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印刷2016/10/25 22:14

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セガ・インタラクティブの新たな事業戦略「マルチデバイス×ワンサービス」説明会詳報レポート

 セガ・インタラクティブは本日(2016年10月25日),同社の新たな事業戦略「マルチデバイス×ワンサービス」の説明会を東京都内で開催した。既報のとおり,これは同社のアーケードゲームのIPをさまざまなデバイスに最適化し,サービスやコンテンツとして展開するというものだ。本稿で具体的な内容をレポートしよう。


セガグループの人気アーケードゲームIPをスマホに最適化した形で展開


 発表会の第1部では,最初にセガ・インタラクティブ 代表取締役社長 CEO 杉野行雄氏より,マルチデバイス×ワンサービス戦略について説明された。それによると,本戦略はセガグループが掲げる「新しい感動体験を創造」というミッションのもと,同社のIPを軸に顧客との接点を拡大し,コンテンツの質や量を向上させることを目指しているという。具体的には,セガブランドのアーケードゲームIPをスマートフォン向けに最適化したコンテンツとして展開されていくということになる。
 なお本戦略は,いわゆる移植のようにさまざまなプラットフォームやデバイスで可能な限り同一のコンテンツを展開しようという従来の「1コンテンツ,マルチユース」戦略とは根本的に異なるものである。

セガ・インタラクティブ 代表取締役社長 CEO 杉野行雄氏
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 マルチデバイス×ワンサービス戦略の大きなポイントは,「アーケードゲームIP軸での顧客接点の最大化」「新しい連動サービス価値の提供」「ユーザーファーストを実現する開発体制」の3つとのこと。

 まずアーケードゲームIP軸での顧客接点の最大化では,あらゆるデバイスでIPを提供することにより,そのIPの持つ魅力や世界観などを,時間や場所を問わず体験できるようにする。
 またプレイヤーの嗜好やデバイスの特性に合わせてサービスを最適化することで,コンテンツの核となる面白さを最大限に引き出し,伝えていくという。

 新しい連動サービス価値の提供では,同社が15年以上にわたって運用してきたアーケードゲームとモバイルの連動サービスのノウハウを活用するそうだ。
 またアーケードゲームとスマホゲームの遊びを連動させることで,プレイヤーがゲームセンターに来店することを促進するO2O(Online to Offline)にも取り組む。

 そしてユーザーファーストを実現する開発体制とは,さまざまなデバイスで展開する同一IPのコンテンツの開発を,すべて同じチームが手がけるというもの。こうすることで,プレイヤーに受け入れられているゲームのコンセプトや面白さを阻害することなく,各デバイス向けコンテンツに追加すべきもの,削除すべきものなどを明確にできるという。
 また同社がこれまで蓄積してきたアーケードゲームのノウハウおよび開発資産を活かすことにより,開発効率の向上と開発予算の削減が見込めるとのことである。

会場では,すでに運用しているマルチデバイス×ワンサービスの事例として「セガNET麻雀 MJ」が紹介された。このタイトルの運営はこれまでセガゲームスが手がけていたが,今後はセガ・インタラクティブが担当するとのこと
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セガグループにおける今後のスマートフォンゲームの提供体制も示された
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 さらに杉野氏は,マルチデバイス×ワンサービス戦略で今後展開する具体的なスマホゲームとして「CODE OF JOKER Pocket」iOS / Android),「StarHorse Pocket」iOS / Android),「SOUL REVERSE ZERO」iOS / Android)の3タイトルを挙げた。それぞれについては後述する。

 今後展開するアーケードゲームタイトルでは,本戦略のもと積極的にマルチデバイス展開を検討していくという。これは,たとえばアーケード版とスマホ版を同時にリリースするといった意味ではなく,IPやコンテンツにもっとも適した形で取り組んでいくとのことである。

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 最後に杉野氏は,アーケードゲームはゲームセンターで遊ぶものであるため,人によっては時間や場所といった制約が生じていたが,このマルチデバイス×ワンサービス戦略により,より多くの人達にその世界観や面白さを提供できるのではないかと展望を語った。

 続いてセガゲームス 取締役 セガネットワークス カンパニー COO 岩城 農氏より,セガグループのスマホ戦略におけるマルチデバイス×ワンサービスの意義について説明された。

 まず岩城氏は,現在の国内スマホゲーム市場について,売上が伸びているにもかかわらずダウンロード数が停滞している──すなわち各タイトルが顧客の可処分時間の奪い合いをしている状況に陥っており,各社とも差別化を図るべくさまざまな手段を講じていることを指摘した。

セガゲームス 取締役 セガネットワークス カンパニー COO 岩城 農氏
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 そうした中,セガグループならではの強みとは何か。岩城氏は,ここ5年間でグループ内のすべての開発チームがFree-to-Playタイトルを手がけてきたこと,さまざまなプラットフォーム/デバイスに対応できること,マーケティングシステムを構築してきたこと,そしてそれらのビジネスを支援する専門部署が存在することなどを挙げた。

