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「龍が如く6 命の詩。」の記者発表会が開催。主人公・桐生一馬,最後の物語が東京・神室町と広島・尾道仁涯町を舞台に描かれる
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「龍が如く6 命の詩。」公式サイト
「こちら」の記事でお伝えしているとおり,会場では正式タイトルの「龍が如く6 命の詩。」が明らかにされた。ステージに登壇した「龍が如く」シリーズ総合監督の名越稔洋氏は,サブタイトルについて「血のつながりや絆などをテーマにした本作のドラマを表すのにシンプルな言葉を使った」と述べた。
そして,ティザームービーによって,本作が主人公・桐生一馬の「最終章」となることが判明している。ナンバリング作品としては,久しぶりに桐生が単独主人公という位置づけであり,彼の物語にいったん終止符が打たれることになる。
サブタイトルの最後に「。」と付けられているのは,「シリーズの物語に一つの区切りをつける」という意味が込められているそうだ。
また,登場する俳優陣も合わせて発表された。すでに発表済みのビートたけしさんを筆頭に,宮迫博之さん,藤原竜也さん,真木よう子さん,大森南朋さん,小栗 旬さんが名を連ねている。名越氏による,俳優陣が演じるキャラクターについての解説と共に紹介しよう。
■広瀬一家総長 広瀬 徹(ビートたけしさん)
広島を拠点とするヤクザ「広瀬一家」の総長である。名越氏いわく「極道だけど,とらえどころがなく,ユーモアを持ち合わせていて,いろいろな魅力を持っている」という。もちろん,物語のキーマンになる人物だそうだ。
■広瀬一家若頭 南雲 剛(宮迫博之さん)
広瀬一家の若頭である南雲 剛は,少しとっぽいところがあるチンピラヤクザで,桐生とはぶつかり合うような出会いから,ドラマが生まれていくという役どころだ。宮迫さんは「龍が如く3」にも出演をしていて,「演技が抜群にうまい」(名越氏)ことから,再度出演してもらおうと,今回のオファーに至ったという。
■広瀬一家若衆 宇佐美勇太(藤原竜也さん)
桐生を「兄貴」と呼ぶシーンもある広瀬一家の若衆が宇佐美勇太。藤原さんもまた「龍が如く3」に出演しており,宮迫さんと同じく,名越氏の希望により再オファーとなった。今回も気合いの入った役作りのもと,「いい内容になった」と名越氏は満足気に語っていた。
■スナック清美ママ 笠原清美(真木よう子さん)
広島にある「スナック清美」のママ,笠原清美。マドンナ的なキャラクターで,地元の男性の憧れの的となっている。名越氏自身,真木さんのファンとのことで,いつか出演してほしいと望んでいたという。
■巌見造船社長 巌見恒雄(大森南朋さん)
広島の造船会社社長,巌見恒雄。実業家でありながら,広島では大きな影響力を持った人物で,大森さんの「淡々とした空気感が格好いい」と名越氏は評していた。
■染谷一家総長 染谷 巧(小栗 旬さん)
東城会直系染谷一家総長の染谷 巧。東城会の新興勢力という立ち位置で,インテリジェンスを匂わせながらも,実は武闘派という極道だ。桐生に対して,不遜な態度を見せることもある。染谷のキャラクターCGについて,名越氏は「本当に(小栗さんに)似ている」と賞賛し,CGになってもその演技はすばらしかったとのこと。
このような実力派俳優の出演について,名越氏は「『龍が如く』ブランドが11年間で積み重ねてきた信用が,妥協のない理想的なキャスティングにつながった。本当に嬉しく思う」とコメント。シリーズ初期の頃はオファーを断られることが多かったそうだが,今回は人づてで,本人から「龍が如くに出たい」という「逆オファー」もあったそうである。
「龍が如く6 命の詩。」の舞台も紹介されている。本作はシリーズでおなじみの東京・神室町と,広島県の尾道仁涯町(おのみちじんがいちょう)という2つの地域が舞台となる。
新登場の尾道仁涯町は,都会である神室町とは対照的な田舎町で,戦時の暗い歴史から這い上がってきたというバックボーンを持っている。いろいろなドラマを生み出すポテンシャルを持っていることが,この土地を舞台に選んだ理由だという。
もちろん,神室町のクオリティも向上しており,「PS4の表現を駆使したディープな町作りの集大成となる。その驚きを体験してもらえたらと思う」と名越氏は自信を見せていた。
