紹介記事
「Readyyy!」新章“T.O.P Idol SHOW!!”エピローグを公開。合宿をとおしてメンバーに与えられた試練,その真意とは――
アイドル18人との“今”を育むプロデュースプロジェクト「Readyyy!」の新章「T.O.P Idol SHOW!!」を,全4回に分けて掲載する企画のラストは,合宿を終えたメンバーの様子が垣間見えるエピローグをお届けする。「Readyyy!」ポータルサイト
新章「T.O.P Idol SHOW!!」は,2022年2月13日に開催予定の4周年Liveイベント「Readyyy! 4th Anniversary Live “Twinkle of Protostars”」に向けて展開される新ストーリーだ。
「FANBOX『Room 19』」で先行公開されている「Readyyy!」の新章「T.O.P Idol SHOW!!」を公開してきた本企画も,これが最終回となる。それぞれの合宿を終え,仕組まれていた試練に思うところのある彼らは,番組プロデューサーに真意を問うが……?
本ストーリーのプロローグはこちらを,「Team Iris編」「Team Shine編」「Tesm Flame編」は以下の記事を確認してもらいたい。
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※以下,メーカー公開文の内容をそのまま掲載しています
「T.O.P Idol SHOW!!」エピローグ
一同
「ただいまー!」
「だ〜〜、帰って来たー!
我が家〜〜〜!」
プロデューサー
「皆さん……! おかえりなさい」
「おかえり、みんな。
でもちょっとだけ、しーっな」
「すぅ……すぅ……」
「なーんだ、りくは夢の世界に旅行中か〜」
「ホテルで作った新作のオブジェ……
題して『針を落としたヤマアラシ』
せっかくプレゼントしようと思ったのに」
「……ホテル側に
迷惑をかけていないかだけが不安だな」
「ハハハ」
「……なんかあったんスね。その空笑い」
「ん……あ……」
「あ! 凛久、起こしちゃった?
ごめんね。おはよう。
みんな帰ってきたよ!」
「おかえり、りく」
「オマエら……
……ん、ただいま」
「おいおい、逆だろ。
寝ぼけてるのか?」
「寝ぼけてないし」
「あれじゃない?
Just 4Uに帰ってきて
ホッとしてる的なやつじゃん?」
「う、うるさいな……!
変な邪推するなよ!」
「すみません。うちの亜樹が」
「ほら、あっちゃん。
家族水入らずの邪魔しちゃめっ、でしょ」
「こっちにもパパとママ!?」
「……へへっ」
「よーし、オマエら!
特別に、この全世界の父
伊勢谷 全様がハグしてやんよ。
さあ、来い!」
蒼志・亜樹・淳之介
「……」
「なんでだよ! そこは来いよ!」
「いや、まず全世界の父って何!?」
「ふふっ」
「仕方ないなー。
はいはい、おつー」
「まあ、いいや。はい、お疲れ。
頑張ったよね! 今回、みんな」
「うん、そうだね」
「……なんだあれ。
終わった途端、すぐ騒がしくなるな」
「ははっ、そうだな。
でも、その方が落ち着く気がするよ」
「ゲン」
「お疲れ、雅楽。
ランキングの動画、毎日見てたよ」
「ああいう曲調も歌いこなせるなんて
やっぱり雅楽はさすがだな。次は俺も
英詞にチャレンジしてみるのも……」
「……おい、ゲン。木虎が言ってた
一日に何度も再生していた視聴者って
まさかオマエじゃないだろうな」
「えっ!?
いや、違う……と思う、けど……」
「そこはキッパリ否定しろ」
「ははっ、すまない」
「……ふんっ」
「ンだよ、どこもかしこも
久しぶりの再会です〜
みたいな顔しやがって」
「こちとら、せっかくの
シャッフルだったってのに
ずっとコイツと一緒だったんだぞ」
「……」
「宗像と碓井が、同じアイドル像を
目指しているようで、俺は安心したが?」
「……テメエな」
「そういうお前は、何故Irisを選んだ」
「単純だ」
「個を鍛えるという名目の合宿だったんだ。
全員で同じところを伸ばすよりも
別のベクトルで可能性を広げておいた方が
RayGlanZとしての幅も広がるだろう」
「……ふんっ、なるほどな」
「それに、RayGlanZという定食を注文して
運ばれた皿がすべて肉料理だと
いずれ飽きもくるからな」
「その点、箸休めのメニューは
いくらでも食べられる」
「へいへい、そうかよ」
「……なんでこう、うちの連中は
どいつもコイツも
かわいくねェヤツばっかなんだか」
「そうか?
