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 「Fallout 4」のDLC第5弾「Vault-Tec Workshop」のプレイレポートをお届け。ついにあなたもVaultの監督官に
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印刷2016/09/06 15:13

プレイレポート

「Fallout 4」のDLC第5弾「Vault-Tec Workshop」のプレイレポートをお届け。ついにあなたもVaultの監督官に

 ベセスダ・ソフトワークスは2016年8月29日,「Fallout 4」PC/PlayStation 4/Xbox One)の最新DLC「Vault-Tec Workshop」の日本語版の配信を開始した。対応機種はPlayStation 4およびXbox Oneで,価格は648円(税込)。PC版はすでに配信済みだ。

「Vault-Tec Workshop」の舞台となるVault 88。入り口こそ立派だが,中はひどいありさまで,監督官の仕事は厳しい。「率直に言って,これはただの穴」とグチの一つも出てきそう
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 原稿執筆時点で,計6本の配信が予定されているFallout 4のDLCだが,その第5弾となる本作。「Vaultの建設と運営を楽しむ」というコンセプトのもと,クラフトコンテンツの追加をメインとしつつ,新たな登場人物やクエストが追加されるという点で,DLC第1弾の「Automatron」関連記事)に近い構成になっている。
 シリーズで大きな役割を果たす核シェルター「Vault」の名を冠することから,Vault系のアイテムが多数追加されそうなのは多くの人が想像したと思うが,具体的にはどんな感じなのか? PlayStation 4版を遊んだ印象をお届けしよう。


新たなVaultが発見され,冒険は地下のトンネルへ
シェルターを完成させるのはあなただ


 これまでのDLCをプレイした人には予想がつくかもしれないが,今回も謎の無線信号を受信することから物語が始まる。信号名は「Vault 88無線ビーコン」で,さっそく聞いてみると,なんらかの緊急事態が発生して,すでに存在しないVault-Tec社に救援を求める内容だ。
 場所は連邦の南東にある「クインシー採石場」の近くだが,このあたりには強力なガンナーの拠点もあるため,用心しつつ向かってみた。

 信号の発信地点に到着すると,「クインシー採石場」がかなり大きなレイダーの基地になっていることが分かる。当然,敵が次々襲いかかってくるが,入り組んだ地形で戦闘は難しい。なんとかレイダーを蹴散らして採石場の最下層にたどり着くと,できたばかりの横穴が開いている。
 どうやら,なにかの拍子に採石場と地下トンネルがつながり,今まで見つかっていなかった「Vault 88」へ通じる道が開けたらしい。中に入ると,閉じたVaultの入り口を数人のレイダーがこじ開けようとしている。

クインシー採石場はレイダーの拠点としてはかなりの規模で,敵の数もかなり多い。核放射能汚染もひどく,Vaultの入り口までレイダーだらけなので,しっかりと準備して挑まないと,返り討ちに遭ってしまう
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 そいつらを始末してVaultにアクセスしようとすると,中からスピーカー越しに声が聞こえてくる。細かい事情は分からないが,少なくとも意思の疎通が可能な人物がいるらしい。
 音声のみのやりとりなので,どうやらこちらをVault-Tec社の関係者だと勘違いしているようだ。中に入るチャンスなので気にせず進んでいくが,中は中でフェラルグールの巣になっており,恒例の「お掃除」をしなければならない。

しばらくの間,二人三脚でやっていくことになる「監督官バーストウ」。200年もの間正気を失わなかったのはたいしたものだが,それだけに頑固で,考え方も「戦前的」だ
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 奥へ進むと,ようやくVaultの声の主が現れる。見るも無惨にグール化した彼女は「監督官バーストウ」と名乗り,その名のとおり,このVault 88の管理者だという。話によると,ほかの生存者はみな死亡かフェラルグール化し,Vault自体も未完成で動作しないまま,あの核戦争から200年以上も地下に閉じ込められていたという。立場は大きく異なるが,境遇自体は戦前生まれの主人公と近く,ちょっと親近感がわいてくる。

 地上への出口が開いたので,そのまま外に出て行くのかと思いきや,彼女は「Vaultの運営を手伝ってほしい」という驚きの提案をしてくる。Vaultは完成しておらず,しかも戦争から200年が経過してVault-Tec社も消滅している。しかし,そんな現在でもなお,彼女は監督官の勤めを果たしたいらしい。
 かくして,彼女から半ば強引に仕事を押しつけられる形で,プレイヤーはVaultの建設と,そこで行われるはずだった研究に手を貸していくことになるのだ。


広大な敷地と大量に追加される建設用のアイテムで
Vault 88を好きなように作っていこう


 上記のとおり,Vault 88は未完成のまま放置されており,完成しているのは「エントランスだけ」というハリボテ状態。奥に進むと建設資材,重機などが乱雑に置かれているだけで,シェルターとしての体を成していない。

