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Epic GamesとAppleの裁判に判決。反トラスト法には抵触しないものの,App Storeの課金システムには改善の命令が出される
今回の裁判は,Epic Gamesによる独自の課金システム「Epic ディレクトペイメント」がApp Storeの規約に違反しているとして,2020年8月にAppleがApp Storeから「フォートナイト」を削除したことが発端となって始まったものだ。
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Epic Gamesが配信するバトルロイヤルゲーム「フォートナイト」が,App StoreとGoogle Playから削除されるという出来事が起きた。理由は,2020年8月13日にスタートしたEpic Games独自のモバイル向け決済手段「Epic ディレクトペイメント」にあるという。今週はその話題を紹介したい。
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米国時間2021年5月3日,Epic GamesがAppleを“反トラスト法に抵触している”として提訴した裁判のトライアルが始まった。ゲーム/IT業界内外で注目を浴びる法廷闘争だが,提出された資料にはEpic Gamesストアについての興味深い内容が含まれていた。今回は裁判の模様を伝えつつ,Epic Gamesストアの内情にも迫っていく。
判決の内容は「Appleの一連の行動は反トラスト法には該当しない」というもので,Epic Gamesには回避した手数料の一部を損害賠償金として支払うよう命じられた。
一方で,裁判ではAppleが提示する以外の課金方法を使用できないシステムの問題点も指摘されており,改善の命令が出されている。改善命令には90日の猶予が与えられ,それまでに間に異議申し立てがなければ施行されるとのこと。
この判決を受け,Epic GamesのCEOであるTim Sweeney氏はTwitterアカウントで「この判決は,デベロッパにとっても消費者にとっても勝利とは言い難い。Epicは10億人の消費者のため,アプリ内決済やストア間の公正な競争のために戦う」とコメントしている。
なお,議事録などの詳細な情報については,裁判が行われた米国カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所の公式サイトで確認できる。Today’s ruling isn't a win for developers or for consumers. Epic is fighting for fair competition among in-app payment methods and app stores for a billion consumers. https://t.co/cGTBxThnsP
— Tim Sweeney (@TimSweeneyEpic) September 10, 2021
米国カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所
公式サイト Epic Games, Inc. v. Apple Inc.(英語)
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