ニュース
「ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ」プレイレポート。懐かしのカントー地方を舞台に,ポケモンゲットの冒険を始めよう
今回は,両バージョンの序盤のマサラタウンからニビシティまでの道中を体験できたので,そのプレイレポートをお届けしよう。
「ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ」公式サイト
本作では,プレイヤーは駆け出しのポケモントレーナーとなって,マサラタウンから冒険に出る。ポケモン図鑑を完成させるため,そして一人前のトレーナーになるため,カントー地方を冒険していくのだ。これは20年前に発売された「ポケットモンスター ピカチュウ」をベースにした流れで,懐かしく感じる人も多いだろう。
ストーリー自体は当時のものをなぞっているものの,変更点も多くある。例えばライバルが別の少年になっており,性格もまったく違う。「ポケットモンスター ピカチュウ」では,ライバル心がむき出しのキャラクターとして描かれていたが,本作のライバルは優しい友人で,序盤は案内役として主人公をエスコートしてくれる好感が持てる人物だ。
また,主人公の相棒ポケモンがピカチュウまたはイーブイになる顛末も面白いので,ここは製品版で楽しみにしてもらえればと思う。
ちなみに「ポケモン Let's Go! ピカチュウ」と「ポケモン Let's Go! イーブイ」では,相棒となるポケモンのほか,出現するポケモンが一部異なっている。ピカチュウとイーブイはそれぞれ野生でも登場し,もちろん進化もするが,相棒はともに進化をせず,相棒わざを覚えてくれる。
本作がこれまでの「ポケットモンスター」シリーズと最も異なっているのは,野生のポケモンとの遭遇だ。本作では,野生のポケモンとの出会いがシンボルエンカウントとなり,さらにモンスターボールでポケモンを捕まえることに特化した内容となっているのだ。
草むらなどから現れたポケモンに主人公が接触すると,捕獲画面に切り替わってポケモンと向かい合う。これに対しプレイヤーは,Joy-Conを画面の円に向けて水平に構えて,コマンドの「かまえる」を選択する。その状態から,ボールを投げるようにJoy-Conを振ると画面にボールが飛んでいき,それがポケモンに当たるとゲットできるという仕組みだ。この感触は体感ゲームのようで,後述する「モンスターボール Plus」を使えば,臨場感もアップするだろう。
ポケモンゲットの判定については,ポケモンに向かって縮小していく円と,ボールを投げるタイミングやポイントが関係しているようだ。ボールが円の中心に当たるほど効果が高く,そのときの円の大きさによって「Nice!」「Great!!」「Excellent!!!」の3段階の評価が表示される。
つまり,野生のポケモンにできるのは「捕まえる」か「逃げる」の2つで,バトルが発生するわけではないのだが,捕まえた場合は,手持ちのポケモン全員に経験値が入るので,育成は行える。
ここまで読んでもらえば分かるとおり,このバトルシステムは「Pokémon GO」をベースにしている。操作に違いはあるものの,タイミングを計ったボールの投擲がゲットのカギだ。「Pokémon GO」はプレイしていても,従来の「ポケットモンスター」シリーズの経験はないという,現在では決して少なくないプレイヤーでも遊びやすい作りとなっている。
トレーナーやジムリーダー,そしてライバルとのバトルでは,手持ちのポケモン同士を戦わせるバトルが展開される。こちらは,互いの能力やポケモン同士の相性などを考えて,ポケモンの技を選んで戦わせる従来どおりのポケモンバトルで,野生のポケモン相手とは違ったプレイフィールを味わえる。
ゲームの操作は,Joy-Conの片方を持って片手のみで行える。面白いのは,プレイ中にもう一方のJoy-Conを“おすそわけ”すると,2人同時プレイが行えるということ。このときは隣に「サポートトレーナー」が現れて操作できるようになり,野生のポケモンとの遭遇時に同時にボールを投げる(当然,ボールは2個消費する)ことでゲットしやすくなったり,トレーナー相手のバトルに2人で挑んだりといったことも可能だ。あくまでサポート的な存在であり,家族や友達を手伝うというのが一般的なプレイスタイルとなるが,1人でJoy-Conを両手に持ってプレイするのも面白いかもしれない。
そしてもう1つ,携帯モードでのプレイ時には,ジャイロを使った操作が用意されている。Joy-Conが本体に収められた携帯モードで振るわけにはいかないので,このときは本体を前後左右に傾けてポケモンを画面の中心に捉え,ボタンを押すことでボールを投げるという流れだ。これはこれでまた新しい操作として面白いものだったが,電車の中などでは(とくに大人の場合は)ちょっとやりにくいかもしれない。
今回の試遊では,同時発売となるデバイス「モンスターボール Plus」も体験できたのだが,これがガジェット的にも非常に面白いものだった。
