このゲームの読者の評価
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残念!見た目だけでした! 20 - 投稿者:えるどらいばー(男性/30代)
- 投稿日:2016/05/01
- 良い点
- ・1990年代中期、3D黎明期のゲームの雰囲気を忠実に再現したグラフィックス
- 悪い点
- ・単調過ぎる謎解き
・簡単過ぎる戦闘
・緩過ぎるゲームバランス
・ありきたりで拙いシナリオ
・演出不足
・単純なボリューム不足 - 総評
- 90年代のローポリをわざわざ再現したと言う事で発売前から大変話題になり、鳴り物入りでリリースされた作品。
まず特筆すべきはそのグラフィックでしょう。
作者は20代後半から30代前半をターゲットにしていると述べていましたが、当時のゲームをプレイしている人なら誰しも懐かしく感じるはずです。
狂気とまで言われている、技術的限界から生じていたポリゴンの歪みまで再現した徹底ぶりは圧巻の一言です。
が、上記の良い点はリリース前に見えていた表面的なものであり、中身はと言うと非常に残念な出来であったと言わざるを得ません。
まず最初に謎解きがとても単純です。
この手のゲームに慣れてしまった現代だからそう感じてしまうのかは分かりませんが、3桁の数字合わせと鍵探ししか無いのは如何なものかと思います。
2016年現在こうしたゲームはグラフィックスの発展とともに数々リリースされてるわけですから、謎解きの部分だけでもそうしたモダンゲームから引っ張ってきて欲しかったです。
戦闘もまた然りです。
当時の雰囲気を再現したいのは分かりますが、どの敵もノロ過ぎて全く脅威に感じません。
加えてこちらの攻撃が強く、攻撃している間はあちらは反撃出来ないのか、一方的に殴り続けられます。
結局初挑戦にも関わらず、クリアするまで1発しか攻撃を食らいませんでした。
こんなゲーム初めてです。
その戦闘の簡単さに拍車をかけているのがゲームバランスの緩さです。
具体的に言うとアイテムの手に入りやすさです。
弾丸でも回復アイテムでもそこら中にバラバラ落ちています。
当時の類似ゲーム、私はバイオハザードとサイレントヒル、クロックタワーくらいしか知りませんが、どの作品にも共通して、限られたアイテムで文字通りサバイバルする感覚があったと思います。
これに関しては設置数を少し絞るだけでだいぶ違っていたと思うので本当に残念です。
作者は当時のゲームに相当な思い入れがあると思うのですが、だとすれば何故このような緩い難易度になってしまったのか甚だ疑問です。
上記の2点も含めて、ここはかなりシビアに、サディスティックに作ってくれてもよかったと思います。
あの時代のゲームはもっとキレてました。
そしてシナリオに関しても頂けません。
物語はこの空間の謎、と言うよりは主人公の謎を解き明かして行く物になっているのですが、オチはお決まりのアレです。
ただ、その設定自体はさした問題では無いのです。
問題は登場する文書(初期バイオハザードに出て来たペラペラするあれです)や登場人物等に、主人公の謎との関連性を
一切感じられない事です。
暗示が仕掛けられているのだとしても、それは1、2点しか気付きませんでした。
多分殆どは何も考えられていないんだと思います。
全く伏線が回収されず、また主人公に関する謎も全てが解明されるわけでもなくいきなり終わった時には唖然としました。
所謂打ち切りエンドのノリに近いです。
飽きてしまったのでしょうか?
