プレイレポート
サンドボックスの自由度+アクションRPG的な楽しさで,初心者にも分かりやすい「ポータルナイツ」インプレッション
「ポータルナイツ」公式サイト
無数の浮遊島を渡り歩き,アイテムをクラフトしてパワーアップ!
舞台となるのは,大地が無数の浮遊島に分断されてしまった世界。プレイヤーはそんな世界を冒険する「ポータルナイツ」の一員となり,浮遊島の各地にある「ポータル」を起動させながら,次なる島へと進んでいくことになる。
ポータルナイツには「戦士」「弓使い」「魔法使い」という3つのクラスがあり,それぞれ「接近戦に長け,おたけびの技で能力をブーストする」「飛び道具による遠距離攻撃に適している」「高いMPで呪文を駆使できる」といった特徴がある。
しかし,作成したばかりのキャラクターはレベルが1で,最低限の装備しか持っていないうえ,得意の技・呪文も使えない状態だ。周囲の環境から素材を手に入れて,より強力な装備や,技・呪文を「クラフト」し,敵と戦ってレベルを上げていくのだ。
本作はSteamにてPC版が発売中だが,PS4への移植に当たってコントローラでの操作に最適化されている。アイテムはL1/R1ボタンで選択し,R2ボタンで使用,アイテム欄の左から1〜4番めにセットしたアイテムは方向キーの上下左右で直接選べるなど,操作性は良好だ。
本作の大きな魅力は,何と言ってもやはりクラフトだ。木を攻撃すれば丸太が,地面からは鉱石類,植物からは綿や果実といった素材類が手に入るので,これを「作業台」で加工して新たなアイテムを作り出す。武器や防具,回復薬やたいまつといった冒険の必需品から,戦いを有利にする技・呪文,そしてベッドやテーブルなどの家具まで,900種以上あるアイテムを作り出して冒険ライフを豊かにしていこう。
最初は木製の装備しか作れないものの,鉱石を「かまど」で製錬すれば,金属を使ったより強力な品が手に入るなど,クラフトはキャラクターのパワーアップに直結している。また,「魔法の祭だん」を作れば技・呪文のクラフトが可能になるので,能力アップや回復,召喚,遠距離攻撃など,バトルのバリエーションも広がる。
周囲の環境を整えたり,建物を作ったりするのも面白い。例えば,消耗しやすい素材を確保するために畑を作ってみるとしよう。
まず,「石ブロック」と「丸太」を組み合わせて「石のつるはし」を作り,段差ばかりの地面を平らにならしていく。さらに「クワ」を使って耕し,種を植えれば畑のできあがり。あとは時間経過で作物が育つのを待ち,収穫をするだけだ。「ヒーリングポーション(小)」の材料になる「ベリー」の種や,武器からつるはしまで,いろいろな用途に使う木の苗を植えれば,安定供給が図れるというわけだ。
また,土や石などのブロックを積み上げれば建物を作ることができる。クラフトに欠かせない作業台やアイテムを収納する「道具箱」,金属を加工できる「かまど」を置いて冒険の拠点にするもよし,クラフトした椅子や鏡台,敵を倒して手に入れた壁飾りなどで部屋をコーディネートするもよし……と自由に楽しめる。
自作の装備を携えてモンスターと戦うのも,本作の魅力の一つだ。戦いでは相手のモーションを見て,しっかり回避することが重要で,うまく回避を決めれば少ないダメージで倒すことができ,満足感もひとしおだ。
モンスターを倒すと経験値が手に入り,これが一定値に達するとレベルアップ。得られたポイントを「体力」「素早さ」「賢明さ」といった能力値に振り分けてパワーアップしていこう。
また,5レベルや10レベルに到達すると「スキル」が解禁される。MPを使って発動させる技・呪文と違い,こちらは常時効果を発揮するパッシブ型で,特定の武器の威力をアップさせたり,回復力を上げたりと効果はさまざま。スキルの付け替えは自由なので,状況に応じたスキルを選べば戦いを有利に運ぶことができる。このあたりは,アクションRPGならではの醍醐味といえる。
こうして少しずつキャラクターを強化しながら浮遊島を探索し,ポータルを見つけ出して起動することで,次の浮遊島へ移動できる。やがてボスのいる浮遊島にたどり着くので,ボスを撃破すれば次の「ワールド」へ進めるという仕組みだ。これを繰り返しながら,どんどん島を攻略していくのが,本作の大まかな流れとなる。
サンドボックスゲーム初心者でも分かりやすいゲームデザイン
本作はジャンル的には,大ブームとなった「Minecraft」と同系統のサンドボックスゲームだが,初心者でも取っつきやすいゲームデザインが特徴だ。
サンドボックスゲームは建築から冒険まで,何をしてもいいという自由度の高さがポイントだが,やれることが多すぎて,逆に戸惑ってしまう場合がある。しかし本作は,ステージクリア型のアクションゲームに近い構造になっており,アクションRPG要素がこれを彩っている。
それぞれの浮遊島がアクションゲームにおける1ステージというイメージで,これをクリアしてボスステージを目指して,ボスを倒すというのが,このゲームの大きな目標だ。その過程で,クラフトで装備を強化したり,経験値を稼いでレベルを上げたりといった小さな目標が提示されるため,迷うことなく遊べるのだ。
また浮遊島によっては,一定時間ごとに宝探しやモンスター討伐のイベントが起こったり,アイテムを売る店があったり,NPCがクエストを依頼してきたりするため,ゲーム展開にメリハリがある。
浮遊島は草原や砂漠,火山など,バリエーション豊かな環境が揃っており,草原では植物系,砂漠では鉱石系の素材が手に入りやすいなど,入手できる素材も異なる。クラフトしたい品のレシピに合わせて,あちこちの浮遊島を行き来するあたりは,「モンスターハンター」シリーズにおける素材集めの感覚にちょっと近いかもしれない。
1つの浮遊島の大きさも,ゲームスタート時の設定で「小さい」を選べば手頃なサイズになるため,広大な世界をさ迷い歩くようなことをしなくてもいい。スタート地点に戻ったり,別の浮遊島に移動したりといったファストトラベルが常時使えるのも,嬉しいところだ。
サンドボックスゲームでお馴染みのサバイバル要素も,いい意味でかなり薄め。いわゆる「空腹度」のパラメータがないので食糧確保に追われることはないし,夜になってもモンスターが無茶苦茶に凶暴化したりはしないため,拠点を建築しなくてもやり過ごせる(ただし,夜には強力な「ホロウナイト」が出現するので緊張感はある)。
建築に関しても取っつきやすい。浮遊島の中には廃墟となった建物があるので,最初はこれを修理して建築のコツをつかむといいだろう。また,回路や特殊なギミック系ブロックはないものの,さまざまな外見のブロックがあるので,見た目に凝った建物を作ることも可能となっている。
数あるサンドボックスゲームの中で,アクションRPG的な味付けや,分かりやすい目標設定などで,しっかりと差別化できている「ポータルナイツ」。これまで,サンドボックスゲームは難しそうだからと敬遠していた人や,アクションRPGファンにお勧めのゲームに仕上がっている。オンラインプレイでは最大4人,オフラインでは上下画面分割による2人同時プレイにも対応しているので,興味を持った人はぜひどうぞ。
「ポータルナイツ」公式サイト
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