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ノートPC向けCPUも8コア&最大5GHzの時代に。IntelがノートPC向け第9世代Coreプロセッサを発表
新製品のラインナップと特徴について,簡単に説明してみたい。
なお,ノートPC用と同時に,デスクトップPC向け第9世代Coreプロセッサの新製品も同時に発表となっているが,これについては別記事で取り上げる予定だ。
ノートPC向けCPUもついに最大動作クロック5GHzに到達
まずは6製品のラインナップを紹介しよう。今回発表となった新GPUは,Core i9の名を冠する最上位モデルと,Core i7およびCore i5の名を冠する製品がそれぞれ2製品ずつとなっている。使用する製造プロセスについての説明はとくにないが,既存の製品で使われた14nmプロセスのいずれかであろう。
新製品のなかでも,表1にまとめたCore i9の2製品は,8コア16スレッド対応のCPUコアを採用しているのに加えて,第8世代Coreプロセッサで導入されたCPUコア温度ベースの自動クロックアップ機能「Thermal Velocity Boost Technology」に対応するのもポイントだ。
最上位モデルの「Core i9-9980HK」は,自動クロックアップ機能「Turbo Boost Technology 2.0」による最大クロックが5GHzに達するという,ノートPC向けとは思えないスペックを持つ。加えて,Core i9-9980HKは,今回発表となったCPUの中では唯一,動作クロック倍率のロックがない完全な倍率ロックフリーである点も注目すべきだろう。
ちなみにIntelは,ノートPC向け第8世代Coreプロセッサの最上位モデルである「Core i9-8950HK」と比べて,Core i9-9980HKではゲームのフレームレートが18%向上し,ゲーム録画のフレームレートは2.1倍向上するといった具合に,ゲーマー向けPCに適した高性能ぶりをアピールしてる。
ただ,Intelが挙げているこの例は,ハイエンドCPUを使うゲーマーならまず使うことがない統合型グラフィックス機能「UHD Graphics 630」を使った場合での比較なので,あまり参考にならないかもしれない。
一方,Core i7の2製品は6コア12スレッド対応,Core i5は4コア8スレッド対応となっている(表2)。
Core i7の上位モデルとなる「Core i7-9850H」の場合,Core i9-8950HKと同じコア数で,動作クロックを少し下げたようなスペックの製品だ。加えて,Core i7-9850Hは,“部分的に”動作クロック倍率をアンロックできるという。部分的というのがどういう意味なのか,正確なところは明らかになっていないのだが,ある程度はクロック倍率の変更ができるようではある。
プラットフォームとしての進化点は少ない第9世代Coreプロセッサ
CPUの進化だけでなく,PCとしての進化はどうなっているのだろうか。
次に示すスライドは,ノートPC向け第9世代Coreプロセッサ搭載PCにおける主な特徴をまとめたものだ。「New」と付いている項目が新要素であるが,CPU自体の変更点を除くと,実のところ,その多くはすでに発表済みのものばかりである。目新しいと言えるのは,メインメモリ容量が最大128GBに増えたことと,GPUとCPUの消費電力配分を工夫して,CPU性能の最大化を図る技術「Dynamic Tuning」に改良が加えられていることくらいだ。
Wi-Fi 6ことIEEE802.11axに対応して最大通信速度2.4Gbpsのスペックを有するIntel製無線LANモジュール「Wi-Fi 6 AX200」に対応している点は,Wi-Fi 6に対応するノートPCや無線LANルーターの普及につながると期待できる。
また,ノートPC向け第9世代Coreプロセッサは,Intel製の高速不揮発メモリを使ったディスクキャッシュ用高速ストレージ「Optane Memory H10」を組み合わせれば,ストレージの高速化技術である「Rapid Storage Technology」の新世代版に対応するのも特徴であるとのことだが,これもすでに発表済みだったりする。
通例どおりであれば,CPUの発表からそれほど間を置くことなく,PCメーカー各社から搭載PCが発表となるだろう。ゲーマー向けノートPCの性能を1段階上げるCPUとなりそうなので,今後登場するであろう新型ノートPCに期待したい。
Intel公式Webサイト
- 関連タイトル:
第9世代Core(Coffee Lake Refresh)
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