満ちた会話を想起させるのだ。新しい相棒はおしゃべりで,溌剌とした性格らしい。ウェポンが「ひどい匂い!」と言うと,マスターチーフは「鼻が,あるのか?」と返す。面白おかしい会話を聞いて,懐かしいような寂しいような気持ちになった。
広大な新天地はUNSCを再建し,ヒーローと一体化する舞台
本作の舞台となるゼータヘイローは,厳密に言えばオープンワールドではないのかもしれない。ゼータヘイローは複数のエリアに分断されていて,それぞれが宙に浮いているからである。エリア同士は限られた道だけで繋つながっているようだ。
エリアが分かれていると言っても,一つ一つのエリアはかなり広い。こんなに開放感のあるマップで「Halo」をプレイするなんて……と戸惑ったほどだ。360度全方位に広がる草原を自由に走れて,空に向かってそびえる高い丘もどんどん登っていける。神秘的な美しさを持つ惑星は,プレイヤーの冒険心を大いに刺激するだろう。
そんな冒険への渇望を満たす「発見」,すなわちアクティビティがゼータヘイローには散りばめられている。
アクティビティの一つが,UNSCの前線基地の奪還だ。バニッシュトを止めるためには,まずUNSCを立て直さなければならない。基地からバニッシュトを排除し,端末を通じてウェポンにアクセスさせることで取り戻せる。解放した基地ではビークルや武器を入手したり,UNSC隊員を展開したりできる。UNSC隊員はミッションをサポートしてくれるうえ,よく話しかけてくれるのでソロプレイでも寂しくない。
基地ではファストトラベルも可能だ。さらに,高機動を叶えるグラップルショットを常に携行でき(使用回数の制限もない),かなりの高所から落ちてもまったくダメージを受けない。フィールドが広くなっても,移動時のストレスが少なくなるように設計されている。スキャンすれば次に行くべき場所が分かるので,迷うこともないだろう。
基地奪還のほかにも,UNSC隊員の救助や,バニッシュトの前哨地制圧などのアクティビティが点在している。こうしたアクティビティやキャンペーンミッションは「英雄的な行動」とされ,達成すると「武勇(valor)ポイント」が溜まっていく。
武勇ポイントでは,基地で手に入る武器やビークル,隊員のバリエーションが増やせる。つまり,惑星を探索して英雄的な行動をすればするほど,ゲームを有利に進められるというわけだ。広大なフィールドと,「ヒーローになる」という体験がうまく融合したシステムと言える。
ゼータヘイローから危険を排除するには,「ターゲット」の殺害も欠かせない。ターゲットとは,各地にいるバニッシュトの重要人物である。いわゆる中ボス戦のような位置づけになっていて,敵の体力ゲージが表示されるのは新鮮だ。
基本的に体力ゲージは2種類あり,そのうちの1つは攻撃を与え続けないと復活してしまう。絶え間なく撃ち続けることが求められるため,通常より苛烈な,手に汗握る銃撃戦を楽しめる。
ターゲットを撃破すると,彼らが使っていたユニークウェポンを入手可能だ。ユニークウェポンは解放した基地で要請できるのだが,彼らがどのようにして悪名を馳せているのか……といったバックストーリーも細かく確認できて,なかなか興味深い。
戦闘面でも新要素が登場している。その一つが弾薬ケースだ。Haloシリーズは「敵の落とした武器や弾薬を拾いながら即興で戦う」というのがセオリーだったが,初心者には「すぐ弾切れする」という印象を与えることがあった。
弾薬ケースには「実体弾」「プラズマ」「電撃」「硬化ライト」「重火器」の5種類があり,それぞれに対応する武器の弾薬を入手できる。補充できる弾薬の種類が限られているため,弾切れの機会を抑えつつも,有り合わせの武器で戦う従来の楽しさを維持できていた。
また,マルチプレイにも登場する「装備」はアップグレードが可能だ。例えばグラップルショットをアップグレードすると,「電撃によるスタン」「強力な衝撃波」といった多彩な機能を追加できる。壁の向こうにいる敵が感知できる脅威センサーも,「探知半径+50%」などの追加機能により強化していけるようだ。
ちなみに装備は2つまで携行でき,状況に合わせて使い分けることになる。キャンペーンをプレイしたことで,グラップルショットは屋内で敵を撹乱したり,ジャッカルの盾を剥がしたりするのにも役立つことが分かった。一方,脅威センサーはアクティブカモフラージュを使用するエリートに対して,とくに有効だ。これからさらに試行錯誤を重ねて,装備の使い方を広げていく過程が楽しみになってきた。
そして,「コイル」は戦闘をとてもエキサイティングなものにしてくれる。コイルは派手に爆発するボックスであり,うまく敵にぶつけられれば一網打尽にできるほどの威力を持つ。コイルをグラップルショットで引き寄せ,敵を爆破した瞬間の爽快感は格別だ。下手すると自爆しかねないため,適度に緊張感があるところもいい。
フィールドには「いっぱい使ってください!」と言わんばかりのコイルが配置されているので,もったいぶる必要はない。思うがままに,ぶん投げていこう。
本作の収集要素は,ゼータヘイローの物語を彩る重要な存在だ。各地に点在している音声記録では,UNSCやバニッシュトを含むさまざまな登場人物のストーリーを知ることができる。キャンペーンの謎がさらに深まったり,ストーリーを補完してくれたりするアイテムだ。
さらに,「フォアランナーの遺物」も音声記録の一種として収集できる。環状惑星ヘイローを模した遺跡の数々を巡り,スキャンをすれば太古の記録が明らかになっていく。「惑星の神秘的な謎を解き明かしている」という壮大なスケールに心を掴まれるはずだ。
また,「スパルタンコア」と呼ばれる素材を集めると,装備のアップグレードに使用することができる。
「Halo」のまま,大いに進化を遂げたキャンペーンに期待
「Halo Infinite」のキャンペーンは,戦いの舞台を広大なフィールドへと移し,さまざまな新要素を導入している。しかし,その根幹にあるものは,これまでの「Halo」のそれと変わらないことを実感した。豊富なアクティビティは,マスターチーフがシリーズ作品を通じて体現してきた「ヒーロー」の姿に帰結する。
従来のシリーズ作と同じように,キャンペーンミッションだけを直線的にプレイすることもできるようだ。アクティビティは強制ではない。キャンペーンのボリュームが増えても,自分の好きなペースでプレイできるだろう。
戦闘でも新しいツールが追加されているが,「Halo」らしい絶妙なバランスは保たれている。個性的な武器を組み合わせて,あらゆる戦術を構築できる。そんな「Halo」の魅力が,さらに強く引き出されている。
謎を秘めたストーリー展開も,新キャラクターたちが織りなすドラマも,その続きが気になって仕方がない。12月9日のキャンペーン解禁を,十分に期待を高めながら待つことにしよう。
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