こんなにも幅が不揃いの
レモンの輪切りを作れるやつもいるんだ。
まだ可愛げはあるさ」
「〜〜っ、テメっ、それ出すなや!」
「冷蔵庫にあれば気になるだろう」
「ああ、ひとりで首をかしげながら
キッチンに立っていると思ったら
そういうことだったのか」
「言うんじゃねェっ!!」
「だから、ごめんって〜〜!」
「……まったく。
使いづらいアイドルという印象がついたら
どうしてくれるんだ」
「だってさ〜……嫌じゃんかー。
梓が一生懸命頑張ってるのに
例え指示でも、サボるのなんて」
「まあ、たしかに奴のやり方は
賛同できたものじゃない。
気持ちはわからなくはないが……」
「今後はプロとして
きちんとスタッフに断りは入れろ」
「イエッサー!
あざます、佐門センセー!」
「あははっ。
やっぱいいな、SP!CAって」
「うん。僕もそう思う」
「しかし、まあ、なんだ。
改めて、よくやったな紺野。
あのメンバーでセンターは快挙だ」
「おめでとう、あずくん。本当に」
「ありがとう」
「4人のおかげだよ」
「何言ってんだよ。
梓が頑張ってきた成果だって」
「うん」
スタッフ
「では、皆さん。
そろそろ締めのシーン撮るんで
集合お願いしまーす」
木虎
「――さて。
これにて、『T.O.P Idol SHOW!!』
3チームすべての合宿が終わりました」
「まずは皆さん、お疲れさまです」
一同
「お疲れさまです!」
木虎
「それぞれに与えられた期間は
等しく1週間でしたが……
いかがでした? 長かったと思う人」
タクミ・亜樹・達真・凛久
「……」
木虎
「逆にあっという間だったなーと思う人」
佐門・比呂・全・千紘・弦心
「……」
木虎
「同じチームでも割れてるようですね。
皆さん、そう感じた理由は?」
「フツーに考えりゃ
パフォーマンスの完成度あげるのに
1週間って、短ェだろ」
「同じく俺も、短いと感じました。
悩んでいるだけで
時間が刻一刻と過ぎて行ったので」
木虎
「長かったと感じた人は?」
「碓井の言うことはもっともだけど……
やっぱり、キツかったのは否定できないし」
「……まあ、そうだな」
「気が休まらなかった、という点では
オレもこの1週間は長かった」
「でもさ、見られてるって思ったからこそ
ちゃんとしよう!って思えることも
多かった気がするんだよなー、オレ」
「たしかに、それはありますよね」
「オレたちTeam Shineは
ワイドショーもあったから
より、ファンのみんなとか視聴者さんと
繋がってる感があったっていうか」
「大変ではあったけど
それが力になるっていうのも
すごい感じた1週間だったかも」
「わかる。ライブの時にファンを前にすると
すげぇパワーもらえるけど
それと同じ感覚っていうのかな」
「裏でせっせと仕事をこなす感覚とは
違ったかもしれないな」
木虎
「まさしくそのとおり」
「今回のこの企画を通して、視聴者や
ファンの皆さんには『アイドルの仕事』を
見てもらうことができました」
「その"過程"と、過程を経た"成果"。
点と点が線で結ばれた時
アイドルとファンの皆さんの間の絆は
より強く結ばれる」
「それが合宿中に言ってた
俺たちはアイドルだから、ってやつか」
木虎
「ハイ」
「……飾り立てた苦労話で
同情や共感を誘うのには
少し違和感を覚えますけどね」
木虎
「まあ、価値観はそれぞれですから」
「――それから、いつもと違う環境の中で
課題を乗り越えた人もいれば
新しく課題を見つけた人もいるでしょう」
「キミたちは皆、ひとりのアイドル」
「その"ひとりのアイドル"が集まって
ユニットになる」
「今回の企画タイトルに絡めて言うなら
原始星……プロトスターが集まって
銀河のような大きな輝きになる。
……みたいなニュアンスですかね」
一同
「……」
木虎
「合宿が終わりユニットに帰ったとき
メンバーの顔を見て、どう思いました?」
「みんなたくましくなったでしょう」
「これまでは、デビューして間もない
アイドルとして、まわりがキミたちを
ここまで押し上げてくれましたが……」