直径約4.8cmのモンスターボールを模したコントローラーで,ボールのボタンにあたる部分は,小さなジョイスティック(名称:スティック)になっている。その感触もふにゃふにゃした安っぽいものではなく,ストロークは短いながらもカチカチとしっかり入る手応えがあった。さらにこれはボタン(名称:スティックボタン)としての操作も可能で,押し込むことでゲーム中の[A]ボタンとして機能する。また上部の赤い部分には「トップボタン」があり,こちらは[B]ボタンの役目だ。ゲームではこのほか[Y]ボタンを使うことがあり,これには「モンスターボール Plus」を左右に振る操作が割り当てられていた。
内部にはジャイロセンサーと加速度センサーが入っているので,ポケモンゲット時の操作もJoy-Conと同じように扱える。「実際にモンスターボールを投げる」感は,もちろん「モンスターボール Plus」のほうが強い。放り投げてどこかにぶつけないように,ストラップに加えて指に着ける「サポートリング」も用意されているので,つい熱中してしまっても安心だ。
ちなみに,「モンスターボール Plus」でポケモンをゲットすると,「モンスターボール Plus」からそのポケモンの鳴き声が聞こえてくるのだが,「モンスターボール Plus」にスピーカーは搭載されていない。ではどうやって鳴き声を再生しているのかというと,振動モータによるものだそうだ。説明を聞いて,さらに鳴き声を実際に聞いても,「え,これスピーカーで再生してるんじゃないの!?」という感じである。
また,「おでかけ」の手順を踏むことで,「モンスターボール Plus」の中にポケモンを1匹入れて現実世界へと連れ出せる。中にポケモンが入った状態でボタンを押すと,スティック周囲のLEDがポケモンに応じた色に光り,さらに振ったりなでたりして愛でると,振動と声で反応してくれる。この状態で一緒に歩くことで経験値がもらえるという,「ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー」に付属した「ポケウォーカー」のような,ボーナス要素もある。
「モンスターボール Plus」の購入時には,中に通常のプレイでは手に入れることができない幻のポケモン「ミュウ」が入っている。そのままミュウを連れて歩いてもいいし,ミュウを引き取って,別のポケモンに入れ替えるのもOKだ。
「モンスターボール Plus」は,小さなボールの中に任天堂のハード開発技術がギュッと詰まっている感じがして,フィジェットトイのように,なんとなくカチカチと触っていたくなる衝動にかられる。コントローラーとしては,筆者の手にはちょっと小さい感じだったが,大きすぎると子供が持てないし,「モンスターボール Plus」は「Pokémon GO」の「Pokémon GO Plus」としても使えるので,持ちやすさを考えるとこれがベストなサイズなのだろう。このデバイスが将来的にどのような使われ方をするのかも含め,ぜひ手にしておきたいと思った。
本作は,野生のポケモン相手のバトルがなくなったため,ゲームの進行は全体的にかなりスムーズになっている。どちらかと言えば,「Pokémon GO」で初めて「ポケットモンスター」に触れた人への入口や,昔はプレイヤーだった親とその子供が一緒にプレイできるなど,これまでとはベクトルの異なるタイトルだと思う。
ただ,個人的には,忙しい大人にも向いているのではないかという印象を受けた。サクサクとポケモン集めとレベル上げをしながら,要所でトレーナー同士のバトルも楽しめるので,快適に懐かしいカントー地方の冒険をもう一度体験できるのだ。手軽さとガジェットの面白さという点で,これまでの「ポケットモンスター」シリーズにはなかった新しい魅力を持つ新作であり,ぜひ多くの人に遊んでみてもらいたい。
「ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ」公式サイト
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémon・モンスターボールは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。
- 関連タイトル:
ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ
- 関連タイトル:
ポケットモンスター Let's Go! イーブイ
- この記事のURL:
キーワード
(C)2018 Pokémon. (C)1995-2018 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
(C)2018 Pokémon. (C)1995-2018 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.