インタビュー
[TGS 2018]AMDが「レイトレに関する何らかの発表」を予告。「FreeSync」関連のデモアプリ配布も
プレゼンテーションのほとんどは4Gamer読者にとって既知の情報だったが,おそらく初公開と思われる日本庭園(風)の庭をカメラが飛び回るデモが登場した点は特筆できそうだ。
今回4Gamerでは,プレゼンテーションに登壇したAMD本社のRitche Corpus(リッチー・コーパス)氏とAdam Kozak(アダム・コザック)氏に極めて短時間ながら話を聞くことができたので,その内容を以下にお届けしたい。
4Gamer:
Adamさん,今日のプレゼンテーションで出てきた「庭」のデモ,あれはいったいどういうものですか? FreeSync 2のデモだとはおっしゃっていましたが。
Adam Kozak氏:
新しいFreeSync(とFreeSync 2)のデモです。美しい庭園を飛び回るシーンにおいて,FreeSyncの有効/無効とHDRの有効/無効,Vsyncの有効/無効を切り換えて差分を見てもらうためのものになっています。
FreeSyncはすばらしいものですが,「どうすばらしいのか」を口で説明するのは難しいため,デモで見てもらおうと作った次第です。
4Gamer:
エンドユーザーに向けて公開する予定はありますか。
Adam Kozak氏:
もちろんです。
4Gamer:
いつ頃ですか?
Adam Kozak氏:
「すぐ」(笑)。基本的には完成していて,あとは仕上げをするだけなので,まもなく提供できるでしょう。
4Gamer:
次にレイトレーシングの話です。PC版「Battlefield V」(以下,BFV)がリアルタイムレイトレーシングをゲームに実装し,競合はそれをハードウェアでアクセラレーションすることになりました。
一方でAMDは以前から「レイトレーシングはGPUとCPUの合わせ技で対応するというスタンスでしたが,BFVにおいて「合わせ技」は機能するのでしょうか。
Ritche Corpus氏:
何らかのサポートについてお答えするには時期尚早ですが,「BFVのレイトレーシング」については,近い将来,何らかの発表ができると思います。
Adam Kozak氏:
あなたの意図する「アクセラレーション」と同義かは分からないですが,「Ryzenのプロセッサも(レイトレーシングの)アクセラレーションはできる」とFrostbite(筆者注:Battlefield Vのデベロッパ)が実際にそう言っていたことを付け足させてください。
4Gamer:
おお,それは期待しています。
続いては,製品情報ページが北米時間9月17日付けで開いたRyzen 2000Hシリーズについてです。これはどういった層がターゲットとなるAPUなのでしょう。
Adam Kozak氏:
ゲーマーですね。
4Gamer:
搭載製品の中心価格帯はどれくらいになりますか。
Adam Kozak氏:
パートナー各社次第です。そして現時点において各社からの発表もないので,お答えできません。ただ,ざっくり言うなら,ハイエンドの価格帯ということになるでしょう。
4Gamer:
では,搭載ノートPCの登場時期はいかがでしょう。目安でもかまいませんが。
Adam Kozak氏:
それもパートナー次第ですね。我々からは回答できません。
分かりました。最後にRitcheさんへ,パートナーとの協業についてです。
本日のプレゼンテーションではカプコンの「バイオハザード RE:2」と「デビル メイ クライ 5」両PC版が協業の成果として発表になりましたが,一方で,Radeon RX Vegaのときに大々的にアピールされたプリミティブシェーダ(Primitive Shader)に関しては,依然としてほとんど何も聞かれません。
プリミティブシェーダについてのアップデートはありますか?
Ritche Corpus氏:
まず,開発者の方々と,コラボレーションに関するさまざまな取り組みは常に進めています。今回のカプコンさんとの件も,2年間取りくんで,ようやく日の目を見たものです。
ご質問にお答えすると,DirectX 12(Direct3D 12)と同様に,プリミティブシェーダも,開発者の側において習熟までに時間を要するものです。ですので,もう少し時間がかかるでしょう。おそらく今後,プリミティブシェーダ対応ゲームは出てくると思いますが,最終的には「開発者が何を選択するか」によると思います。
AMD公式Webサイト
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