「これから先
キミたちが目指すゴールドステージでは
もうそれは通用しない」
「広い意味で
進むも止まるも、キミたち次第」
「ゴールドステージは
そういうレベルの世界です」
一同
「――」
木虎
「それでは皆さん。明日からは
2月のライブに向けてリハが始まります」
「この合宿で学んだことを十分に活かし
いいステージを作ってください」
一同
「はい!」
スタッフ
「はい、カットー。
これで全行程終了です!」
木虎
「皆さん、改めてお疲れさまでした。
じゃあこれにて解散ってことで」
「どーぞ、思う存分
羽を伸ばしてくださいね〜」
「はぁ〜、やっとこれで
全部終わりか」
「囚われの身から開放された凛久は
まず一番に何するのー?」
「言い方……。中二病かよ」
「――ねえ、きとらさん」
木虎
「はい?」
「きとらさんが芸能界に見てる色って
一体どんな色?」
「……げ。
アイツまた、変な絡みして――」
「そうですね。
それは、俺も是非知りたいな」
「錦戸……?」
木虎
「なんですか? 藪から棒に」
「ほら、まずはキミたちも休んだらどうです?」
「このままじゃ休むに休めないので
伺っているんですよ」
「大義名分は十分理解しました。
おおかた納得もできる」
「ですが、それだけじゃないでしょう。
ここまで手の混んだ課題を課しておいて……
エンタメというには、度が過ぎる」
プロデューサー
「佐門さん……」
「え、なに?
なんかヤバい雰囲気?」
「……どうだろう」
「本当は何が目的ですか?」
「この"素材"を使って
Team Flameで折笠のランキングを
誘導した時のように、アイドルランキングも
誘導するつもりとか?」
「……あなたは一体、何者なんです」
木虎
「あれ、自己紹介の時に言ったの忘れました?
番組プロデューサーですって」
「ただまあ、そうですね。
補足するとすれば……」
「昔は、テレビ業界で作家をしてました」
「あ、木虎は作家名みたいなものなので
当時のことは調べても
わからないと思いますけどね」
「……」
木虎
「ここ数年はずっとアメリカで
向こうの会社が運営している
配信系のサービスに携わっててね〜」
「そうそう。
そこで出会ったんですよ」
「キミたち18人を集めた張本人
豪……」
「――愛江田 豪、と」
一同
「!?」
「……社長の息子か」
木虎
「そーですそーです」
「今回のこの企画。
実はカレの発案なんですよ」
「……は?」
木虎
「ワタシがここに来たのは
委託されたからに過ぎません」
「カレに言われたんです」
「皆さんの意識を
ゴールドステージレベルに
引き上げてほしい、って」
「それで”あの”課題か」
木虎
「はい」
「……Team Irisでは
大人がつくる"物語"を強いて」
「Team Shineでは
アイドル業と大事な何かを
天秤にかけさせる」
「そしてTeam Flameはわかりやすく
『ランキング』で争わせた、と」
木虎
「そのとおり」
「ただ、ことわっておきますが
Team Shineは当初
別の課題を考えていました」
「アンバサダーに絡めた課題……
香坂クン風に言えば
求められたキャラを演じること、かな」
「綾崎クンに酷を強いたのは謝ります。
けどこれも、アイドルを続ける上で
無視できないことであるのは
違いありません」
「それで、なんだ」
「ままごとのような疑似体験をさせて
耐性をつけておけとでも言うのか」
「もし従順になれと言うのが方針なら
コイツらとプロデューサーを連れて
次こそは本当に出ていくぞ」
木虎
「じゃあ安心ですね。
出て行かれることはなさそうで」
「?」
木虎
「カレも、現在のアイドル業界の仕組みを
良しとは思っていないんですよ」
一同
「……!」
木虎
「宗像クンの言うとおり
疑似体験で耐性をつけてほしいという意図は
たしかにあります」
「でもそれは
従順になれという意味じゃない」
「無防備にゴールドステージに挑んで
市場に食い荒らされ
跡形もなく消費されてほしくない」
「”それが当たり前”な世界に、無知のまま