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 そうした強みをさらに活かすための戦略として,IPを軸としたマルチデバイス×ワンサービスは当然の帰結であると岩城氏は続ける。この戦略のもと,多様化した顧客のニーズに対応したコンテンツを提供することにより,セガグループのミッションである「新しい感動体験を創造」を実現したいと語った。

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第1弾として提供されるIPは「CODE OF JOKER」「StarHorse」「SOUL REVERSE」


 第2部では,マルチデバイス×ワンサービス戦略によって提供されるスマホゲーム3タイトルの紹介が,それぞれのプロデューサーによって行われた。

 「CODE OF JOKER Pocket」を紹介したのは,セガ・インタラクティブ 第1研究開発本部 本部長 西山泰弘氏。西山氏によると本作は,人気アーケードTCG「CODE OF JOKER」のスマホゲーム版で,「ガチバトル」に徹底的にこだわっているとのこと。具体的にはアーケード版と同じく,対戦相手の存在や,自分が今ランキングのどの位置にいるのかといったことを常に意識させるべく,企画開発を進めているという。

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セガ・インタラクティブ 第1研究開発本部 本部長 西山泰弘氏
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 またデジタルであることの強みを活かす,あるいはほかのTCGベースのスマホゲームとの差別化を図るために,本作では相手の攻撃をブロックしたり,同じカードをドローした場合にパラメータが強化されたりといった独自の要素を導入している。

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 さらにフレンドや対戦相手のデッキをワンタッチでコピーすることもできる。もちろん自分が所持していないカードはブランクになってしまうのだが,そのカードの入手方法が示されるといったフォローも用意されるとのこと。
 またゲーム内でほかのプレイヤーのリプレイ動画を確認できるので,強豪プレイヤーがどういった戦術を駆使しているのかチェックすることも可能だ。

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 西山氏は,対戦ゲームでは人と人とのつながりが重要であるとし,こうしたプレイヤー同士の情報交換の場の一つとして,アーケード版の設置してあるゲームセンターを利用してもらえれば,と展望を述べていた。

「CODE OF JOKER Pocket」およびアーケード版の直近の展開や連動要素も紹介された
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「CODE OF JOKER Pocket」には,「チェインクロニクル」iOS / Android)などを手がけたセガ・インタラクティブの新小田裕二氏(写真左)が開発プロデューサーとして起用されるとのこと
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 「StarHorse Pocket」を紹介したのは,セガ・インタラクティブ 第一研究開発本部 プロデューサー 佐藤直行氏。「StarHorse」シリーズはこれまで16年以上にわたってゲームセンターで展開している,競馬を題材にしたメダルゲームで,「StarHorse Pocket」はそれをスマホゲーム化したものだ。

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セガ・インタラクティブ 第一研究開発本部 プロデューサー 佐藤直行氏
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 「StarHorse Pocket」のセールスポイントは,まずアーケード版のハイクオリティなグラフィックスをほぼそのまま楽しめる点だ。それどころかスマホゲーム化にあたり,新たにモーションを見直したことによって,出来が向上している部分もあるという。

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 またアーケード版同様,アナウンサーの杉本 清氏による実況も再現。さらに音声合成システムを採用し,プレイヤーが名付けた馬名を自然に読み上げ,「あなたの馬が勝ちました!」といったように,「あなた」(プレイヤー)を主語とする実況を実現している。

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 本作ではリアルの競馬のように馬券を購入して馬にベットし,その結果得た資金(メダル)をもとに愛馬を育成していく。馬券はマークシート方式となっており,直感的にベットできるようになっている。

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スマホ版ならではの要素として,プレイヤーをサポートする「秘書」が登場。彼女達のイラストは,人気イラストレーターが手がけているとのことで,詳細は10月27日にあらためて公開される予定
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 もちろんアーケード版との連動も予定されている。まだ検討中とのことだが,「StarHorse Pocket」で育成した馬をアーケード版で走らせたり,ゲームセンターで本作にログインするとログインボーナスが倍になったりといった案が検討されているという。

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「StarHorse Pocket」の直近の展開
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 最後に「SOUL REVERSE ZERO」が,セガ・インタラクティブ 第二研究開発本部 プロデューサー 平井徳一氏によって紹介された。基本的には先日開催された発表会と同様の内容だったので,興味のある人はぜひそちらを参照してほしい。

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セガ・インタラクティブ 第二研究開発本部 プロデューサー 平井徳一氏
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 そして平井氏からは,既報のとおり,「SOUL REVERSE」シリーズ第2弾となるアーケードゲーム「SOUL REVERSE」の発表も行われた。具体的な内容は近日公開とのことだが,世界観や設定などは「SOUL REVERSE ZERO」と共通であるものの,ゲームとしてはまったく異なるとのこと。

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 今回紹介されたマルチデバイス×ワンサービス戦略および「CODE OF JOKER Pocket」「StarHorse Pocket」「SOUL REVERSE ZERO」に関する情報は,これから順次公開されるとのことだ。続報に期待してほしい。

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