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AMDの次世代APU「Carrizo」はGPUにTongaコアを採用か。HSA 1.0フル対応で「APUの完成形」に
20日の速報記事でお伝えしたとおり,AMDはそこで,次世代APU「Carrizo」(カリーゾ,開発コードネーム)の概要を公表した。本稿では,現地取材を基に,もう少し踏み込んだバージョンのレポートをお届けしてみたい。
関連記事:AMD,次世代APU「Carrizo」の概要を公表。ExcavatorコアとGCNコア,サウスブリッジ機能を統合したSoCに
CPUはBulldozerコア世代最終形「Excavator」で確定。GPUはHSAフルサポートの「Tonga」コアか
Carrizoは,2014年1月に発表されたKaveriの後継にあたるx86 APUで,統合されるCPUとGPUがいずれも一世代新しくなる。
CPUコアは,Kaveriだと第2世代「Bulldozer」となる「Steamroller」マイクロアーキテクチャを採用していたが,これがCarrizoでは第3世代の「Excavator」になり,性能と省電力性の両方が向上するという。具体的な改善ポイントは正式発表時までのお楽しみとされたが,Excavatorは,改良が続けられてきたBulldozerマイクロアーキテクチャの最終版となる見込みは示されている。
一方のGPUコアは,DirectX 12と,AMD独自のグラフィックスAPI「Mantle」そして,HSA 1.0(HSA:Heterogenous System Architecture)にフル対応する。とくに重要なのはHSA 1.0に対応するところで,Carrizoでは,異なるコンテクストのカーネルを同時に動かすことができるようになるわけだ。もっとはっきり言うと,最新世代の「Graphics Core Next 1.1」アーキテクチャに基づく「Tonga」コアベースということになる(※Tongaコアやコンテクスト・スイッチングの詳細は10月2日の記事を参照してほしい)。
なお,Carrizoに内包されるGPUのシェーダプロセッサの数など,具体的なスペックは,やはり明らかにされなかった。
なお,速報記事でもお伝えしたとおり,Carrizoでは,サウスブリッジ機能と,ARMによるハードウェアレベルのセキュリティ技術「TrustZone」に対応したセキュリティプロセッサをも統合する,完全なシングルチップSoC(System-on-a-Chip)になる予定だ。TrustZoneの採用により,不正な読み出しを不可能にする安全なデータ管理や,不当コードの実行を抑制する仕組みが働くことになる。
登場は2015年予定だが「もうすぐ登場」とMacri氏は強調していたので,2015年初旬の線が濃厚。なおAMDからは,CPUコアに「Puma+」を採用し,「HSA 1.0ではない」(同氏)GPUコアを組み合わせた省電力版の「Carrizo-L」も,同時か,ほぼ同じタイミングで登場の見込みだ。
AMD公式Webサイト
- 関連タイトル:
AMD A-Series(Carrizo)
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