プレイレポート
「フィギュアヘッズ」の先行OBTプレイレポートを掲載。ルールと僚機数の変更でCBTより戦略性や戦術性が増した
本作では,2015年7月と10月の2回に分けてクローズドβテストが実施され,プレイヤーからのフィードバックが集められていた。操作性の問題や,3体の僚機を動かすゲームの複雑さなど,仕様やルールに関してさまざまな意見が寄せられたようだ。
それから4か月ほど動きはなかったのだが,「こちら」の記事にもあるように,ゲームルールや仕様の改善が発表され,2月25日と26日には先行オープンβテスト(以下,先行OBT)が実施された。
では,本作のプレイフィールはどう変わったのか。この先行OBTに参加してみたので,プレイレポートをお届けしよう。
「フィギュアヘッズ」公式サイト
シングルプレイモードの追加で,より実践的な練習が可能に
既報のとおり,本作はストラテジー要素と3Dシューティングの要素を融合させた作品で,プレイヤーは2Footと呼ばれる二足歩行のロボットを操作する。一般的なチーム戦のFPSやTPSの場合,プレイヤーが操作するキャラクターや機体は,自身1人(機)のみという仕様が多いが,本作では,さらにAIが制御する2機の僚機に指示を出しながら戦うという,シューティングとしては風変わりなシステムが採用されている。
そのため,初めてプレイするときには,どう操作したらいいのかアタフタしてしまいそうなのだが,初心者でもステップ バイ ステップで本作の遊び方が習得できるように,かなり丁寧なチュートリアルモードが搭載されている。
ちなみに筆者は,FPSやTPSには少し自信があるほうなのだが,普段遊んでいるゲームとは勝手が違うので,チュートリアルをまじめにプレイしている。いきなり実戦に飛び込んで,味方に迷惑をかけたくないし。
チュートリアルモードは自機の移動方法からスタートし,ゲームルールや僚機に対する指示の出し方なども事細かに説明してくれる。初めてのプレイヤーはもちろん,これまでのテストに参加したプレイヤーも,ここは再確認したほうがいいだろう。
また,チュートリアルとは別に,非対人戦モードとしてシングルプレイモードが実装されている。このモードは,提示される課題を達成すると,その結果に応じた報酬が獲得できるというもので,クリアまでのタイムアタックにも挑戦可能だ。ここで,より実践的な操作/戦闘方法が練習できるだろう。
実際に遊んでみると分かるのだが,このシングルモードはただのチャレンジ形式というだけでなく,その中に若干のストーリー性がある。報酬のためにプレイするだけでなく,今後の展開が気になるような,プレイヤーを惹きつける作りとなっているわけだ。
なお,シングルモードのエピソードは,先行オープンβテストではSeason 1のみが開放されており,一定期間ごとに新たなシーズンがアップデートとともに追加されると思われる。果たして,どんな物語が綴られていくのか,その展開も楽しみだ。
ロールを決めて意思表示。勝利するための手段も明確化
操作やプレイルールを学んだら,いざ実戦! ということで,ビギナーマッチに挑戦だ。ちなみに本作では,敵プレイヤーを倒すだけではなく,敵陣の“コア”を攻撃することで,それぞれのチームに設定されたポイントゲージを削り,試合時間の終了時にゲージをより多く残すか,削りきったチームの勝利となる。
先行OBTでは,初めて対戦に挑む場合,ここでロールシステムの説明が入るようになった。ロールと言うとRPGやMOBA系のタイトルで多く使われる用語だが,本作では自分のプレイスタイルを宣言するために使用される。システム的に何かが有利/不利になるようなことはないが,味方と連携をとるために,それぞれがどんな役割で動きたいのか,スタート前の確認手段として重要になるだろう。
試合の参加者が揃うと,参加者一覧と味方チームへのロールが宣言できる画面へと移行する(敵のロールは当然非表示)。ロールの宣言後は準備完了のボタンを押し,試合開始までの時間を静かに待つだけだ。参加者全員のロードが終わり,マップが読み込まれると40秒間のウェイトタイムが入る。ここでは,味方のプレイヤーに対して自分がどこを目指すかを宣言したり,前もって僚機に指示を出したりといったことが可能だ。
ウェイトタイムが終了すると,いよいよ戦闘が開始される。各プレイヤーはまず,中立状態の拠点を制圧するために行動することになる。基本的には自陣に近い拠点から進めて行けば問題ないだろうが,プレイヤーのスタイルによっては,いきなり中央付近の拠点を目指すのもありだろう。
拠点を制圧をすると,弾薬の補給やダメージ回復といった恩恵を得られる。拠点にはいくつかの種類があるが,中でも重要となるのが自陣の最深部にあるコアの防衛施設だ。
