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「ドラゴンクエストXI」PS4版のマップに点在する井戸の秘密とは? 開発秘話が明かされた「ドラゴンクエスト夏祭り2017」トークステージをレポート
続いては,開発秘話が披露された。“過ぎ去りし時を求めて”というサブタイトルは発表時に大きな反響を呼んだが,決まるまでにはさすがの堀井氏も悩んだそうだ。堀井氏が昔から時間もののSFが好きだったこと,そして30周年記念の作品としてプレイヤーの時間も過去に巻き戻すようなサブタイトルということで,現在の形になったという。サブタイトルが決まったことで開発スタッフの目指すところもクリアになったそうで,内川氏は悩むたびに“過ぎ去りし時を求めて”という言葉を思い出して制作の原点に立ち返った……と語った。
ドラゴンクエストXIでもう一つ話題になったのが“ふっかつのじゅもん”だ。主人公の名前や物語の進行度合いを大まかに記録しており,別のハードでも物語の続きを遊べるのに加え,かつて「ドラゴンクエスト」や「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」で使ったふっかつのじゅもんを入力するとゲームが有利になるという仕掛けになっている。この仕様は堀井氏が制作の早い段階から発案し,齊藤氏も「堀井さんがゲーム業界を巻き込んだ凄いことをしようとしている」と手応えを感じて導入が決まったのだそうだ。
制作のうえで内川氏がこだわった部分は「メダル女学園」と「マジックスロット」の2点だという。メダル女学園は,制作にかかるコストが高すぎるということで一時は“廃校”の危機に。当初の構想通りにはいかず,実現できなかったアイデアも多々あるものの,黒板の落書きなど細かいところに凝りつつ作り上げていったとのこと。
また,マジックスロットは「ネタは本気でやらないとお客さんに届かない」という信念の元,堀井氏に食い下がりつつ本格派のスロットに仕上げたのだという。内川氏は「堀井さんの要望を全部受ける」というポリシーで今回の制作に望んでおり,堀井氏も「すごくがんばってくれて嬉しかった」と感謝していた。
開発中の苦労話として披露されたのが,PS4版の開発中に考案された「井戸ルーラ」という演出についてのエピソードだ。PS4版では「ルーラ」の呪文で瞬間移動した際のロード時間が長くかかってしまっていた。何の対策も行っていない最初期だと,データを読み込むのになんと30分も掛かってしまっていたそうだ。もちろんこれではゲームにならないので,井戸ルーラという演出が考案された。ルーラの飛び先を地上ではなく井戸の底にし,プレイヤーが外へと登っていく最中に周囲の地形データを読み込んでいく。つまり,井戸を登る演出で読み込み時間をごまかす苦肉の策だが,「ルーラで井戸の中に飛ぶのはおかしいだろう」ということで撤廃が決定。プログラマー達の奮闘,そしてUnreal Engine 4の開発元・Epic Gamesによる改良もあって,ロード時間の短縮に成功したという。なお,マップのあちこちにある井戸は井戸ルーラの名残とのことなので,こうした点を踏まえて世界を巡ってみるのも面白いのではないだろうか。
トークステージでは,齊藤氏から「ドラゴンクエスト」「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」のダウンロード版についての発表が行われた。対応機種はPS4とニンテンドー3DSで,価格と配信日は以下のとおり。なお,ドラゴンクエストXIをクリアした際に表示されるふっかつのじゅもんを入力すると,配信されるものと同じ「ドラゴンクエスト」がプレイできるとのこと。
●2017年8月10日
「ドラゴンクエスト」:600円(税別)
「ドラゴンクエストII 悪霊の神々」:850円(税別)
●2017年8月末
「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」:1500円(税別)
最後に堀井氏は「ドラゴンクエストの31年目に11作目を出せて嬉しいです。エンディングの後にも世界があり,これを解いた状態のふっかつのじゅもんを使えば『ドラゴンクエスト』が無料で遊べますので,ゆっくりと解いてほしいです」と語り,トークステージを締めくくった。
「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」公式サイト
- 関連タイトル:
ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて
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ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて
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© 2017 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
※画面はすべて開発中のものです。
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※画面はすべて開発中のものです。
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