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「ひとりぼっち惑星」「あめのふるほし」メッセージ送受信機能を停止。クラウドサービス「NCMB」のサービス終了に伴う
「ひとりぼっち惑星」は,2016年にリリースされたスマートフォン向けゲームアプリだ。舞台は,ジンコウチノウたちが戦争を行いお互いを壊し合っている,人がもういない惑星。プレイヤーはジンコウチノウの部品を拾って,アンテナを少しずつ拡張しながら,宇宙にメッセージを送ったり,誰かのメッセージを受信したりする。
プレイヤー同士でランダムでメッセージを送り合う,メッセージボトルの電子バージョンのようなアプリで,まったく知らないひとりぼっちの誰かとやりとりを行い,相手に想いを馳せるというシステムが,エモーショナルな世界観と相まって話題となった。
対して,「あめのふるほし」は現実世界で雨が降っているときだけ起動できるユニークなアプリだ。大気汚染された惑星を舞台に,雨の日だけ動ける機械として,壊れた機械の残骸から遺言を集めていく。なお,拾い集めていくうちに自分も壊れてしまうのだが,最後に遺言を残せる。「ひとりぼっち惑星」と同様に,プレイヤー同士のやりとりにフォーカスされた作品となっている。
これらのゲームの運営を支えてきた「NCMB」は,スマホアプリのサーバー側で求められるプッシュ通知機能や会員情報管理機能などを,API(SDK)を介して「機能」としてクラウド上で提供するmBaaSサービス。富士通クラウドテクノロジーズが提供していたが,3月31日をもってサービスが終了した。
ところにょり氏は,Android版「ひとりぼっち惑星」のメッセージ送受信機能の停止の理由について「Google Playの要望に応え続け,高頻度でアプリを更新し続けることは,個人開発の身では極めて難しいと判断したため」と自身のX(旧Twitter)アカウントでポストしている。
Google Playでは,一定期間内でストア側の要求を満たせなければアプリが削除されてしまうという事情がある。同氏は,新作の開発と旧作の維持を天秤にかけた結果,Android版の対応は基本的に行わない方針にしたとのことだ。
また,「あめのふるほし」については,天気を取得する仕組みに手を加える必要があるほか,作業時間を捻出することが難しいため,無期限の停止という決断を下したという。
ところにょり氏は,「スマホゲームに無限の可能性を感じていたあの頃の気持ちは未だに変わってません。」「今後も作りたくなったら作ります!」とゲーム開発を続けていく旨を綴って,一連のポストを締めくくった。
【お知らせ】NCMBの終了に伴い、『ひとりぼっち惑星』のメッセージ送受信機能を本日(3/31)終了時点で停止いたします。
— ところにょり (@tokoronyori) March 31, 2024
iOS版のみ近いうちにアップデートにて対応を行いサービスを継続する予定です。… pic.twitter.com/dwbdz907hg
【お知らせ】NCMBの終了に伴い、『あめのふるほし』のメッセージ送受信機能を本日(3/31)終了時点で無期限で停止いたします。
— ところにょり (@tokoronyori) March 31, 2024
継続のためには天気を取得する仕組みにも手を加えなけばいけないため作業時間を捻出することが難しく、iOS,Android共に無期限でサービスを停止いたします。… pic.twitter.com/jiZsnlOHvr
(C)Shogo Senouchi
(C)Shogo Senouchi