インタビュー
[TGS 2016]主役は戦国武将ではなく“俺たち”だ。最大100人によるリアルタイム合戦が目玉の「信長の野望 〜俺たちの戦国〜」インタビュー
東京ゲームショウ2016の2日目(9月16日),同作のプロデューサーを務める藤重和博氏にインタビューする機会を得た。本作のコンセプトや開発の進捗,見どころなどについてアレコレ教えてもらったので,その内容をさっそくお届けしよう。
信長の野望シリーズに新しい風
主役は武将から“俺たち”へ
4Gamer:
本日はよろしくお願いいたします。まずは本作における現在の開発進行度からお聞かせください。
藤重和博氏 |
90%前後といったところでしょうか。開発はほぼ完了していて,今は細部のブラッシュアップを行っているところです。
4Gamer:
開発がスタートしたのはいつ頃なんでしょうか。
藤重氏:
去年の6月くらいからですね。
4Gamer:
開発が一段落した今の心境はいかがでしょうか。
藤重氏:
開発の開始から1年ちょっと経ちましたが,皆様にタイトルを紹介できるような段階になったことが素直に嬉しいですね。
本作最大の特徴は,最大100人で楽しめる大規模合戦にありますが,技術的にそれを実現できるのか分からない状態がしばらく続いていたんです。そのめどがようやく立ち,つい先日クローズドβテストを実施できてホッとしています。
4Gamer:
最大100人(50対50)による合戦は,始めから実現させるつもりで企画を立ち上げたんでしょうか。
藤重氏:
はい。50対50の大規模合戦が企画の核でした。対戦や協力プレイというと,スマートフォン向けゲームでは4対4前後の規模感が一般的ですが,50対50となると,我々としてもお客様に提供したことがないですし,これを実現できればひと味違った遊びが提供できるのではないかと当初から考えていました。
4Gamer:
信長の野望シリーズといえば,戦国武将が主役というのが基本ですが,今作では主役がプレイヤーへと変わっていますよね。
藤重氏:
シブサワ・コウブランドの「信長の野望」は,「織田信長が本能寺の変で死なず,生き延びていたとしたら,歴史はどう変わっていったんだろう」というような,歴史ifをシミュレートできるゲームがあれば面白いのではないか,というアイデアがコンセプトになっています。
そうして生まれた信長の野望シリーズは,本編だけで14作品がリリースされていますが,同シリーズを歴史エンターテイメントという枠で見た場合,戦略,戦術,武将などさまざまな切り口がありますよね。
そういった切り口の中から,今回は合戦をフィーチャーし,それを最大100人で盛り上がれる,戦国時代をみんなで楽しめるような形にしていきました。
4Gamer:
ある意味,「もし俺たちが戦国武将なら……」というところがコンセプトなんですかね。
そういうことです。なのでサブタイトルに「俺たち」と入っているわけですね。
「信長の野望」の熱心なファンは,戦国時代に対するさまざまな想いをお持ちだと思うのですが,今回はその想いを,合戦の中でぶつけ合っていただきたいですね。
まぁ,サブタイトルの決定までには紆余曲折がありましたが……。ゼネラルプロデューサーのシブサワ・コウも,「本当にこれでいっちゃっていいのかな? 大丈夫?」と若干迷っていたところがあったようなのですが,最終的には新しい感じ,コーエーテクモゲームスらしくない感じが評価を得て,今に至ります。
4Gamer:
ゲームシステムに関してもお聞かせください。今作におけるプレイヤーは,戦国武将の誰かに仕えるという形になるんでしょうか。
藤重氏:
そうですね。基本は大名家に使える一領主として,戦国時代で活躍することになります。
4Gamer:
ソロプレイで楽しめる要素として「内政」も魅力的ですが,メインの合戦には具体的にどういう感じで絡んでいるんでしょうか。
藤重氏:
合戦に出るまでは,自分が領主として内政を行い,施設をレベルアップさせて収入を増やしたり,部隊の戦力を底上げしたりする必要があります。そういうところは1人でも十分楽しめるでしょうし,ゲームにはストーリーやクエストも用意しているので,やれることは多岐にわたります。
そして最終的には,それまでのプレイの集大成として,合戦で力試しをしてもらえれば,ゲームをより深く,楽しく遊べるのではないかと考えています。
4Gamer:
合戦で領土を勝ち取ることで大名に貢献できるということは,なんとなく想像できます。では内政のほうでも,大名の役に立てることがあるんでしょうか。
藤重氏:
