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AMD,「3D V-Cache」技術を採用した新型EPYC「Milan-X」を発表。「Zen 4」を用いた次世代CPUの概要も公開
本製品は,既存の「EPYC 7003」シリーズをベースとして,共有L3キャッシュの実装に独自の3Dチップレット技術「AMD 3D V-Cache」(以下,3D V-Cache)を採用したのが特徴だ。
3D V-Cacheは,AMDが「COMPUTEX 2021」で紹介した技術(関連記事)で,CPUダイの上にSRAMキャッシュを積層して,CPUダイとSRAMキャッシュを直接接続するというものだ。平面実装と比べて,キャッシュ容量やメモリバンド幅を増やせる一方で,レイテンシが抑えられるという。
Milan-Xは,従来製品と比べて約3倍の共有L3キャッシュを搭載可能で,L1キャッシュとL2キャッシュも含めた合計キャッシュ容量は804MBに達する。AMDによると,Milan-Xは従来比で平均約1.5倍の性能向上を実現したそうだ。
なお,AMDが2021年10月に公開した動画(関連リンク)では,Milan-Xと同時期の2022年第1四半期に3D V-Cacheを採用した次世代Ryzenが登場すると予告されている。
また,AMDは2022年に登場予定の「Zen 4」マイクロアーキテクチャを採用した次世代EPYC「Genoa」(開発コード名)の概要も公開した。第4世代EPYCは,TSMCの5nm製造プロセスを採用し,1ソケット当たり最大96コアを搭載するのに加えて,DDR5メモリやPCI Express 5.0への対応が行われる。
さらに2023年前半には,高密度データセンター向けを謳う「Bergamo」(開発コード名)も投入するという。Bergamoは,クラウドでのデータ処理に適したCPUコア「Zen 4c」を採用しており,1ソケット当たり最大128コアを実装できるとのこと。そのほかの特徴は,Genoaと共通だ。
このほかにも,AMDは,データーセンター向けGPU「Instinct MI200」を発表した。GPUアーキテクチャとして「CDNA 2」(Compute DNA 2)に採用したほか,1つのパッケージ上に2基のGPUダイを搭載することで,従来製品と比べて性能が大幅に向上したという。
AMD日本語公式Webサイト
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