Vault 88内部は大量の建材や重機が放置されているだけなく,トンネル自体も崩落などで各所がふさがっている。まずは内部の掃除から始めよう
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 ワークショップをアンロックすれば,プレイヤーはここで自由にVaultを建設できるようになる。とくに注目したいのはその広大な面積だ。プレイヤーがクラフティングできる拠点としては,おそらくトップクラスの広さを持ち,さらにワークショップが存在するセクターが複数あって,それぞれが地下道でつながるという構造になっている。
 初期状態ではワークショップが機能しておらず,さらに地下には多数の敵が巣くっているため,周囲を一掃してセクターを1つずつ利用可能にしていく必要がある。

 たぶん,多くのプレイヤーがまずその広さに驚き,次に建築資材になるジャンクが足りるか心配するだろう。放置されている建材を解体して材料にできるが,量としてはとても足りない。そのため,素材や注文書を集めて連邦各地を回ることになりそうだ。

広いだけでなく,強力な敵も多数潜んでいる。最初は,内部を把握するだけで一苦労する
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 追加されるクラフトアイテムは非常に多く,Vaultで使用される壁や通路,コンテナなどはほぼすべて網羅されているという雰囲気だ。基本的に壁や床など,パーツごとに組み立てる必要があるので,完成させるにはそれなりに手間はかかるが,プレイヤーがVaultを自由に建設できるというのが魅力的である。
 全体を仕上げるのが面倒なら,まず自分が使う施設だけを作り込んでもいいだろう。小規模なVaultもオツなものである。

 実用性の高いクラフトアイテムも多数追加されている。作成するには多めの核物質が必要にはなるものの,コンパクトサイズで莫大な電力を供給できる「Vault-Tecリアクター」,S.P.E.C.I.A.L.を手軽にブーストできる「ウェイトベンチ」「あん馬」,さらにクエストをクリアすることで住人の満足度を手軽に上げられるアイテムなども新た内登場するので,居住地作りがはかどるはずだ。

新たに追加されたアイテムは,利用すると一時的にステータスがブーストするタイプのモノもある。とくに「あん馬」はダイナミックなモーションが見どころなので,ぜひ作ってほしい
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 クエストをある段階まで進めると,Valut 88以外では作れなかったアイテムの制限が解除され,どこにでも自由に「地上のVault」の建築が可能になる。世紀末感に溢れたつぎはぎとサビだらけの家に飽きたら,新たにビルのようなVaultを地上に建築して,あの美しかった戦前に思いをはせるのも一興だ。

地上に建設したVault式住宅。内部も戦前の品で統一できるので,オンボロ住宅に飽きた人は,材料を集めて未来都市を建設しよう
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「快適な暮らし」を提供するか「無慈悲な人体実験場」
を作るかはプレイヤー次第


 本編をある程度まで進めている人はご存じだと思うが,Vaultは核戦争を生き延びるシェルターとしての機能を有しながらも,実態は「Vault-Tecの実験施設」として運用されていた。主人公のみならず,ゲーム内で多くの人の人生を狂わせてきたVaultだが,その実態はこのVault 88でも変わりはない。プレイヤーはクエストを受ける形でVault-Tecの研究に手を貸すことになるが,その内容はまさにブラックジョーク感満載な「Vaultらしさ」に溢れている。

単なるトレーニングマシンのテストが,なぜか大爆発を起こしたりする。実にVault-Tecらしいといえば,そのとおりなのだが
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 だが,このVault 88がほかのVaultと違うのは,基本的にほぼすべての決定権がプレイヤーにゆだねられていることだ。グール化した戦前の監督官の指示どおりに住人をモルモット扱いしてもいいし,嫌なら実験内容を変えてしまえばいい。Falloutらしい自由度の高さはここでも健在で,戦前の宣伝文句どおりの「地下での快適な暮らし」を実現してもいいし,逆に「人権?なにそれおいしいの」とばかりに,ここを実験場と割り切って人体実験に励んでもいい。すべてはプレイヤーの決定次第だ。

 Fallout 4のクラフト強化系DLCは,とくに説明のないままアイテムだけ追加されて,勝手が分からずかなりの試行錯誤が必要になることもあったのだが,本作では導入クエストが追加されて,比較的スムーズにVaultの建築に取りかかれる。クラフトアイテムの追加をメインにしつつも,取っつきやすさが大幅に向上しているのが嬉しいところだ。
 クエスト開始に必要なレベルも20と高くないので,クリーチャーさえ何とかできれば,最近プレイを始めた人でも問題なく楽しめるだろう。

わがままな住民のニーズを満たすホトケの監督官になるか,効率を最優先する鬼の監督官になるか。お好きなほうをどうぞ
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 追加されるクエストのボリュームは控えめだが,これまでのDLCとは一味違った展開が楽しめるのは間違いない。価格もお手頃なので,ぜひ気軽にFallout 4ライフに追加してもらいたい。
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