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[EVO Japan]プロゲーマー・ノビ選手が語る,大会で勝つための秘訣。docomo 5Gブースの講習会をレポート
「5G」とはNTTドコモが2020年に提供開始を目指す,第5世代移動通信システムだ。これまで以上に通信速度が向上することにより,e-Sportsなどにも活用できるとされている。ブースでは5Gの基地局が置かれ,これに無線接続されたPCと,光回線につながったPCの間で「鉄拳7」の通信対戦を体験できた。
ブースには,5Gの基地局ユニットが設置されていた |
隣同士にPCが置かれているが,実は5Gと光回線を使い,インターネット経由で接続されている |
大会の前に心がけるのは「キャラクター対策の徹底」「コンディション調節」「大会レギュレーションに合わせて慣れる」
ブースでは,鉄拳シリーズで活躍するプロゲーマーであるノビ選手が登壇し,EVO Japan 2018の戦いを控えたタイミングで,大会の前と最中の心構えを語った。
ノビ選手が大会前に心がけているのは,「キャラクター対策の徹底」「コンディション調節」「大会レギュレーションに合わせて慣れる」の3点だという。
●キャラクター対策の徹底
キャラクター対策に関しては,苦手なキャラクターに関する知識を仕入れたり,実際に対戦したり……といったところが頭に浮かぶが,これではまだ不足しているという。ではどうすればいいのかというと「苦手とするキャラクターを自分の手で使ってみる」ことがとても有効なのだそうだ。この時,ライバル選手の対戦動画で立ち回りを組み立てれば,キャラクターと選手への対策が同時に行えて効果的とのこと。自らがライバル選手になることで,使われると辛い技や動きを把握するのである。
ここでノビ選手が挙げた実例が対一八戦だ。ノビ選手はドラグノフを持ちキャラとしているが,一八と対戦すれば「シャープナーを安易に打つと危ない」ことは理解できるものの,具体的な勝ち方は分からないという。ここで,自ら一八を使ってドラグノフと戦うと「一八としては,シャープナー以外の下段技を打たれるとキツイ」ことが体感できるのだそうだ。ノビ選手はこうしたキャラクター対策法の徹底により,「鉄拳7」の全キャラクターを扱えるそうで,大会で成績を残せている理由もここにあるのだと語った。
とはいえ,ゲーマーとしてはキャラクターのルックスや性別などで好き嫌いが生まれがちだ。使いたくないとか,嫌いと感じられるキャラクターが出てきてしまうものだが,これについては,実際に使ってみると愛着が湧いてくるのだという。
ただ楽しむだけなら,好みでキャラクターを選んで遊ぶだけでいいかもしれないが,プロゲーマーとなると,こうした細かな分析で苦手な部分を克服していかなければならないというわけだ。
●コンディション調整
ノビ選手は,苦い経験からコンディション調節の大切さを学んだのだという。それは2013年に韓国で行われた大会のこと。ノビ選手は緊張のあまり眠ることができず,同じグループにいるライバル選手の動画をチェックするなどして夜を過ごした。結局,眠れたのはわずか30分ほどで,その大会ではあっという間に負けてしまったのだそうだ。
こうした経験から,ノビ選手はコンディション調節を徹底するようになったのだという。ゲームを“遊ぶ”上では,コンディションを意識することはあまりなく,つい徹夜する人もいると思うが,大会に“勝つ”ためには心身共にベストな状態でなければならないのである。
●レギュレーションに合わせて慣れる
レギュレーションに則した調整については,大会ならではの事情が絡んでくる。鉄拳シリーズでは,アーケードとゲーム機のどちらで大会が行われるか分からない。アーケード筐体だとディスプレイの大きさや目からの距離,スティックの位置は一定だ。しかし,ゲーム機だとこうした部分が会場によってまちまちになる。ノビ選手自身もゲーム機環境,とくにアーケードスティックを膝に置くのが苦手だったものの,これに慣れるため,一旦アーケードでのプレイを絶って調整したそうだ。
大会では,相手を意識しつつ,緊張をコントロールするマインドが大事
いざ大会に出場したとき,ノビ選手が重要だと考えているのが「対戦相手を把握すること」「1セットが終わった際に立ち回りを変えること」「緊張している時の切り替え」の3つだ。
●対戦相手を把握する
大会の場は,普段の実力だけで勝負が決まるわけではない。とくに鉄拳は逆転が多く起こる“勝負が荒れやすいシステム”になっているため,対戦相手を把握するのがポイントとなるそうだ。ノビ選手にとって一番怖いのは「得体が知れない相手」とのことで,事前に動画を見ておくだけでもかなり印象が変わってくるという。
●1セットが終わった際に立ち回りを変える
言葉だけを聞くと,負けた時のリカバリー法にも思えるのだが,自分が勝った時も立ち回りを変えることは重要なのだという。勝った時は「このままの流れで押し切りたい」と考えてしまいがちだ。しかし,このように気持ちに余裕がある時は,相手の行動を意識できなくなるのだという。勝てているからこそ,相手を勝手にイメージしてしまうのだ。
相手が勝った場合には,逆の現象が起こる。一気に押し切ろうとプレッシャーを掛けてくるため,守りに徹した状態からカウンターをかければ,リスクを抑えつつ勝率を上げられるそうだ。
●緊張している時の切り替え
大会に出ると,緊張してしまい,普段の実力を出せないこともある。「大会には魔物が潜んでいる」という状況だ。そんな時は,自分が堅くなっていることを受け入れるのが大事。鉄拳では,普段から繰り返し使って頼りにしてきた“自分をほぐせる技”を使って時間一杯戦い,緊張を解いていくのがポイントなのだという。
もちろん,メンタルの強さも重要となる。ノビ選手が2011年の「World Cyber Games」で決勝に進出した際,応援は地元の韓国選手に向けられたものばかりだった。普通なら萎縮してしまうが,ノビ選手は「ここで圧勝すれば,すごく気持ちいいだろうな」と考えていたのだという。結果,ノビ選手は見事に優勝を飾ったのだから,緊張せずにメンタルを切り替えることの重要性が分かる。大会では,こうした気持ちの有無が強さを分けるため,「どんな状況にも左右されない,普通の自分を出すこと」が大事なのだ,とノビ選手は語った。
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