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Epic GamesがGoogleとの裁判で勝訴。Google Playのペイメントシステムは独占的であるという主張が認められる
この訴訟は,Epic Gamesがゲーム内で利用できる独自の決済手段となる「Epic ディレクトペイメント」を2020年8月に導入したことにより,「フォートナイト」がiOSデバイス向けアプリストア「App Store」および,GoogleのAndroidデバイス向けアプリストア「Google Play」から削除されるという出来事を発端とする。Epic Gamesが両者を相手取って独占禁止法違反に絡む訴訟を起こしたのだ。
Appleとの係争については,Apple側がデベロッパに対する販売手数料モデルを変更するなど(関連記事),いち早く是正をしたこともあり,2019年9月にはApple側に有利な主張で判決が下されている(関連記事)。
Googleとの裁判で異なるのは,今回は陪審員による判決であったという点だ。また,Epic GamesはGoogleと競合するために独自のアプリストアを構築することを検討していたほかの企業に対し,Googleが行った支払いを徹底的に調査していたという。Appleとは異なり,Googleは公式アプリストアを経由せずに,Androidオペレーティングシステムを搭載した携帯電話にアプリをダウンロードすることを許可しているが,同社は携帯電話メーカーとGoogleの公式アプリストアを優先する契約を結んでいる点でも,Appleとは根本的に異なる独占的なシステムになっていたと言える。
Epic Gamesは,公式ニュース(リンク。英語)を更新し,「今日の判決は,世界中のすべてのアプリ開発者と消費者にとって勝利となります。Googleアプリストアの慣行が違法であり,独占を悪用して法外な手数料を徴収し,競争を阻害し,イノベーションを減少させていることを証明しています」と声明を出している。続けて,「この訴訟で提示された証拠は,英国のデジタル市場・競争・消費者法案や英国のデジタル市場法など,現在進行中の有望な法案を含め,スマートフォンをめぐるAppleとGoogleの締め付けに対処する法律や規制が緊急に必要であることを示しています」とコメントしている。しかし,現時点では実際にEpic Gamesが何を勝ち取ったのかは今後の裁判の行方次第であり,Googleの対応を含めてゲーム産業にとっての新たなスタートになりそうだ。
なお,IT系ニュースメディアThe Verge(リンク。英語)によると,すでにGoogle側は追訴する構えであると伝えている。
Epic Games「Epic v Google Trial Verdict, a Win for All Developers」ニュースページ(英語)
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