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[G-Star 2017]撃てる,歩ける,風が吹く,そして足場が傾く。ギミック山盛りのVRデバイス「Quantum VR Treadmill」をプレイ
Quantum VR Treadmillは,「Virtuix Omni」のような“歩けるVRデバイス”だ。ただし,ルームランナーサイズのVirtuix Omniよりもかなり巨大で,基本的にはアミューズメント施設などでの使用を想定していると思われる。
トラッキングには,「Vive」の周辺機器であるモーショントラッカー「Vive Tracker」を用いており,背中に1台,両足の専用シューズにそれぞれ1台搭載されている。また,Viveコントローラを装着した銃型コントローラも用意され,これを使った射撃操作も可能だ。
歩行して射撃を行えるだけなら,ほかのVRデバイスでも可能なので珍しくはないのだが,Quantum VR Treadmillが面白いのは,さらにギミックが搭載されていることだ。
まず1つが,天井部分から吹き出す風だ。巨大な敵が現われたときや,吹き飛ばされたとき,高速移動を行っているときなど,ゲーム内での演出に合わせて頭上から強い風が吹き出す。
そしてもう1つ,とくに面白いのが「足場が傾く」ことである。振動するとかベルトコンベアのように動くとかではなく,本当に傾く。それほど急な傾斜ではないものの,VRヘッドセットを装着した状態で,しかもゲーム内の演出に合わせた斜めの足場に立っているのは,強烈な臨場感を生み出してくれる。急に足場が傾くと危険に思えるかもしれないが,Quantum VR Treadmillは腰の部分をがっしりとベルトで支持する仕組みで,体重をかけて寄りかかっても問題なくプレイできるほどなので,転倒の心配はなさそうだった。
会場では,ジャンプ台を使って空中を飛び回り,ロケットランチャーで敵を吹き飛ばしまくるアクションシューターと,襲い来るクリーチャーと戦いながら研究所のような場所を進んでいくホラーモノの,2種類のデモがプレイできた。
筆者はホラーをプレイしたのだが,印象に残ったのはやはり,足場の演出だ。例えば,巨大クリーチャーに襲われて,エレベーターで逃げるシーンがあるのだが,クリーチャーは扉をこじ開け,鎌のようなものでガコンガコンとエレベーターの足場を攻撃してくる。この攻撃に合わせてQuantum VR Treadmillの足場が何度も傾くので,倒れそうでけっこう怖い(実際はベルトがあるので,倒れようがないのだが)。
また,ほかの人のプレイを見ていると,クリーチャーが突っ込んでくると,意味はないのに皆のけぞってしまうのが,ちょっと面白かった。
公式サイトを見ると,アリーナで戦う形式のシューターなど,今回のデモとは別に3つのVRタイトルを開発しているようだ。さすがにこのサイズの筐体を家で使うのは無理だと思うが,将来的に,こうしたギミック山盛りのVRデバイスがアミューズメント施設で遊べるようになると楽しそうである。
「Quantum VR Treadmill」公式サイト
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