内政で城下町を発展させることで,建設された施設からアイテムを入手したり,部隊の能力を底上げできたりします。また,「クエスト」モードもあり,こちらを攻略することで,自分の所属する勢力に好影響を与えることができる。それが国盗りの前哨戦みたいなステージです。
4Gamer:
開発として「ここに注目してほしい」という部分を教えてください。
藤重氏:
やはり「信長の野望」らしいしっかりとした世界観を体感できるところですね。
歴史シミュレーションゲームや戦国時代の熱心なファンでない方に対しては,最大100人で戦う大規模合戦が,みんなでワイワイガヤガヤ楽しめる,新しい遊びとしてアピールできますので,ぜひご体験いただきたいですね。
4Gamer:
ちなみに,「天下統一」は謳い文句ではなく,本当にゲーム内で実現できてしまうんでしょうか。
藤重氏:
天下統一は……できたりできなかったりですかね。そこは皆さんの行動次第です。ゲームは,一定期間を1シーズンとして,シーズンごとに細かな設定を変えようと考えていますので,限られた期間の中で自分だけの歴史を作っていってほしいです。
4Gamer:
シーズンが変わるときに,キャラクターデータはリセットされるのでしょうか。
藤重氏:
データのリセットは行いません。引き続きデータをご使用いただけます。
4Gamer:
天下統一を仮に果たしたとすると,どういった“ご褒美”がもらえるんでしょうか。
藤重氏:
まだ考えていません(笑)。もちろん,数値的なインセンティブも用意するつもりではありますが,天下統一を果たした達成感こそが,1番のご褒美かもしれません。
4Gamer:
マイナー大名に天下統一をさせる……という遊び方も可能ですか?
藤重氏:
もちろんです。「100万人の信長の野望」では,私もびっくりしましたけど大友家が天下統一を果たしたこともありますし,本作でもそういう歴史のうねりを,楽しみの一つとしてチェックしていただければと思います。
4Gamer:
キャンペーンなどの施策については,どういった展開を予定していますか。
信長の野望の世界観を好むお客様が,しっかりと納得できるようなイベントやコラボレーションを展開しようと思っています。コーエーテクモゲームスの歴史シミュレーションゲームファンに応えることが最重要ですので。そうした展開をしていく中で,「こんな遊びはどうかな」「こんな解釈もあるよね」といった,幅を広げるような施策もやっていければと思っています。
4Gamer:
配信時期は年内が予定されていますが,あらためて藤重さんよりお聞かせください。
藤重氏:
2016年内予定ですが,あまり寒くならないうちに出したいなと。
もう1回CBTをやりたいと考えているのですが,そこで大きな問題が見つからなければ,正式サービスの開始につなげる予定です。
4Gamer:
最初のCBTでは,どういった要望が集まったのでしょうか。
藤重氏:
「自分の端末では動かない」「快適に遊びたい」というお声が多かったので,正式サービスまでに,より快適に遊べるモードやオプションを用意したいと考えています。
どこまでカスタマイズ可能にするかはもう少し検討が必要ですが,「表現力重視」「快適性重視」など,モードを分けて合戦を楽しめるようにすれば,より多くのお客様に楽しんでいただけるようになるはずです。
4Gamer:
これは個人的に気になるところなんですが,結婚システム的なものはあるんでしょうか。
藤重氏:
今のところは実装していないのですが,あったら楽しいですよね。すぐには形にできないのですが,検討してみます。
4Gamer:
最後になりますが,ゲームの配信を楽しみにしている4Gamer読者にひと言をお願いします。
藤重氏:
いつもコーエーテクモゲームス作品をご愛顧いただき,ありがとうございます。信長の野望シリーズは30年以上も続いていますが,本作は「最大100人の大規模合戦」がウリのスマホ向けアプリとして,ファンの皆様にお届けしたいと考えています。年内にはリリースできるはずですので,ぜひ楽しみにお待ちください。
先日発表しましたが,シブサワ・コウブランドも今年で35周年。それに伴って,35周年にちなんだイベントやキャンペーンを多数展開する予定ですが,本作でももちろんやります。信長の野望のほかのタイトルとのタイアップなど,さまざまな展開を計画していますので,そちらにもご期待ください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「信長の野望 〜俺たちの戦国〜」公式サイト
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