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[E3 2016]「ヒットマン」は生きているゲームだ。新エピソードのリリースが進む欧米での状況を,デベロッパのIO Interactiveがプレゼンテーション
そんなヒットマンのプレゼンテーションに,E3 2016のスクウェア・エニックスブースで参加することができた。
話をしてくれたのは,IO InteractiveでLead Online Designerを務めるTorben Ellert氏と,Global Brand PR ManagerのSven Liebold氏だ。
ヒットマンは,人気シリーズの最新作としては珍しいビジネスモデルを採用している。それは,パリのミッションが収録されたエピソード1を発売したのち,新エピソードを順次リリースしていくというものだ。
プレイヤーは,エピソード1を購入後,気になるエピソードを買っていってもいいし,まとめ買いのできるシーズンパスを買ってもいい。ちなみにスクウェア・エニックスから本作の日本発売はアナウンスされているが,具体的な発売時期については明らかになっていない。
なお,エピソード1は2016年3月に欧米で発売され,4月にイタリア・サピエンツァのミッションを収めたエピソード2が,そして5月にはモロッコ・マラケッシュのミッションを収録したエピソード3がリリースとなっている。今後は,発売時期やミッションの舞台となる都市名,そして順番こそ未発表だが,タイ,アメリカ,日本のエピソードが登場する予定だ。
さて,こうしたビジネスモデルについて,Ellert氏はTVドラマにたとえた。ヒットマンは現在1stシーズンで,現在はちょうど真ん中あたりであり,これから夏向けの「サマーボーナス」と呼ばれるコンテンツをリリースする予定だという。
TVドラマではシリーズも真ん中あたりになると,それまでとはちょっと毛色の異なるエピソードが挿入されるが,サマーボーナスはそれにあたるもの。ヒットマンシリーズ従来作をオマージュしたようなミッションを二つ含むとのことである。
一つは映画のセットを舞台にしたミッションだ。これは,「ヒットマン:ブラッドマネー」に登場した,パリ・オペラ座のミッションをオマージュしたもので,SFスーパーヒーロー作品を撮影中の映画セットに潜入し,巨大モンスターと戦うスーパーヒーローを演じる役者兼監督を亡き者にしようという内容だ。舞台となるのはサピエンツァなのだが,エピソード2の2年前という設定で,時間帯も夜になっている。
もちろん無数の暗殺方法があるのだが,ブラッドマネーのオペラ座でサイレントアサシンあたりを取った人ならピンと来るかもしれない。このマップでは,そんなブラックユーモアを重視しており,例えば,ベラベラしゃべるので,なんだろうと思って警備員が近付くといきなり自爆する人形アイテムなどが用意されているそうだ。
もう一つは,とくにどの作品ということはないが,2人のターゲットを始末し,重要書類も手に入れるというミッションである。昔のシリーズ作品ではよく見られたスタイルだ。
舞台となるのはマラケッシュだが,エピソード3の1年前という設定になっており,マラケッシュの落ち着いた,もう一つの面が楽しめるという。また,群衆が印象的なエピソード3だったが,ときどき人のいない場所もあり,こちらのミッションをプレイすると,その理由が分かるという仕掛けも施してあるそうだ。
いずれもマップは,すでに配信されたサピエンツァ,マラケッシュには違いないが,新たな部分を大きく作り込んでいるという。いずれは「エルシヴ ターゲット」(Elusive target)も,ここを舞台にしたものを出したいとのことだった。
ちなみにエルシヴ ターゲットとは,期間限定で登場する暗殺目標であり,挑めるのは1回限り。失敗すると二度と挑戦できないシステムになっている。このE3 2016に合わせて期間限定のエルシヴ ターゲットが登場したそうだが,今回の取材中に時間が来て,目標は姿を消したそうだ。
さて,ヒットマンをこうしたエピソード形式にした理由はどこにあるのだろうか。Ellert氏によれば,配信されたエピソードをプレイした人が,どのように遊んでいるのかを見たうえで,次のゲーム内容の調整が可能になるからだという。
つまり,これまでは「開発者達が考えるいいゲーム」を作るという形だったが,エピソード形式にしたことで,最適化やバランス調整なども含め,ある意味プレイヤーの目を通したゲームの改善ができるようになったというわけである。
エルシヴ ターゲットのようなことができるのも,オンラインならではのこと。これまで,4回のエルシヴ ターゲットが設定されており,今後も登場する予定であるという。
以前から現場としては,発売して終わりではなく,その後も運営を続け,例えば新しい要素を加えたり,プレイヤーの動向を見てバランスを調整したりできるような形を望んでいたそうだ。ABSOLUTIONでもこうした手法を採用したかったのだが,同作には全編を通したストーリーがあり,構造として不可能だった。しかし,「そもそもストーリー重視のヒットマンは,ちょっと違うのではないか」という意見が開発者間で一致したこともあって,エピソード形式というシステムを考慮しつつ本作の開発を進めることになったという。
もちろんストーリーは重要だ。しかし,ほとんどの物語は主人公が困難に打ち勝って成長する姿を描いているのに対して,エージェント47はいつまでもエージェント47のままであり,人間的に成長したりすることはないとEllert氏は言う。ABSOLUTIONを除くシリーズ従来作も,ストーリー的なものはあくまでミッションの中に限られており,こうした事実もまたエピソード形式を採用するうえで有利に働いたそうだ。
こうしたことをひっくるめて,Ellert氏は「新しいヒットマンは,生きているゲームです」と述べていた。
上記のように,日本では発売日が今のところ発表されていないヒットマンだが,海外のメタスコアを見る限り評価は高い。また,前述のとおりリリース済みのミッションでも,問題があればあとから修正できるし,実際に行っている。
なお,海外ではリテール版が2017年1月に発売される予定になっているので,そのあたりでの日本語版リリースを期待したい。なんでもいいから,早く遊ばせて!
「ヒットマン」公式サイト
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Hitman (C)2016 Io-Interactive A/S. All rights reserved. IO-INTERACTIVE and the IO logo are trademarks of Io-Interactive A/S. HITMAN and the HITMAN logo are trademarks of Square Enix Limited. SQUARE ENIX and the SQUARE ENIX logo are registered trademarks or trademarks of Square Enix Co. Holdings Ltd. All other trademarks are the properties of their respective owners.
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