飛び込んで知らずに毒されていくよりも
選択する意志と、善悪を考えられる
価値観を持っていてほしい」
「……それが真意ですよ」
プロデューサー
「……」
木虎
「あえてリアリティーショーとしてやったのも
もちろん意図があります」
「先程話したことにも通じますが……
ファンや視聴者は、本当の意味での
『アイドルの仕事』を知らない」
「通常キミたちの仕事は、すべてが終わり
完成したあとに世に出ますから」
「ファンの人の知らないところで
それぞれが重圧と戦いながら
懸命に向き合っている」
「何も知らなければ、なんの罪悪感もなく
簡単にキミたちの努力を消費できてしまう」
「でも、知ってもらえれば
一歩立ち止まって考える余白を生み出せる」
「……なるほど。
壮大なアンチテーゼか」
木虎
「どう取るかはお任せしますが……」
「豪は願ってるんですよ」
「キミたち18人がいつか
この業界に革命をもたらすような
アイドルになってくれることを」
一同
「!」
「革命……」
木虎
「じゃあ、ワタシはこれで失礼しますよ。
次の仕事があるんでね」
コツコツ、コツ…
「おい! ちょっと待てよ」
木虎
「えぇ〜、まだ何かあるんですか」
「そろそろ本当に時間が――……」
「難しいことはよくわかんねぇけどよ」
「なってんやんよ」
「革命でもなんでも起こせる
ビッグなアイドルに」
「だから、甘く見んな」
「――俺も!」
「まだ具体的にはわかんないけど……
でも俺も、自分の信じる『アイドル』を
貫いてみせます」
「メンバーと、仲間と一緒に」
「光希、全くん……」
「ま、もとより、エラぶってる連中の
言いなりになるつもりなんかねェしな」
「……まったく」
「移籍する事務所を
間違えていなくてよかった」
木虎
「ははっ。それはよかった」
バタンっ
タタタッ
プロデューサー
「あの、木虎さん……!
待ってください! さっきの話……」
木虎
「想像以上だったよ。
ディアプロのアイドルさんたち」
「ああ、それからアンタも」
プロデューサー
「え?」
木虎
「過保護な親心を振りかざして、彼らの成長に
無意識にストッパーをかけるようなら
“話し合い”が必要かと思ったけど……」
「ちゃんとプロデューサーとして
アイドルである彼らを育てる
気持ちと覚悟があることがわかった」
「……折笠クンへのパス。
あれはアンタにしかできない」
「彼らの一番の理解者であるキミが
傍にいてくれることが
彼らにとって何よりの拠り所になるよ」
プロデューサー
「……」
木虎
「なに固まってんの?」
プロデューサー
「あ、いえ。そんな風に言われるとは
思っていなかったので、少し驚いて」
木虎
「あ、そ。……それにしても
割と本気で仕掛けたはずだったんだけどな」
「なんなら、ここで立ち止まって
別の行き先を選択する子が出るのも
致し方ない、くらいにはね」
「あの子らはさ」
「――今ならまだ
どうにだってなれるから」
プロデューサー
「! ……今なら、まだ」
木虎
「そう。
でも、彼らは乗り越えてみせた」
「彼らの覚悟の方が、上回ってたみたいだ」
プロデューサー
「……」
木虎
「ああ、そうそう」
「合宿の最初の方にアンタ
大人が彼らを守らなくてどうする
って言ったよね」
「そのとおりだよ」
「でも、彼らを守れるのは”大人”じゃない」
「他の誰でもない、キミだよ」
プロデューサー
「あ……」
木虎
「彼らの覚悟、大事にしてあげて」
「じゃ、またライブの時に」
プロデューサー
「……」
「――はい。お疲れさまでした」
こうして『T.O.P Idol SHOW!!』は幕を閉じた。
18人とひとりが、様々な想いを抱えて。
それでも……いや、だからこそ
アイドルである彼らは、ステージに立つ。
来たる次のライブに向けて。
今日も明日も、輝きを追いながら――
END
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FANBOX
「Dear Production『Room 19』」
(C)SEGA