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Dell,自社ブランドのゲーマー向けノートPC「Inspiron 15 7000」を発表。GTX 960M搭載で約13万円から
デルはどうやら,ALIENWAREと棲み分けた,Inspironブランドのシンプルなデザインのゲーマー向けPCで,国内システムビルダーとの戦いに挑むこととなるようだ。
なおデルは同時に,やはり自社ブランド製としては初のゲーマー向け液晶ディスプレイ「S2716DG」も発表している。こちらは27インチ,解像度2560
発売日は10月27日の予定。直販価格は7万9980円(税別,送料込み)なので,単純計算した税込価格は8万6378円となる。
ここからは,同日に東京都内で行われたDellによる製品発表会での情報と,展示会場で撮影した実機の写真を中心にレポートしたい。
ゲームPCは欲しいがALIENWAREには手が届かない層を狙うInspiron 15 7000
まずはDellのゲーマー向けPCにおける,新Inspironの位置付けから見ていこう。
そこでDellでは,より「一般的なノートPC」的なデザインを採用しつつ,ALIENWAREと比べて安価な価格帯に設定することで,ALIENWAREがカバーできていなかったユーザー層に訴求する製品,もっとはっきり言うと,冒頭でも紹介したとおり,「GALLERIA」や「G-Tune」などといった,システムビルダーのゲームPCがしのぎを削る市場で勝負できる製品を用意することにした。その第1弾が,今回のInspiron 15 7000というわけだ。
デルによれば,この試みは,日本以外の多くの国や地域でも展開予定とのこと。ノートPCのラインナップを増やす予定だけでなく,デスクトップPCの発売予定もあるそうだ。
ただ,ALIENWAREの本拠地である北米市場では,ALIENWAREが非常に強いこともあり,展開は遅くなるとのこと。どちらかといえばこの施策は,北米市場以外に向けたものという理解が正解なのかもしれない。
それでは,会場で披露されたInspiron 15 7000をチェックしていこう。なお,今回披露されたのは,英語キーボードを搭載するレッドモデルの試作機であり,ベンチマークテストや内部の撮影などは行えなかったことをあらかじめお断りしておきたい。展示機は英語キーボードを採用しているが,国内販売されるものは日本語配列のみになるとのことだ。
まずは外見からだ,パッと見た印象では,ゲーマー向けではない普通のInspironそのままといったデザインをしている。そのため「既存の製品にGeForce GTX 960Mを組み込んだだけなのかな?」と思ったが,実際はそうではない。
前段で掲載した黒モデルの製品イメージでも分かるように,Inspiron 15 7000では,背面と左側面には大きな排気孔を設けて,左右後方に内蔵した2基の空冷ファンで放熱を行うという,新しい筐体を採用しているのだ。単体GPUを搭載しないInspironで,ここまでの冷却機構は必要ないわけで,このあたりはゲーマー向けモデルらしい最適化が入っているということになる。
特徴の1つに,底面の前寄りに小型のサブウーファを内蔵している点も挙げられる。キーボードの奥側に内蔵されたステレオスピーカーと合わせて,2.1chのサウンド出力が可能というわけだ。
なお,Inspiron 15 7000は光学ドライブを搭載していない。オンラインでのゲーム配信が定着した現在では,大きなデメリットにはならなさそうではあるが,購入を検討している人は注意しておこう。
販売開始が10月16日であるため,BTOメニューで何を選択できるのか,現時点では不明なのだが,ALIENWARE製品とは異なり,搭載コンポーネントの選択肢は少なくなるとのことだ。会場で聞いたところ,GPUとCPUは変更できず,メインメモリ容量を増やす程度になるのではないかという。ただ,将来的には,CPUに第6世代CoreプロセッサのCore i7を採用したり,高解像度の液晶パネルを採用するバリエーション展開も考えられるそうだ。
搭載GPUの性能を考えると,どんなPCゲームでも快適とはいえないが,それ以外のスペックと税込で13万円を切る価格を考慮すると,ゲーマー向けノートPCとしては手の届きやすい価格を実現するというDellの目標は達成されているように思える。ゲーマー向けノートPCの新しい選択肢が登場したことは,素直に歓迎したい。
S2716DG
続いては,ゲーマー向け液晶ディスプレイの「S2716DG」を見ていこう。
簡単なスペックは本稿の序盤で紹介したとおりだが,非光沢タイプのTN液晶パネルを採用。応答速度は1ms(高速モード時,詳細は不明),輝度は350cd/m2,コントラスト比は1000:1,視野角は左右が170度,上下が160度となっている。
垂直144HzとG-SYNCに対応する27インチ液晶ディスプレイとしては,Acerが「XB270HUbprz」という製品を発売済みだが,あちらはIPS液晶パネルを採用して予想実売価格は13万円前後という,かなり高価な製品となっている。それに対して,2716DGは税込で8万6000円程度と,かなり割安な製品となっているの大きなポイントだ。
TN液晶パネルであることが気にならないのであれば,G-SYNC対応の大型ディスプレイとして魅力的な選択肢となるのではなかろうか。
●S2716DGの主なスペック
- パネル:27インチワイド,TN方式,ノングレア(非光沢)
- バックライト:LED
- パネル解像度/最大垂直リフレッシュレート:2560×1440ドット/144Hz
- 輝度(通常):350cd/m2
- 表示色:約1677万色
- コントラスト比:1000:1(標準)
- 視野角:左右160度,上下170度
- 応答速度:1ms(高速モード),3ms(通常モード)
- 接続インタフェース:DisplayPort入力×1,HDMI入力×1,USB Type-A 3.0×4,USB Type-B 3.0×1
- チルト(上下回転):対応(-5〜+21度)
- スイーベル(左右回転):対応
- ピボット(縦回転):対応
- 高さ調整:対応(最大130mm)
- 消費電力:47W(通常時),0.5W以下(スタンバイ時)
- サイズ:612.5(W)×200.3(D)×416.3〜546.3(H)mm
- 重量:7.2kg
- 保証期間:3年
- 発売日:2015年10月27日
- メーカー想定売価:7万9980円(税別,送料込み)
デル公式Webサイト
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Inspiron
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