プレイレポート
狂気の世界では,体の一部を噛まれる罰も。女性向け恋愛ADV「鏡界の白雪」のプレイレポートを掲載
アイディアファクトリーから本日(2016年5月26日)発売されるPS Vita用「鏡界の白雪」は,2つの世界で異なる顔を見せる男性と,狂気の世界で“白雪”と呼ばれ,断罪される主人公との物語を描いた女性向け恋愛アドベンチャーゲームです。主人公の赤噛未白(※下の名前のみ変更可能)は,大学の課題のために,親友の月並あたる(CV:内田 彩)と2人で鏡の展示会を訪れます。そこで,ある男性とちょっとした会話をすることに。些細な会話のみで別れた2人は,ひょんなことから再会し,彼やその知人との親交を深めていきます。
そんなある日,主人公は展示会で見かけた手鏡から聞こえる声に「運命の相手」のことを教えてもらいます。その声の通りに,手鏡を持ち歩いた主人公は,狂気の世界に誘われ,そこで見た目はそっくりだけど,まったく別の顔を持つ,まるで別人のような男性達に出会い,選択によっては体の一部を噛まれてしまうことも……というのが本作のストーリー。
2つの世界を舞台に,謎がいっぱいでダークな物語が楽しめる鏡界の白雪の内容を本稿では紹介します。
2つの世界で異なる顔を見せる男性達
本作では,プロローグで選んだ選択肢に応じて,「研究組」と「交番組」のどちらかのルートに分岐します。研究室組は,主人公が通う大学の研究室で出会うことになる3人のことで,交番組はひょんなことから主人公が立ち寄ることになる交番で知り合いになる3人を指します。
●研究室組
同じ大学に通う組島壊音(CV:杉山紀彰)は,ステンドグラスの作品を主に制作する芸術家です。主人公がたまたま見つけた教会は彼のアトリエで,見学のため,たまに訪れるようになります。最初は,あまり歓迎されていなかったようですが,次第に打ち解けていきます。
大学で出会うことになる心条無月(CV:杉田智和)は,普段はオネエ言葉でしゃべる実力派俳優。場合によっては,男っぽい口調でしゃべることもあり,そのギャップにドキッとさせられます。また,明るい表情でしゃべりかけてくれる一方で,ときおり氷のように冷たい表情をすることもあって……。
彼らが折々にまることになるのは,混堂優等(CV:岸尾だいすけ)の研究室です。彼は,童話専門の研究をしている大学准教授で,無月の幼なじみ。生徒に人気があり,研究室に遊びにきた生徒達にお茶を振る舞ったりしています。
●交番組
あるキャラいわく“爬虫類男子”な墨府刺君(CV:松岡禎丞)は,刺青の彫り師です。口数がほかのキャラよりも少ない彼は,よく行き倒れては,ほかの交番組や主人公に助けられています。休みの日は,街中で絵を描いて過ごしているようで,噂が広まり,女の子達に人気。
ちょっと幼く見える欠屋左慈(CV:斉藤壮馬)は,CLUB Fableで働く若手ホスト。人懐っこい性格で,女性に可愛がられることも多い彼は,独りの時間が凄く嫌……ということで,兄の欠屋右愛(CV:柳田淳一)が帰宅するまでの間,女性と過ごすことが多いようです。
善野世裏(CV:竹本英史)は,世話焼きな警察官です。実は可愛い物が好きで,うさぎの姿をしたキャラクター「ラビまん」がお気に入りな様子。男1人では近寄りがたいということで,行けずじまいだったラビまんのイベントに,主人公と行くようになります。
なお2周め以降は,在間 虚(CV:逢坂良太)と王崎眞記(CV:森川智之)の「同居人組」のルートも開放されます。
ある秘密を抱えた運命の人と主人公の出会い
しばらく鏡を見ていた2人ですが,いつの間にかはぐれてしまいます。連絡を取り合い,出口で待ち合わせすることにして,主人公は1人で展示物の観賞をすることに。
ここで初めての選択肢が登場! 次に見る鏡を選べるので,気になったものを選択してみましょう。
主人公は,選んだ鏡の近くで1人の男性と出会います。なお出会う男性は,選んだ鏡によって異なります。
鏡の方を見ながら何かを話していた世裏と,展示されている鏡面が歪んだ紫の鏡について,ちょっとした会話をし,そのまま別れます。
そんな,その場限りな出会いをした2人ですが,あることがきっかけで再会します。
アルバイトを終え,帰宅途中の主人公は,道端で倒れている刺君に気が付きます。救急車を呼ぼうとする主人公でしたが,刺君が交番やお巡りさんと言っているので,近くの交番へ駆け込むことに。