防衛施設にはコアの露出を防ぐシールドを展開するものや,接近する敵を自動で迎撃するタレットを出現させるものがある。この2つの拠点が制圧下にあるあいだは敵によるコアへの攻撃が阻止でき,逆に敵の防衛施設を押さえればコアへの攻撃が可能になるわけだ。もちろん敵もそれを阻止してくるため,ゲーム中は,この2つの重要拠点をめぐる熱い攻防戦が展開されていく。
実際のゲームがどう行われていくか,ダイジェストではあるが動画を用意したのでそちらを見てほしい。
ちなみに先行OBTでは,先述のとおり敵のポイントゲージを削る手段がプレイヤーの操作する敵機(僚機は含まない)を破壊するか,コアに攻撃を加えるかだけになっていた。
前回は僚機の破壊まで含んでいたため,プレイヤーが知らないところでゲージが削られてしまい,気が付いたら負けていた,ということもあった。はっきり言ってしまえば,コアを狙うより敵の僚機を狙ったほうが有利なのでは,という状況ができていたわけだ。しかし,それが改善されたことで,プレイヤーの意識がコアへの攻撃に向けられ,施設の制圧をめぐっての戦略がより重要になったという印象がある。考えようによっては,これで本来の姿になったと言えるのかもしれない。
さて,対戦が終わると経験値と報酬がプレイヤーに与えられ,プレイヤーのランクやAIのインタフェースであるフィギュアヘッズのレベルが上がる。獲得した報酬の中にはインゲームのお金や素材などがあり,持っている武器や装甲をアップグレードできる。
筆者は武器のアップグレードしか行わなかったが,武器にはアップグレード可能な上限値が設定されているため,遊び始めのころは無理にアップグレードせず,将来のことを考えて素材とお金は貯蓄し,より強い武器を獲得してから消費するほうが良さそうだと感じた。
改善アップデートで戦略面も戦術面もパワーアップ。リスポーンに関しては懸念も?
というわけで,先行OBTでフィギュアヘッズを実際に触ってみた感想だが,前回までのクローズドβテストと比べると,よりゲームそのものが楽しめるようになった印象だ。
というのも,クローズドβテストでは随伴させる僚機が3機と,現在よりも1機多かったため,自機の操作よりも僚機への指示が忙しく,ゲームシステムに振り回されているような感覚が若干あった。それが2機となったことで,自分の使用する機体の操作に注力できるようになり,また,敵味方全体の僚機数が減った影響からか,指示出しも自分が活躍するために行う機会が増えたように思えた。そうした変化により,戦術面でも楽しめるゲームに昇華したように感じたのだ。
もちろん,それで戦略面が弱くなったということはなく,先ほど説明したように,コアへの攻撃が重要になったことで,戦場の動きが以前に増して激しくなっている。
また操作性についても,斜め方向へのダッシュが可能になったり,移動速度もやや速くなっていたりと,かなり遊びやすくなった印象だ。もちろん,自機と僚機の操作を並行して行う必要があるため,初心者には最初のハードルが高く見えてしまうのだが,そもそも本作のような遊び方はほかになかったので,誰もが同じ立場からのスタートだと思っていいだろう。
大局的に見れば,どう敵と撃ちあうかよりも,どう動いて制圧していくかが勝敗を分けるポイントになるし,少なくとも前方から迫る敵にいきなりヘッドショットで倒されることもないので(※背中のラジエーターが弱点),初心者でも十分に活躍できる作品なのでは,と筆者は考えている。
一方,気になる点がひとつあるとすれば,リスポーンだ。自機が破壊されるとリスポーンまで数十秒かかるのは,MOBA系タイトルでは当たり前の仕様なのだが,問題は敵にほぼ全ての拠点を制圧された状態だと,復帰ポイントが1か所に絞られてしまうこと。
機体の出現位置は,復帰ポイントに近いある程度ランダムの範囲になるのだが,いずれにしても周りを囲まれていればリスポーンキルが繰り返される結果になってしまう。そして,その都度リスポーン待ちが発生するという厳しい展開がありえるのだ。もちろん,その状況を招かないように戦うことも重要ではあるのだが……正直心が折れそうになる。
今後のアップデートで,例えばMOBAタイトルを参考に,安全地帯をコアの後方に配置するといった配慮を強く求めたいところだ。
と,最後に要望をあげてみたが,現在はあくまでもβテスト中であり,今回のテスト段階でも,かなり楽しめる作品へと生まれ変わったと思う。今後のアップデートで,より白熱する戦いができる作品へと洗練されることに期待したい。
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