そしてそのシナリオを飾る演出に関しても拙いと言わざるを得ません。
本作はホラー寄りにならないミステリーを標榜している様ですが、そうした物に付きものの思わずビクッとなる様なカットインがとにかく淡白です。
クリーチャーとの初対面においても「何だこいつは!?」的な一言で終わりです。
じゃあそのクリーチャーを映すカメラワークが凝ってるかと思えばそうではなく、定点カメラのワンカットで終了です。
思うにこれが個人制作の問題点であり限界点なのかもしれません。
せっかくグラフィックスで見せた拘りを、表現力の無さから上手く料理できていません。
インタビューで作者はゲーム制作を始めてまだ数年と言っていたので苦手部分があるのはやむを得ない事かと思います。
が、これは見せ方一つで劇的に変わる所なので本当に勿体無いです。
一部のアートに関してはデザイナーに依頼してるみたいですが、演出に関してもプロを立てるべきでした。
せめて最初のクリーチャーとの遭遇くらい、初代バイオハザードのゾンビ発見レベルのインパクトが欲しかったと思います。
まぁプレイ動画でしか見たことありませんが、『アローンインザダーク』なんかも結構あっさりしてましたが…。
そしてゲーム内容もシナリオも、演出もまずいとなれば、プレイボリュームくらいは確保して頂きたかったですが、そうはなりませんでした。
このゲームはsteamのページにご丁寧に「プレイ時間は2-3時間を想定しています。」と断り書きがしてあります。
これは完全に自分の認識ミスですが、例えばPS1のバイオハザードシリーズでは、初回のプレイ時間は10時間を超えるボリュームでした。
しかし、パターンやアイテムの配置を覚える事で時間を短縮でき、速い人であれば1-2時間でクリアする事が可能でした。
自分は勝手にこの『初回以降のプレイ』で2-3時間のボリュームであると思い込んでいました。
しかし実際は、『初回プレイ』で2-3時間でクリアできてしまうボリュームなのです。
これはこの手のゲームをプレイした経験がある方ならば如何に短いか分かるはずです。
PS1のバイオハザードで言えば、初回プレイならまだまだ最初の洋館から出られていないと思います。
物語が盛り上がる前に終わってしまった印象です。
これに関しては単純に工期を延ばしてでももう少しなんとかすべきでした。
ですが延ばして延々上記の単調な内容が続くのであれば、これくらいの長さでよかったのかなぁと同時に思いました。
総括すると、見た目は良いが中身が伴ってないゲームだと思いました。
昨今グラフィックばかりリアルで、中身がスカスカなゲームは沢山ありますが、まさか逆に汚いグラフィックで釣って、内容がどうにもまずいというパターンが出てくるとは思いませんでした。
まぁ両者ともベクトルは違えど『グラフィックに拘っている』という点では一致しますが。
本当にグラフィックに関しては素晴らしいです。
汚なくするにしても相当の手間暇をかけて作られている、という点は伝わってきました。
しかし内容が余りにもお粗末でした。
マインクラフト以降、インディーズゲームの市場は急速に拡大してきています。
それに伴いクオリティも上がり、野心的で独創的なタイトルも増えて来ています。
この『Back in 1995』も、そんなタイトルの中に名を連ねる事ができるポテンシャルを秘めていました。
ですが実際にはお世辞にも評価に値する出来ではありませんでした。
冒頭でも述べた通り、『鳴り物入り』で颯爽と現れ、インディーズとしては異例に広く認知されたタイトルだと思います。
だからこそ当時のゲームをパーフェクトに再現した物を作るべきでした。
作者はインディーズのゲームを作る側にはターゲットを絞る権利があって、お客を選んでそこにピンポイントで刺さるものを作るべきだ、と言うような事をインタビューで述べていましたが、多分この作品は的まで届かなかったように思います。
作者はゲームを作り始めてから数年という事なので、あまりに厳しい評価は酷だとは思います。
ですが、お客を選んだからにはそこに確実に刺さるものを作って欲しかったと思います。
どうにもグラフィックスを作り上げた時点で満足してしまったのかな、という印象が拭えません。
市場の広がりを見せるインディーズですが、そこに求めるハードルが高くなって来ているのを感じます。
本来のインディーズであればこのレベルの物でも良かったのかもしれませんが、今は時代が違います。
『インディーズである』という事に胡座をかく事は出来なくなっています。
なんでもかんでも安売りする風潮は好きではありませんが、この作品に関して言えば1000円でも高いくらいだと感じてしまいました。
次回はグラフィックスだけでなく、内容にも同じくらいの手間をかけて頂きたいかなと思いました。 - プレイ時間
- 5時間以下
グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム 5 3 4 1 1
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