そこで,博物館で出会った世裏と再会します。
交番で出会うことになる左慈と刺君は,世裏が働く北八白交番に訪れては,お茶をしたり,お菓子を食べたりする仲で,世裏とは顔見知り。主人公もこの日をきっかけに,世裏が働く交番に顔を出して,お茶をするようになります。
帰宅した主人公は,朝見つけたあの手鏡から声がすることに気が付きます。その声は,自らを「鏡の精」と名乗り,主人公の運命の相手がつい最近会った人物のなかにいること,彼を狂気から救えるのはあなたしかいないことを主人公に教えます。
鏡の精との会話を夢だと思っていた主人公ですが,手鏡を持って外出すると,突然ハウリングのような音が聞こえ,気がつくと見知らぬ場所に立っていました。
その場所が,狂気の世界「鏡界」です。
狂気に苦しむ彼らを救えるのは主人公だけ
鏡界では,鏡の精と謎の男性の声が主人公にこの世界のことを教えてくれるのですが,彼らいわく,この世界は誰かの秘める狂気の世界で,主人公はここで彼らの苦しみを体感することになるとのことでした。
それから何度か訪れるようになる鏡界ですが,途中で特殊な選択肢が登場します。
選択肢は「罪を重ねるか」と「罰を受けるのか」の2択で,罪を選んだ場合は鏡界の彼らを否定し,罰を選んだ場合は,鏡界の彼らが主人公の体の一箇所に噛みつきます。なぜ主人公が断罪されるのか,なぜ彼らは主人公の体に噛みつくのか……。物語を読み進めるうちに真相が明らかになっていきます。
また,罪と罰の選択肢ですが,選択によって,エンディングに影響するようなので,注意して選びましょう。
罰を受けると,メニュー画面の「MIRROR」に表示されるパラメータが変化します。ここでは,好感度も確認できるので,こまめにチェックしましょう。
また,罰を受け続けると中央の鏡と,下に表示されているラビまんの台詞が変化していきます。
現実の世界へと戻ってきた主人公は,あちらの世界で会った彼らが本当に本人なのかを確かめるため,交番を訪れます。けれどそこには,以前と変わらず賑やかなお茶会をする3人の姿が……。結局,あちらの世界で会った彼らが本人なのか,それとも別人なのか,確かめることはできませんでした。
別の日,交番を再び訪れた主人公は,世裏がラビまんのファンだと知り,一緒にイベントへ行こうと誘います。仕事があるかもしれないから,と曖昧な返事をした世裏でしたが,急遽行けることになったと当日連絡が入り,一緒にラビまんイベントに行くことに!
それからというもの,ラビまんのイベントや甘いものが食べられるカフェなどに2人揃って行くようになります。でも世裏は,出かける約束をするとき,決まって曖昧な返事をします。
花火大会の日,前に誘った時は「仕事だと思うから」と断られてしまった主人公ですが,当日差し入れをもって交番に顔を出すと,ちょうど終わりだから……ということで,世裏と花火大会に行けることになります。
そんな風に2人で過ごす間にもときおり,鏡界にいる世裏に呼び出される形で,あちらの世界を訪れることになる主人公は,やがて世裏が隠している秘密に触れることになります。
攻略対象となる男性達はそれぞれ,ある狂気を抱え,苦しんでいます。
そんな彼らを救えるのは,あなただけ……と鏡の精は言っていましたが,果たして主人公は彼らを救うことができるのでしょうか。
物語だけではなく,インタフェースにも注目! 主人公と世裏が好きなラビまんや,物語のキーとなる柘榴がさまざまなところに使われているのが,とっても可愛いです。また,本作に登場する鏡のデザインも,それぞれ個性があるので,お気に入りの鏡を見つけてみてはいかがでしょうか?
魅力的な男性達の,普段とは違う隠れた一面を垣間見ることができる本作。秘密を抱える男性達の表の顔も魅力的ですが,彼らが抱える狂気の正体を知ると,より彼らのことが好きになってしまうこと間違いなしです! 実際,筆者も世裏の秘密を知って,ますます彼のことが好きになってしまいました。
彼らが抱える狂気が一体どういったものなのか,ぜひ実際にプレイして,その目で確かめてみてください!
「鏡界の白雪」公式サイト
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