記者発表後,名越氏への囲み取材が行われた。本稿の締めとして,その内容をお伝えしよう。
――非常に豪華なキャストの発表を終えて,今の心境をお願いします。
名越稔洋氏(以下,名越氏):
僕らは毎回,ユーザーさんに驚いてほしいと思っていて,その期待とプレッシャーに負けないキャストを揃えることが前提にあります。今回も期待に応えられるキャストを揃えられたという自信がある反面,不安もありました。皆さんの反応を見る限り,前回を越えられたという手応えはありますね。
今回の発表はあくまでキックオフです。9月の東京ゲームショウで全貌を明らかにする予定ですが,そういう意味では短い時間ながら緊張感のある発表会でした。
――新たな舞台となる尾道について,あらためて説明してください。
名越氏:
田舎っぽい町作り,というとちょっと変かもしれませんが,「龍が如く」シリーズでは時代劇ものをリリースしていて,木造建築などを表現するノウハウがあります。ただ,PS4というパフォーマンスの高いハードウェアで,その空気感が感じられるようにするには,作り直しをしなければならないところもあって,大変な選択ではありました。
それでも,やはりいろいろなタイプの人間をキャラクターとして揃えたくて,都会人ばかりでなく,生まれも育ちも違う人達を混ぜたドラマを描きたくて,田舎町を選びました。
尾道は映画でも扱われていますし,町自体がエンターテイメント作品に対して協力的です。取材もスムーズに行われ,いい選択ができたと思っています。
――広島というと映画「仁義なき戦い」の舞台でもあります。それは意識しましたか。
名越氏:
それはなかったですね。
――発売日が「龍が如く」と同じ12月8日ですね。
名越氏:
今回,そこに合わせたことに狙いがなかったわけではないのですが,それ以上に「2016年秋」と発表しておいて,「12月8日が秋なのか?」というツッコミが怖いですね(笑)。
遅めの秋となってしまいましたが,そのぶんゲームは非常に濃いので,それによって時間がかかってしまいました。でも,「龍が如く」を待っているユーザーは,「早く出す」ことより,「しっかり作って,いいものを出してほしい」という人のほうが多いと思います。そこに甘えたわけではありませんが,お許しいただけるのではないかなと。
名越氏:
「龍が如く6 命の詩。」は2016年12月8日からストーリーが始まるわけですが,ナンバリングタイトルに関しては常にそうしてきたんです。シリーズを重ねるごとに僕も年を取り,桐生一馬も,彼を演じる黒田崇矢さんも年を取っていく。そんな中で,どこかで一つの終わりは来るだろうと考えていました。
僕自身,ドラマ性の高いコンテンツにおいて,物語はどこかで必ず終わるべきだというポリシーを持っています。ダラダラと続けていくのは,緊張感がなくなってしまいますよね。
もちろん商売として,年齢を止めたり,若返らせたりすることも考えられますが,キャラクターが年を食っていく様子を見届けながら,ファンはついてきてくださっている。そこで急にルールを変えるのは,ある意味,ファンを裏切ることになってしまいますからね。これまでと同じ流れを続けるならば,どこかでケジメをつけなければならない。そういう時期が来たと,解釈していただければと思います。
「龍が如く」というIPそのものが,どうなるかはまた別の話ですので,今回は桐生一馬の最終章をしっかりと描きます。
――開発の進捗はいかがですか。
名越氏:
順調です。問題なく進んでいます。
――ファンの方にメッセージをお願いします。
名越氏:
いいキャスト,いい舞台,いいシナリオが揃いました。僕らはゲームで日本人向けのドラマを作っています。その一方で1人の消費者として見た場合,海外にはCGなのに表情だけで訴えかけるような優れた作品がたくさんあり,「そこに近づきたい。越えたい」という気持ちを常に持っています。それを少しでも叶えるべく,今回はPS4のみの発売にしたことで,より「質」という部分の向上に焦点を当てて開発ができたと考えています。
「最終章」と銘打ったことに嘘はないのですが,同時に「最後なんて言わないでくれ」と言ってほしいという気持ちもある。それが今の心境ですね。
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