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「EARTH WARS」や「リバーシクエスト」など日本人クリエイターによる尖ったインディーズゲームが集結。「ID@Xbox」メディア向け体験会をレポート
ID@Xboxとは,独立系デベロッパのセルフパブリッシングをサポートするプログラムのことで,登録したデベロッパには開発キットが無償配付され,大手パブリッシャ同様,技術提供やサポートを受けられるというメリットがある。ユーザーレベルでは,Xbox Oneで「個性豊かなゲーム」が遊べるようになる取り組みと捉えておけば間違いない。
今回,メディア向け体験会で披露されたのは,ID@Xboxタイトルのなかでも日本人クリエイターが手がけた4本。いずれもXbox One向けで,「自分達のやりたいことを伸び伸びやった」という,インディーズゲームらしさが感じられる尖り具合が印象的だった。
「ID@Xbox」紹介ページ
激しいアクションが展開する「EARTH WARS」
発売元/開発元:ワンオアエイト
いわゆるベルトスクロール型の横スクロールアクションゲームだが,そこにハック&スラッシュ的な素材や武器を集める要素が融合した作品といえる。自由度の高いアクションが特徴で,画面を縦横無尽に飛び回りながら敵を次々に撃破していく爽快感がポイントとなっている。
プレイヤーが操作するキャラクターは銃と剣を装備し,戦闘中は自由に組み合わせて攻撃を繰り出せる。剣はボタンを連打しているだけでコンボになるうえ,アナログスティックを上に入れると相手を吹き飛ばしたり,近づいて投げ飛ばしたりと攻撃のバリエーションも多彩だ。
一方,銃は基本的に遠距離攻撃用だが,剣によるコンボ中に切り換えて銃撃を挟むことも可能。離れた場所から安全に攻撃するだけでなく,剣で上空に打ち上げた相手に銃で追撃を加えたり,そこからさらに剣の攻撃に戻したりと,プレイヤー次第で華麗なコンボを生み出せる。
加えて,「ブースト」と呼ばれる移動アクションが爽快だ。Aボタンを2回押すとアナログスティックを倒した方向へと高速移動するのだが,剣や銃での攻撃直後にモーションをキャンセルすることが可能。近くの敵に攻撃した後,ブースト移動で別の敵に襲いかかったり,敵の背後に素早く回り込んだり,コンボで吹っ飛ばした敵をブースト移動で追撃したりと,画面を高速で縦横無尽に移動できる。
単にボタン連打で攻撃すればいいというわけではなく,状況によっては戦い方を工夫する必要もある。たとえば,敵の中にはアーマーゲージが設定されているものがいる。これがゼロになるまではのけぞらないのだが,剣はあまり効かない。この場合,銃でゲージを大幅に減らしてから,近づいて攻撃するのがセオリーだ。また,背後から攻撃するとダメージがアップするため,ブーストで回り込むのも有効になっているようだ。
さらに戦闘にアクセントを加えているのが「デストロイアタック」だ。ライフが減っている敵の近くでボタンを押すと,特殊なアクションでトドメを刺せるというもので,敵の腕を切り落とすといった過激な表現も確認できた。ステージには回復アイテムというものが存在しないが,デストロイアタックに成功するとライフが回復するため,危険なときほど敵に近づいてデストロイアタックを狙うといったシチュエーションもありえるだろう。
敵を倒していくと経験値に加えて,触手や尻尾などE.B.Eの素材が手に入る。これを組み合わせることで新しい武器を作れるあたりは,モンスターハンターシリーズをイメージしてもらうと分かりやすいと思うが,「EARTH WARS」では素材によって属性や追加効果が武器に付与される点がユニークだ。たとえば,ある武器の素材に「尻尾」ではなく「凍える尻尾」を使うと,氷属性を付与した武器が完成するといった具合だ。
残念ながらマルチプレイには対応していないものの,開発元であるワンオアエイトの黒木 崇氏によると「たくさん売れたら,アップデートで対応したいですね」とのこと。
「EARTH WARS」公式サイト
意外な戦略性の高さに驚いた「リバーシクエスト」
発売元:パレアナ 開発元:YokogoSystems
ゲームはすごろく形式のフィールドを進んでいき,敵と遭遇するとリバーシで対決するという流れだ。対決のルールは,自分の駒(フィギュア)で相手の駒を挟むと,挟まれた駒の色が変化して自分のものになるというリバーシそのままのもの。しかし,駒にいくつかの種類が存在することが大きな違いで,たとえば戦士の駒の場合,敵の駒を挟むとその数に応じたダメージを敵に与える。これがヒーラーの駒になると自分のHPを回復,魔術師の駒だとMPが得られるといったような効果が発生する。
こうした効果は同じ駒同士で敵を挟み込まないと発生しないのだが,自分のターンで選べる駒は最大3つ。これは,トレーディングカードゲームのようにあらかじめ組んでおいたデッキの中からランダムで選ばれるため,“手札”の状況によっては,何の効果も起こらないときもあるというわけだ。
しかし,駒の種類は異なっていても,敵の駒を挟めば自分のものにできるため,「まずは敵のヒーラーを挟んで,自分のものにする。そして次のターンで自分のヒーラーを置いて回復しよう」といった,二手三手先を見越した戦略性も必要になってくるだろう。ちょっとした空き時間に,気分転換を兼ねて楽しめそうな作品だった。
なお,発売時期は2015年内に予定されている。
制服美少女が華麗に舞う剣劇アクション「巫剣神威控」
発売元/開発元:ZENITH BLUE
敵を斬りつけて「出血状態」にすると,その直後に刀を収めるアクション「斬心」を行うことで,出血状態の敵がすべて血を吹いて大ダメージを受けるという,時代劇のお約束のような流れが盛り込まれているのが面白い。
また,敵からダメージを受けないで戦っていくと,剣士→剣客→剣豪……といったように「称号」が上がり,これに比例して斬心をキメたときのダメージもアップする。つまり,敵の攻撃を華麗にかわしていく立ち回りも重要になるというわけだ。
いわゆる探索や謎解きといった要素を一切廃し,戦闘のみに絞った内容となっているため,プレイヤーはひたすらにアクションを追究できるというあたりもインディーズゲームらしく潔さを感じる。
ままならないKinect操作がなぜか楽しい「Q」
発売元:リイカ 開発元:リイカ/オレンジボックス
1月に配信が開始されたスマートフォン版(iOS/Android)では,タッチパネルを指でなぞる遊び方だったが,Xbox One版はKinect操作に対応している。腕を動かして線や円を描くと,それが物体として画面に現れるというわけだ。
ただ,体験会の会場では自宅同様の環境ではないためか,細かい動きまで認識されないようで,思いもよらない物体が現れたり,それにも関わらずなぜかクリアできてしまったりと,ある種のもどかしさが楽しかったのも事実。友人や家族が遊んでいるところを眺めてみると,いっそう盛り上がれそうだ。
「Q」公式サイト
- 関連タイトル:
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